スレート屋根の補修~耐用年数と屋根の劣化・雨漏りの原因と対策について解説~

知識・ノウハウ

近年、スレート屋根の普及率は非常に多いです。
価格の安さや、耐震性に優れているなどコスパがいい屋根材として、人気があり、その人気から、新築や屋根を葺き替える際は、スレート屋根にしたいという方も多いのではないでしょうか?

この記事では、スレート屋根のメリット・デメリット、修理方法を詳しく解説していきますので、屋根材選びはもちろん、既にスレート屋根の方も参考にして見てください。

目次

スレート屋根とは

スレート屋根とは、粘土板岩を薄い板状に加工した建築材をスレートと呼び、それを屋根材として使用しているのがスレート屋根です。屋根の他に外壁材としても使用される事があります。

スレート屋根は、そのデザインから日本風の住宅よりも洋風のデザインの住宅でよく使われます。

コロニアル屋根についてはこちらの記事で詳しく解説しています→コロニアル屋根のメリットや費用、耐用年数を解説

スレート屋根の種類

スレート屋根の種類は主に、素材が天然物か人工物かで「天然スレート」と「化粧スレート」の2つに分けられます。
また、化粧スレートは形状などでさらに3つの種類に分けられています。

天然スレート

天然スレートは、天然の素材を使用しているため耐久性は高く、素材自体に防水性があるので、防水塗装を行うメンテナンスが必要ありません。

また、屋根材として使っていた天然スレートは、そのまま取り外すことが出来るため、屋根材だけに留まらず、床材などに再利用でき、永く違う形で使用することができます。

屋根材に天然スレートを採用すると外観に高級感を演出することができます。ですが、希少性が高く、施工するにも技術が必要なため、化粧スレートなど人工スレートに比べ高価な物になります。

国の重要文化財である、「旧岩崎家」「東京駅丸の内駅舎」にも天然スレートの屋根は使われるほど、「高級感」「環境に優しい」「メンテナンス性が高い」などのメリットがあります。

しかし、人工スレートに比べ、重量があるため耐震性に弱く、地震の際は、建物が大きく揺れてしまうなどの欠点もありますので、選ぶ際は家の設計を見て選ぶなどの必要があります。

化粧スレート

化粧スレートとは、セメントに繊維状の素材を混た物を薄い板状に加工した建築材です。天然スレートに比べ軽いため「軽量スレート」とも呼ばれたりします。

セメントが混ざっているため、耐火性・耐熱性に優れており、工場など火を使用する屋根で多く選ばれています。また、軽量であるため地震に強く、比較的安価であるため、一般住宅の屋根としても多く普及しています。

しかし、デメリットとして再塗装をする必要があるためメンテナンスが欠かせない材質となります。

化粧スレートの種類

一概に化粧スレートと言っても、形状や名称により種類が異なります。
化粧スレートには、主に3つの種類があります。

平板スレート

コロニアル屋根

現在、戸建て住宅などで一番多く使用される、平たい薄い板状のスレートです。「薄型スレート」とも呼ばれたりします。また、商品名である「コロニアル」「カラーベスト」などとも呼ばれたりしているスレート材です。

厚型スレート

瓦の形状に厚みを持たせて加工した化粧スレートを「厚型スレート」と呼びます。また「セメント瓦」と呼ばれる場合もあります。

厚型スレートは、陶器の瓦よりも安いため昔は人気でよく使用されていましたが、陶器の瓦よりも耐久性がなく、平板スレートよりも高価なため、現在では製造されることはなくなりました。

波型スレート

波型の形状に加工した化粧スレートを「波型スレート」と呼びます。主に、工場の屋根などで使用される場合が多いです。

石綿スレート・無石綿スレート

アスベストが含まれている化粧スレートのことを「石綿スレート」と呼びます。また、アスベストが入っていない物を「無石綿スレート」と呼びます。

現在の化粧スレートには、アスベストは使用されていません。
以前の化粧スレートには、アスベストが含まれている商品が使用されていました。現在では、健康被害や環境への配慮からアスベストが含まれている化粧スレートの使用・製造は禁止になっていますので使われることはありません。

石綿スレートは、表面がコーティングされているため、すぐにアスベストが飛散することは起こりにくですが、経年劣化とともに飛散する可能性が高くなるため使用している方や周辺の住民は注意は必要です。また、屋根を葺き替える場合などの施工には、処理費用などが一般の施工に比べ高くなります。

スレート屋根のメリット・デメリット

普及が拡大しているスレート屋根にも、もちろんメリット・デメリットは存在します。

今回は一般住宅で多く使用されている、化粧スレートについてのメリット・デメリットを解説しますので、それぞれの特徴を知り、屋根材選びの参考にしてください。

スレート屋根のメリット

近年、スレート屋根の普及は多くなっています。
なぜスレート屋根が選ばれるのか、理由は主に3つあります。それぞれぞれのメリットを詳しく解説いたします。

他の屋根材よりも低価格

スレート屋根は、葺き替え工事や、新築工事の際、他の屋根材に比べ安い価格で施工できるのも人気の理由の1つです。なぜ低価格でできるのか?それは使用する部材がスレート材以外にあまりないため比較的安い価格で施工できるのです。コストを抑えたい方にオススメの屋根材です。

軽量で耐震性が高い

スレート屋根の重さは、1平方メートルあたり、約20kgと非常に軽く、粘土瓦の重さと比べると半分ほどの重さしかありません。その軽さから建物にかかる負担も少なく、地震の揺れに強いというのも選ばれる理由の1つです。

施工できる業者が多い

スレート屋根は、普及率は非常に多く、リフォームや修理、メンテナンスをする際に、対応できる業者が多いのです。施工できる業者が多いと、何か問題が発生した際でも、安心ですよね!そういった理由も選ばれる要因なのです。

スレート屋根のデメリット

スレート屋根は、メリットだけ見ると低価格で耐震性もあっていいと思うかもしれませんが、もちろんデメリットも存在します。しっかりとスレート屋根のデメリットも知った上で、適正な屋根材を選びましょう。
スレート屋根の主なデメリット3つです。

再塗装するメンテナンスが必要

スレート材自体には、雨水を防ぐ「防水性」がないため、あらかじめ生産時に塗装をすることで防水性をカバーしています。その塗料も、日々の紫外線や、雨風によって劣化し、約5~10年で剥がれてしまいますので、再度、塗装の塗り直しが必要になってきます。メンテナンスを怠ってしまうと雨漏りの原因となってしまいますので注意が必要です。

ひび割れが起こりやすい

スレート材は、他の屋根材よりも、ひび割れが起こりやすい屋根材です。スレート屋根は、塗料が剥げることによって、雨水を吸収し、急激な乾燥と雨水の吸収を繰り返すことで、「ひび割れ」や、「反り」といった現象がスレート材に起こり、雨漏りしやすくなってしまいます。

雨漏りしやすい

再塗装をする際に、縁切りという工程をしないと雨水の逃げ場がなくなり、せっかく再塗装しても雨漏りの原因になってしまいます。縁切りとは、スレート材を再塗装した際に、上下で重なった部分の塗料をカットする工程のことで、普段雨漏り修理を行わない業者さんは、この工程を知らない場合も多く、そのまま再塗装してしまうことも少なくありません。

スレート屋根の寿命

スレート屋根の耐用年数は、だいたい10年~30年と言われています。再塗装等のメンテナンスを行った場合は、だいたい30~50年保つと言われています。日々、紫外線や雨風の影響で、5~7年程度に一回、再塗装のメンテナンスをする必要があります。そのメンテナンスを10数年怠ると、いざ塗装しても防水の意味がなくなってしまい、新たに屋根を取り換えるしかなくなってしまいます。なので、スレート屋根のメンテナンスはしっかりと行いましょう。

スレート屋根のメンテナンス時期

スレート屋根のメンテナンス時期は、その地域の環境によって変わってきますが、だいたい5~7年が一般的です。スレート屋根の劣化は主に以下のような症状が現れます。

スレート材の色あせ・変色

塗膜の劣化により、防水性が失われ、水分を吸収しやすくなっている状態です。この状態が続くと、スレートにひびが入ったり苔が発生したりします。

スレート材に苔の発生

スレートの経年劣化により、防水性が失われ、スレート内に水分が留まり、湿気により苔や藻が発生します。

スレート材の反り

雨水の吸収と乾燥を急激に繰り返すことで、スレートが反っていきます。反ることで隙間ができ、雨漏りにつながります。この状態まで劣化してしまうと塗装だけでは直せなくなってしまいます。

スレート材のひび割れ・欠け

スレートのひび割れも、反り同様に、雨が降った際に雨水を吸収して、晴れた日にそれが乾いて、膨張と伸縮を繰り替えし、スレートにひび割れや欠けが発生します。すぐには雨漏りしませんが、この状態が続くと雨漏りの原因につながりますので、早めに塗装をしメンテナンスを行いましょう

スレート屋根の修理方法

スレート屋根の修理方法は、大きく分けて2つ!
「部分的な修理」と「全体的な修理」で分かれています。

まず、分的な修理の説明をします。

部分的な修理は、基本的に破損した箇所を補修すれば大丈夫です。スレートに、ひび割れが起こっている場合は、コーキング材などを充填します。

大きく欠けてしまっている場合は、欠けた部分のスレート材を交換します。また、少しのひび割れの場合は、接着剤を塗るだけでも補修はできます。

スレート屋根は下から順に張っているため、一部分のみを取り外すことができません。なので、破損
部分を切り取り新しいものを上から張ることで補修します。

屋根全体の修理・メンテナンス方法

屋根全体での修理メンテナンス方法は大きく分けて3つです。

まず最初に塗装を行えるかの判断をします。あまりにも欠損が激しく塗装で補えないような屋根の場合は、カバー工法を提案します。
それも行えないような状態でしたら、最終手段として葺き替えの方法となります。

スレート材の再塗装

スレート屋根は、防水機能のある塗料を塗って耐水性を持たせています。それが、だいたい5~7年ほどで落ちてしまうため、再塗装を行いスレート屋根の耐水性を保ちます。再塗装をする際は、まず、以前の塗料を高圧洗浄などで落とすところから始めます。その際に、ひびが入っているなど、破損している箇所を個別に補修してから塗装を行います。

屋根の葺き替え

スレート屋根の劣化が激しいと屋根の再塗装は行えません。そうなってくると、修理方法は、屋根を葺き替えるか、カバー工法を行うかになってしまいます。屋根を葺き替える場合は、基本的に、屋根材と防水シートの交換になります。さらに破損が激しいと、その下の野地板も交換が必要な場合があります。

カバー工法

修理をする際、屋根を葺き替える以外に、カバー工法というものがあります。既存の屋根の上に、新しい屋根を重ねる工法で、一般的にはスレート屋根の上にガルバリウム銅板などの軽い金属屋根を被せることが多いです。既存の上に新しい屋根材を貼るため、古い屋根材の撤去が要らず、また工期も短くなるため、費用が抑えられるといったメリットがあります。

ですが、カバー工法を行う場合は、軽い屋根材しか使用できず、また、瓦屋根・古いトタン屋根・劣化が激しいなどの場合には使用することができない工法となっています。

カバー工法での施工事例

築20年の群馬県 高崎市の一般住宅での施工時の様子です。
ネットでは20~30年持つと言われているスレート屋根も、実際には施工してから約10年ほど過ぎると、塗装でのメンテナンスができなくなってしまいます。

今回は、塗装をお断りし、カバー工法で補修していきます。中には、この状態で塗装の依頼を受けて、塗装を行う業者もいますが、せっかく塗装をしても効果がなく、むしろ悪影響を及ぼしてしまう可能性もあります。塗装業界NO.1の塗料メーカーでも、この状態での塗装依頼はお断りしているほどです。

せっかく、高いお金を支払って施工するのであれば、きちんと知識のある業者に依頼することをオススメいたします→屋根雨漏りのお医者さんはこちらから

カバー工法では、まず既存の屋根に防水シートを敷いていきます。

防水シートを下から上へと屋根全体に敷きながら、釘を使用し固定していきます。

新しい屋根材の本体を貼っていき、棟板金を取り付ける前に、腐ることのない樹脂製の貫板を取り付けていきます。

貫板を取り付けたら、防水シートを被せ、その上から棟板金をしっかりと取り付けていきます。

棟板金を取り付けたら完成です。

スレート屋根の費用

次はそれぞれの修理費用について解説していきます。そもそもスレート屋根などの修理費用は、使う材料や、屋根の面積などによって変わるため、一概にいくらですとは言えないのが建築業界での現状です。

今回は、スレート屋根を修理した際の大まかな目安の価格を解説していきますので、参考程度にご覧ください。

[30坪の家の場合]
・屋根の塗装       約30~80万
・部分修理の場合     約10万以内
・屋根を葺き替える場合  約80~200万
・カバー工法の場合    約80~140万

スレート屋根での雨漏りの原因

スレート屋根から雨漏りする原因は主に、経年劣化施工不良自然災害の3つが主な原因です。主に以下の7つの症状があります。

1.棟板金の破損
2.スレートのひび・割れ
3.釘の錆び・ズレ
4.スレートの隙間が塞がっている
5.コーキングの劣化
6.施工不良
7.谷部の破損

棟板金の破損

スレート屋根の頂上にある金属部分を「棟板金」と呼びます。台風の際などは、棟板金がかなり影響を受けやすく破損する可能性がとても高いです。

棟板金は経年劣化とともに固定してある釘が抜けたり、緩んだりしていき隙間から雨水が入り込むことで雨漏りを誘発します。

スレートのひび・割れ

スレート屋根は、日々の雨風・紫外線による経年劣化でのひび割れはもちろん、屋根に登り踏むことでも割れてしまいます。

屋根を踏んだ際に、割れたスレートと一緒に滑り落ちる可能性がありますので、雨漏りしたからといって自分で屋根に登り直そうとするのは危険ですのでやめましょう。

釘の錆び・ズレ

通常、固定してある釘に、直接雨水が当たることはありません。
しかし、何らかの不具合で釘が浮き出ると、その部分が錆びていき、周囲から雨水が入り込んで雨漏りを誘発します。

スレートの隙間が塞がっている

本来スレート屋根には、入り込んだ雨水が排出できるように、屋根材の間には隙間が作られています。
しかしその隙間が、再塗装を行った際に、塗料で塞がれてしまうことによって、雨水の行き場がなくなり雨漏りを誘発してしまいます。

コーキングの劣化

コーキングとは、隙間を埋めるための、ゴム状の建築材です。
コーキングは経年劣化により、ひび割れや、剥がれ落ちるといった症状が現れます。そうなると、その隙間から雨水が入り込み、雨漏りを誘発してしまいます。コーキングの寿命は、一般的に5~10年程度と言われています。

施工不良

一度屋根を修理した際や、新築で屋根の勾配を配慮しないで建てたりと、しっかりとした知識を持たないで施工する業者もいるため、施工不良による雨漏りは多いです。特に屋根と外壁の取り合い部からの雨漏りは非常に多いです。しっかりとした技術と知識を持った業者に依頼しましょう。

谷部の破損

屋根の面と面が接する、谷間になっている部分を谷部と言います。谷部は、雨が降った際、雨水が集中して流れるため劣化しやすい箇所です。谷部に、落ち葉などのゴミが溜まり、雨水が溢れることで、雨漏りを引き起こすこともあります。

まとめ

スレートとは、粘土板岩を薄い板状に加工した建築材で、一般的にカラーベスト、コロニアルなどと呼ばれる屋根材です。

スレート屋根の種類は、主に2種類に分けられ、天然スレートか人工の化粧スレートがあります。

それぞれメリット・デメリットは多少異なりますが、一般的に多く使われる化粧スレートでは、他の屋根材よりも低価格で、重さも瓦の約半分の重量と軽いため耐震性に優れており、スレートのカラーも豊富でデザイン性にも優れているので、選ばれることが多く、人気の屋根材となっています。

デメリットとして、メンテナンスが不可欠なため7~10年ほどで再塗装を行う必要があります。寿命自体は、20~30年ほどの屋根となっています。

修理を行う際は、部分修理か全体修理かで値段もかなり変わり、全体修理の場合は、屋根の葺き替えか、カバー工法が一般的です。

スレート屋根を長持ちさせるためにもメンテナンスは行うようにしましょう。また、スレート屋根の雨漏りの原因は主に、経年劣化・自然災害・施工不良の3つが多いです。スレート屋根からの雨漏りや、スレート屋根が破損した際は、しっかりとした業者に頼むことがとても大事です。

※日本全国対応・お見積もりOK

雨漏り修理専門家

大塚万聡(おおつか)

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