外壁凍害のDIY補修:自分でできる?プロに頼む?徹底解説!

冬の寒さが厳しい地域にお住まいの方なら、「外壁凍害」という言葉を一度は耳にしたことがあるかもしれません。外壁凍害とは、外壁材の内部に水が浸透し、凍結と融解を繰り返すことで外壁が劣化してしまう現象です。

凍害が進行すると、外壁のひび割れ、剥がれ、浮きといった症状が現れ、建物の美観を損なうだけでなく、雨漏りや構造的な問題を引き起こす可能性もあります。

この記事では、外壁凍害のメカニズム、DIY補修の可能性、注意点、プロに依頼するメリットなどを詳しく解説します。

目次

外壁凍害のメカニズム:なぜ起こる?

外壁凍害は、主に以下の3つの要因が重なることで発生します。

  1. 吸水性のある外壁材:窯業系サイディングやモルタルなど、水分を吸収しやすい外壁材は凍害のリスクが高いです。窯業系サイディングは、セメントと木質繊維を混ぜて作られた外壁材で、デザイン性やコストパフォーマンスに優れていますが、吸水性が高いというデメリットがあります。モルタルは、セメント、砂、水を混ぜて作られた外壁材で、耐久性や耐火性に優れていますが、こちらも吸水性が高いという特徴があります。これらの外壁材は、水分を吸収しやすい性質を持っているため、凍害のリスクが高まります。
  2. 水が浸入する経路:外壁のひび割れ、シーリングの劣化、塗装の剥がれなどは、水が内部に浸入する経路となります。外壁のひび割れは、地震や経年劣化によって発生することがあります。シーリングは、外壁材同士の隙間を埋めるためのゴム状の材料ですが、紫外線や雨風によって劣化し、ひび割れや剥がれが生じることがあります。塗装は、外壁材を保護するための塗料ですが、紫外線や雨風によって劣化し、剥がれが生じることがあります。これらの経路から水が浸入すると、外壁内部に水分が溜まり、凍害を引き起こす可能性が高まります。
  3. 気温の変動:寒冷地など、気温が氷点下を下回る地域では、外壁内部に浸透した水分が凍結と融解を繰り返すことで凍害が発生しやすくなります。水が凍ると体積が増えるため、外壁材に圧力がかかり、ひび割れや剥がれが生じます。さらに、凍結と融解が繰り返されることで、外壁材の劣化が加速し、凍害が進行します。

外壁凍害の症状:どんなサインを見逃さない?

外壁凍害の初期症状は、以下のようなものです。

  • チョーキング:外壁を触ると白い粉が付着する現象です。これは、塗膜が劣化しているサインであり、紫外線や雨風による影響で塗膜が分解され、顔料が粉状になって表面に現れます。チョーキングは、塗膜の防水性が低下していることを示しており、放置すると水が浸入しやすくなり、凍害のリスクが高まります。
  • 塗膜の剥がれ:塗膜が剥がれ、下地が見えている状態です。塗膜の剥がれは、経年劣化や施工不良、下地の劣化などが原因で発生します。塗膜が剥がれると、外壁材が直接雨風や紫外線にさらされるため、劣化が加速し、凍害のリスクが高まります。
  • ひび割れ:外壁に細いひび割れが生じている状態です。ひび割れは、地震や建物の揺れ、温度変化、乾燥収縮などによって発生します。ひび割れから水が浸入すると、外壁内部に水分が溜まり、凍害を引き起こす可能性が高まります。
  • 浮き:外壁の一部が膨らんでいる状態です。浮きは、外壁材と下地の間に水分が浸入し、凍結と融解を繰り返すことで発生します。浮きが発生すると、外壁材が下地から剥がれやすくなり、落下する危険性もあります。

これらの症状が進行すると、以下のような深刻な状態に発展します。

剥がれ:

  • 外壁材の落下: 大きく剥がれた外壁材が落下し、通行人に怪我を負わせる、または、車両や近隣の建物に損害を与える可能性があります。
  • 雨漏り: 剥がれた部分から雨水が浸入し、建物の内部に深刻なダメージを与えます。雨漏りは、木材の腐朽、カビの発生、断熱材の劣化などを引き起こし、建物の耐久性を著しく低下させます。
  • 構造的な問題: 外壁は建物の構造を支える役割も担っています。剥がれが進行すると、建物の構造的なバランスが崩れ、地震や強風に対する耐性が低下する可能性があります。最悪の場合、建物の倒壊につながることもあります。

欠損:

  • 雨水の浸入: 欠損部分から雨水が浸入し、建物の内部にダメージを与えます。
  • 害虫の侵入: 欠損部分は、ゴキブリ、ハチ、ネズミなどの害虫の侵入経路となり、衛生面での問題を引き起こす可能性があります。
  • 断熱性能の低下: 欠損部分から熱が逃げやすくなり、冷暖房効率が悪化します。
  • 建物の美観の損失: 欠損は建物の外観を損ない、資産価値を低下させる可能性があります。

これらの深刻な状態を防ぐためには、早期の診断と適切な補修が不可欠です。外壁に気になる症状が見られる場合は、専門業者に相談し、適切な対策を検討することをお勧めします。

放置した場合

深刻な状態に陥った外壁は、建物の安全性や資産価値に深刻な影響を及ぼします。

放置した場合のリスク:

  • 建物の倒壊: 剥がれや欠損が進行すると、建物の構造的な強度が低下し、地震や強風などの災害時に倒壊する危険性が高まります。
  • 近隣への被害: 剥がれた外壁材が落下し、通行人に怪我を負わせたり、近隣の建物や車両に損害を与える可能性があります。
  • 資産価値の低下: 外壁の劣化は建物の外観を損ない、資産価値を著しく低下させます。売却や賃貸の際に不利な条件となるだけでなく、修繕費用も高額になるため、経済的な負担も大きくなります。
  • 健康被害: 雨漏りや害虫の侵入は、カビの発生やアレルギーの原因となり、居住者の健康に悪影響を及ぼす可能性があります。

早急な対策の重要性:

外壁の劣化は、放置すればするほど被害が拡大し、修繕費用も高額になります。早期に専門業者に相談し、適切な補修を行うことで、建物の寿命を延ばし、安全で快適な住環境を維持することができます。

専門業者による診断と補修:

外壁の補修は、専門的な知識と技術が必要です。自己判断で補修を行うと、かえって状況を悪化させる可能性もあるため、必ず専門業者に依頼しましょう。専門業者は、建物の状況を詳しく診断し、最適な補修方法を提案してくれます。

まとめ:

外壁の劣化は、建物の安全性や資産価値に深刻な影響を及ぼす問題です。放置せず、早急に専門業者に相談し、適切な対策を講じることが重要です。定期的な点検とメンテナンスを行うことで、建物の寿命を延ばし、安全で快適な住環境を維持しましょう。

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