コーティング剤で雨漏りは直せるのか?シーリング材を使用した補修・防水対策について

雨漏り一時しのぎ

雨漏りが発生した際、簡単な補修方法の一つに「雨漏りコーティング剤」を使用した方法があります。
本記事では、雨漏りコーティング剤の効果や選び方について詳しく解説します。

雨漏り修理の専門家
雨漏り修理
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目次

雨漏りコーティング剤とは

雨漏りコーティング剤は、建物の保護や防水を目的として開発された特殊な塗料です。一般的には、建物の屋根や壁などに塗布され、雨水や湿気の浸透を防ぎます。このコーティング剤は、耐候性や耐水性に優れた合成樹脂を主成分としており、その特性によって建物を効果的に雨漏りから守ります。

雨漏りコーティング剤が建物を保護するメカニズムは、複数の要素によって構成されています。まず、コーティング剤が塗布された表面は、水や湿気の浸透を防ぐ防水層を形成します。この防水層によって、建物の内部への雨水の侵入が阻止され、雨漏りが発生するリスクが軽減されます。さらに、耐候性や耐久性に優れた合成樹脂は、外部からの悪天候や紫外線などの影響を受けにくく、建物を劣化から保護します。

雨漏りコーティング剤の主な成分には、シリコンやアクリルなどの合成樹脂が含まれています。これらの合成樹脂は、液状の状態で施工され、表面に均一な膜を形成します。この膜が建物の表面を覆い、防水性や耐候性を提供します。さらに、一部の雨漏りコーティング剤には、特殊な添加剤が含まれており、防カビ効果やUVカット効果など、さまざまな付加価値を提供します。

雨漏りコーティング剤の効果

雨漏りコーティング剤の効果は、建物の保護や耐久性向上に大きな影響を与えます。以下では、それぞれの効果について詳しく説明します。

1. 防水効果

雨漏りコーティング剤の主要な効果の1つは、防水性の向上です。コーティング剤が建物の表面に均一な膜を形成することで、雨水の浸透を防ぎます。この防水膜は、雨や水が建物の内部に侵入するのを防止し、屋内への雨漏りを防ぎます。特に、屋根や外壁などの水密性が重要な部位に対して施工することで、建物全体の防水性を向上させることができます。

2. 耐候性向上

雨漏りコーティング剤は、建物の表面を外部からの悪天候や環境要因から保護します。特に紫外線や風雨などの外部要因によって建物の表面が劣化するのを防ぎます。コーティング剤が建物の表面を覆い、耐候性に優れたバリアを形成することで、建物の色あせや劣化を防ぎ、美観を保ちます。また、耐候性が向上することで、建物の寿命を延ばすことができます。

3. 耐久性向上

適切に施工された雨漏りコーティング剤は、長期間にわたって効果を維持し続けることができます。耐久性が高いコーティング剤は、数年間にわたって効果を発揮し、定期的なメンテナンスの頻度を低減します。これにより、建物の管理コストや手間を軽減するだけでなく、建物の価値を維持することにも貢献します。劣化したり剥がれたりすることなく、安定した防水性と耐候性を提供することで、建物の安全性と耐久性を向上させます。

これらの効果によって、雨漏りコーティング剤は建物の保護に不可欠な役割を果たします。適切に選択され、正しく施工されたコーティング剤は、建物を効果的に雨漏りから守り、耐久性や美観を維持することに貢献します。

雨漏りを引き起こす主な要因

雨漏りは住宅や建物にとって深刻な問題を引き起こす可能性があります。それは構造的な損傷から、黴や腐敗、さらには健康問題までを含む様々な形で現れます。雨漏りは多くの要因によって引き起こされますが、以下にいくつかの主な原因を列挙します。

1. 屋根材の老朽化

屋根は日々、風雨や太陽などの厳しい気候条件にさらされています。この結果、屋根材は時間と共に劣化し、その結果として雨漏りを引き起こす可能性があります。特に、瓦やシングルなどの屋根材は長期間使用されると亀裂が入ったり、剥がれ落ちたりすることがあります。

2. 不適切な施工

建物の屋根や外壁の施工が不適切である場合、雨水が建物内部に侵入する可能性があります。これには、屋根の傾斜が適切でない、シーリングやコーキングの施工が不適切である、防水層が欠けているなどの問題が含まれます。

3. 構造的な問題

屋根の形状や設計上の問題も雨漏りの原因になることがあります。たとえば、屋根の谷部分や複雑な形状の部分では雨水の排水が不十分になることがあります。

4. コーキングやシーリングの劣化

コーキングやシーリングは時間と共に劣化し、その結果、雨水が侵入する隙間が生じる可能性があります。これは特に、窓やドア、外壁の目地など、建物の各部分をつなぐ箇所で問題となります。

コーティング剤(シーリング材)で雨漏りは直せるのか?

シーリング 雨漏り 補修

まず、シーリング材とは、気密性や防水性を高めるために、建物の継ぎ目やひび割れなどの隙間を充填する材料のことです。
シーリングとコーキングの違いは、建築業界でも曖昧ですので同じ意味に捉えていただいて問題ありません。
雨漏りをシーリング材で止めるというのは、雨漏り修理ではなく一時的な応急処置になります。
1~2年は保つかもしれませんが、根本的な原因が直ったわけではないので、また雨漏りが再発することは確かです。
ですので、シーリング材を使用した雨漏り補修はあくまで応急処置と捉えて、再度しっかりと根本的な原因を修理しましょう。

コーティング剤(シーリング)だけで雨漏りが直らない理由

防湿シート

よくあるのが、窓(サッシ)周りに雨漏りするからといって対象の窓や出窓周りのシーリングを打ち替えるという補修です。

現在の80%の新築がサイディング張りの外壁と言われていますが、例えばサイディング(一次防水層)の裏側はこのように通気層(空間)が設けてあり、さらに胴縁の下に透湿・防水シートが張ってあるので、シーリングが切れて雨水が浸入したとしてもすぐさま漏水するものではありません。
ですので、雨漏りしているというのは、透湿・防水シート(二次防水層)に問題があるので二次防水層レベルでやり替えなければならないことになります。

雨漏り補修にコーティング剤(シーリング)を使用してはダメな場所

瓦屋根

瓦の重ね部にシーリングをする業者がいますが、これは絶対にダメです。
構造としては、瓦同士の重ね部分に微妙な空間があることで振動を受けた時に力を逃がし割れを防ぐ構造になっていると共に、瓦は万が一水が裏側に浸入してしまったときは、排出されるような構造になっています。
ですので、シーリングで塞いだり強制的に留めたりするのは間違いで、もしシーリングを充填してしまうと雨水を排出する出口がふさがれてしまうため、余計に雨漏りする確率が高くなります。

コーティング剤(シーリング)の寿命と耐用年数

シーリング 雨漏り 補修

コーティング剤(シーリング)は、一般的に3年から5年程度で機能が低下し始め、10年程度が耐用年数の限界とされています。環境の影響や使用される建材によって経年劣化の速度は異なりますが、いずれにせよ、定期的なメンテナンスが重要です。
コーティング剤(シーリング)の劣化は、漏水や建材の腐食などの問題を引き起こし、建物の損傷や劣化の原因となります。そのため、定期的なコーティング剤(シーリング)の補修工事が必要です。

コーティング剤(シーリング)の補修工事

シーリング材の補修工事には、主に以下の2つの方法があります。

1. 打ち替え工事

打ち替え工事では、劣化したシーリング材を完全に取り除き、新しいシーリング材を設置します。この方法は、建物の状態を良好に保つために最も確実な方法です。古いシーリング材が完全に撤去されるため、新しいシーリング材がしっかりと密着し、効果的に水や湿気の浸入を防ぎます。

2. 打ち増し工事

打ち増し工事では、既存のシーリング材の上から新しいシーリング材を充填します。この方法は、劣化が軽度である場合や予算が限られている場合に選択されることがあります。ただし、古いシーリング材の下には劣化が進行している可能性がありますので、効果が限定されることがあります。

建物の状態を良好に保つことを主眼に置くなら、劣化したシーリング材を全て取り除き、新しいシーリング材を設置する打ち替え工事が安心です。しかし、打ち替え工事はより手間とコストがかかりますので、建物の状態や予算に合わせて適切な方法を選択することが重要です。

コーティング剤(シーリング)補修によって止まる雨漏り

サイディング外壁やALC外壁の目地の補修に関してはシーリング材が有効です。

サイディング外壁やALC外壁は、工場でボード状に加工し現場で張り付けているためボード同士に隙間が生じます。その隙間(目地)にシーリング材を打設し雨水の浸入を防いでいるのです。
このシーリング材の耐用年数は約5年程度で硬くなり、ひび割れ・亀裂・肉痩せによって雨水が入り込んでしまうため、サイディングの隙間から雨漏りを起こしている場合にはコーキング補修で改善されることもあります。

雨漏りコーティング剤の施工方法

雨漏りコーティング剤の施工方法は、建物の耐久性や防水性を確保する上で非常に重要です。以下では、各工程をより詳細に解説します。

1. 表面の清掃

建物の表面を清掃することは、施工の成功に欠かせません。表面に付着した汚れや古いコーティングを完全に取り除くことで、新しいコーティング剤がしっかりと密着し、効果的な防水性を発揮します。一般的には、高圧洗浄機や専用の洗浄剤を用いて、表面を十分に洗浄します。特に、表面の汚れやカビ、苔などを徹底的に除去することが重要です。

2. 下地処理

下地処理は、コーティング剤が建物の表面にしっかりと密着するための準備工程です。建物の表面が不均一であったり、古いコーティングが剥がれている場合には、下地処理が必要となります。下地処理には、表面を均一にするための研磨や平滑化、不要な隙間や亀裂の補修などが含まれます。また、必要に応じてプライマーを用いることで、コーティング剤の密着性を向上させることもあります。

3. コーティング剤の塗布

コーティング剤の塗布は、施工の中心となる工程です。適切な塗布方法と均一な膜の形成が重要です。一般的には、ローラーやスプレーなどの適切な塗布器具を用いて、均一な厚さでコーティング剤を建物の表面に塗布します。均一な塗布が行われないと、防水性や耐候性が不十分になる恐れがありますので、丁寧な作業が求められます。

4. 乾燥・硬化

コーティング剤を塗布した後は、十分な乾燥と硬化を待つ必要があります。コーティング剤が完全に乾燥・硬化するまでの時間は、製品や気象条件によって異なりますが、通常は数時間から数日程度かかります。この間は雨や水の侵入を避けるよう十分な注意が必要です。また、温度や湿度などの気象条件も乾燥・硬化に影響を与えるため、適切な環境下で待つことが重要です。

5. 必要に応じて重ね塗り

施工後、建物の状況やコーティング剤の性能によっては、必要に応じて追加のコーティングを行うことがあります。特に、コーティングの厚さや均一性を確保するために、複数回の塗布が必要な場合があります。重ね塗りを行う際には、前回の施工が完全に乾燥してから行うことが重要です。

雨漏りコーティング剤の選び方

雨漏りコーティング剤を選ぶ際には、以下のポイントに留意することが重要です。
これらのポイントによって、建物を効果的に保護し、長期間にわたって雨漏りから守ることができます。

1. 材料の品質

雨漏りコーティング剤の品質は、耐候性や耐水性に大きく影響します。耐久性のある合成樹脂をベースにした製品を選ぶことが重要です。一般的に、シリコンやアクリルなどの合成樹脂が使用されますが、その品質や配合によって性能が異なります。品質の高いコーティング剤は、外部からの悪天候や紫外線から建物を守り、効果的な防水性を提供します。

2. 施工の容易性

コーティング剤の施工が簡単であることも重要なポイントです。施工が容易であれば、専門知識や高度な技術がなくても施工することができます。これにより、施工コストや手間を節約することができます。また、施工の際に失敗や不良な施工を防ぐことができるため、建物の保護効果を最大限に引き出すことができます。

3. 長期的な効果

雨漏りコーティング剤は、効果が長期間持続することが重要です。効果が長続きする製品を選ぶことで、定期的なメンテナンスの負担を軽減することができます。耐久性の高いコーティング剤は、数年間にわたって効果を維持し続けることができます。定期的なメンテナンスが少なくて済むため、建物の管理コストを低減することができます。また、長期的な効果がある製品は、施工後の手間や費用を節約するだけでなく、建物の価値を維持する役割も果たします。

以上のポイントを考慮しながら、適切な雨漏りコーティング剤を選択することが重要です。品質の高い材料を使用し、施工が容易であり、長期的な効果が期待できる製品を選ぶことで、建物を効果的に雨漏りから守ることができます。

雨漏り修理はプロに任せましょう

自分で雨漏りを修理する

雨漏りの原因箇所については、素人目では難しい為、プロに診断してもらう事が推奨されています。
また、シーリング材等を使用した「雨漏り対策」は、あくまで応急処置としてお考えし、多少金額はかかりますが根本から直しましょう。

シーリングでの雨漏り修理 まとめ

雨漏りのまとめ

外壁や窓など、ちょっとしたひび割れによる雨漏りならコーキングを試してみるのもよいでしょう。
ですが、瓦など間違った方法でやるのではなくしっかりと正しいやり方で補修しましょう。
また、シーリングだけでは根本的な解決にはならないので最後にはしっかりとプロに見てもらいましょう。

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「雨漏り修理に関する相談をしたい」という方も大歓迎です。お気軽にお問い合わせください

栃木県の雨漏り修理の臼井進

こんにちは
屋根雨漏りのお医者さん栃木県担当の臼井です。
弊社は、雨漏り修理専門のプロ集団で構成された会社です。
私自身は、一級建築士・基幹技能士・一級建築板金技能士など数多くの資格を保有して活動しております。
総合実績11万件以上で皆様の知る建物を数多く修繕してきました。


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