外壁と雪の関係|雪国での注意点と対策

雪国にお住まいの方にとって、冬の積雪は悩みの種。特に、住宅の外壁は雪の影響を受けやすく、適切な対策を怠ると、建物の寿命を縮める原因にもなりかねません。

この記事では、雪が外壁に与える影響や、雪国での外壁選びのポイント、そして、雪による被害を防ぐための対策について詳しく解説します。雪国の過酷な環境から大切な我が家を守るために、ぜひ参考にしてください。

目次

雪が外壁に与える影響とは?

雪は、一見ただの白い塊に見えますが、実は外壁にとって様々な悪影響を及ぼす可能性を秘めています。その影響を理解し、適切な対策を講じることが、住宅の長寿命化に繋がります。

雪の重みによる負荷

まず、雪の重みは想像以上に大きく、積雪量によっては外壁に大きな負荷がかかります。特に、湿った雪の場合、その重みはさらに増し、1平方メートルあたり数百キログラムにも達することも。これは、外壁材の種類によっては、変形や破損を引き起こす可能性があることを意味します。

また、雪の重みは、外壁だけでなく、住宅全体の構造にも影響を及ぼします。長期間にわたる積雪は、基礎部分にまで負担をかけ、地盤沈下や建物の傾きを引き起こす原因となることも。

融雪による水分浸透

次に、気温の上昇や日差しによって雪が溶けると、その水分が外壁の小さな隙間やひび割れから内部に浸透します。そして、この水分が再び凍結すると、体積が膨張し、外壁を内側から破壊する恐れがあります。これを凍害と呼び、外壁材の剥がれやひび割れ、さらには構造材の腐食を引き起こす原因となります。

特に、モルタル外壁や窯業系サイディングなどは、水分を吸収しやすい性質があるため、凍害のリスクが高いと言えます。

落雪・雪庇による物理的ダメージ

屋根からの落雪や、雪庇(せっぴ:屋根の端にせり出した雪の塊)の落下は、外壁に直接的なダメージを与えます。雪庇は、その大きさと落下時の衝撃によって、外壁材を大きく破損させる可能性があります。

また、落雪は、外壁だけでなく、窓ガラスやカーポート、庭木など、住宅周辺の様々なものに被害を及ぼす可能性があります。雪庇の落下は、通行人に怪我をさせる危険性もあるため、十分な注意が必要です。

雪国での外壁選びのポイント

雪国で住宅を建てる、もしくは外壁のリフォームを検討している方は、雪の影響に強い外壁材を選ぶことが大切です。以下に、雪国での外壁選びのポイントをご紹介します。

耐久性・耐候性に優れた素材を選ぶ

雪の重みや融雪による水分、寒暖差など、雪国特有の過酷な環境に耐えられる、耐久性・耐候性に優れた素材を選びましょう。具体的には、窯業系サイディング、金属系サイディング、ALCパネルなどが挙げられます。

窯業系サイディングは、デザイン性が高く、価格も比較的リーズナブルですが、凍害のリスクには注意が必要です。金属系サイディングは、軽量で耐久性が高く、凍害にも強いですが、断熱性が低い点がデメリットとなります。ALCパネルは、断熱性・耐火性に優れていますが、他の素材と比べて価格が高い傾向があります。

撥水性・防水性の高い素材を選ぶ

雪や雨などの水分を弾き、外壁への浸透を防ぐ、撥水性・防水性の高い素材を選ぶことも重要です。撥水性・防水性の高い塗料で外壁をコーティングするのも効果的です。

フッ素樹脂塗料やシリコン樹脂塗料は、撥水性・防水性が高く、耐久性にも優れているため、雪国での外壁塗装におすすめです。

メンテナンスのしやすい素材を選ぶ

雪国では、定期的なメンテナンスが欠かせません。雪下ろしや除雪作業の際に、外壁に傷をつけにくい素材や、汚れにくい素材を選ぶと、メンテナンスの手間を軽減できます。

タイル調の外壁材は、デザイン性が高く、汚れにくいというメリットがありますが、目地の部分から水分が浸透する可能性があるため、定期的なメンテナンスが必要です。

雪による外壁被害を防ぐための対策

雪による外壁被害を防ぐためには、日頃からの対策が重要です。以下に、具体的な対策方法をご紹介します。

こまめな雪下ろし・除雪

屋根に積もった雪は、こまめに下ろすようにしましょう。雪下ろしは、屋根の形状や積雪量に合わせて、安全な方法で行うことが重要です。また、外壁周りの雪も放置せず、定期的に除雪することが大切です。特に、外壁と地面の接する部分は、水分が浸透しやすいため、注意が必要です。

雪止め金具の設置

屋根に雪止め金具を設置することで、落雪による外壁へのダメージを軽減できます。雪止め金具は、屋根の形状や積雪量に合わせて適切な種類を選びましょう。

雪止め金具には、様々な種類があり、それぞれの特徴や設置方法が異なります。新築時に設置するのが理想ですが、リフォームで後から設置することも可能です。

融雪ヒーター・融雪プロテクターの設置

屋根の軒先や外壁の下部に融雪ヒーターや融雪プロテクターを設置することで、雪の融解を促進し、外壁への水分浸透を防ぐことができます。

融雪ヒーターは、電気や灯油などを利用して雪を溶かす装置です。融雪プロテクターは、雪の落下を防ぐための金属性の板状のものです。これらの装置は、積雪量が多い地域や、日当たりの悪い場所などに設置すると効果的です。

防水塗料・撥水塗料の塗布

外壁に防水塗料や撥水塗料を塗布することで、雪や雨などの水分から外壁を守ることができます。定期的な塗り替えも忘れずに行いましょう。

防水塗料は、外壁の表面に防水層を形成し、水分を浸透させない効果があります。撥水塗料は、外壁の表面に水を弾く性質を持たせ、汚れの付着を防ぐ効果があります。これらの塗料は、5年~10年程度で塗り替えが必要となります。

ひび割れ・破損箇所の早期補修

外壁にひび割れや破損箇所を見つけたら、放置せずに早めに補修しましょう。小さなひび割れでも、放置するとそこから水分が浸透し、被害が拡大する恐れがあります。

ひび割れの補修には、シーリング材やパテなどが使用されます。破損箇所の補修には、外壁材の交換が必要となる場合もあります。DIYでの補修も可能ですが、専門業者に依頼する方が確実です。

まとめ|雪国での住宅を守るために

雪国での住宅は、雪の影響を常に考慮する必要があります。外壁は、住宅を守る重要な役割を担っているため、雪に強い素材を選び、適切な対策を施すことが大切です。

この記事でご紹介した情報が、雪国での住宅選びや外壁メンテナンスの参考になれば幸いです。

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