雨漏りの原因はルーフィングにあった?屋根下の見えない重要部を知ろう

雨漏り 防水シート

「最近、天井にシミが…」「雨が降るとポタポタ音がする…」そんな雨漏りの兆候に気づいたとき、真っ先に疑われるのは屋根材や壁の劣化でしょう。しかし、実はその裏側にひっそりと存在し、重要な役割を果たしている「ルーフィング」が真の原因であることも少なくありません。ルーフィングは屋根の内部にある防水シートで、建物の寿命を左右するといっても過言ではない存在です。

しかし、ルーフィングは屋根材の下に隠れているため、一般の方が目にすることはほぼありません。そのため、劣化や不具合に気づかず、雨漏りが起きて初めてその存在を意識するというケースも多いのです。この記事では、「雨漏り ルーフィング」というテーマを通して、ルーフィングの役割、劣化がもたらすリスク、交換の目安や費用、そして後悔しないための選び方までを、わかりやすく丁寧に解説していきます。

目次

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ルーフィングとは?屋根材の下で建物を守る防水の番人

ルーフィングとは、屋根材と屋根の下地材の間に敷かれる「防水シート」のことです。一見、屋根材だけで雨を防げるように思われるかもしれませんが、実は屋根材には必ずと言っていいほど隙間があり、風雨や経年によって水が屋根内部に入り込む可能性があります。そんなときに、雨水の侵入を最後の砦として食い止めてくれるのがルーフィングなのです。

このルーフィングは、アスファルトを染み込ませた紙状の素材(アスファルトルーフィング)をはじめ、耐久性や防水性を高めた改質アスファルトルーフィング、そして近年注目されている高分子系ルーフィング(ゴムアスファルト系・ポリエステル系など)など、種類によって性能や耐久性に違いがあります。一般的なアスファルトルーフィングであれば耐用年数は10年〜20年程度、高性能な改質アスファルト製では30年を超えるものもあります。

屋根の表面だけを見ていても、ルーフィングの状態を確認することはできません。つまり、ルーフィングの劣化は知らぬ間に進行し、気づいたときには雨漏りという形で現れることが多いのです。屋根材は雨を弾くための“傘”、ルーフィングはそれでも濡れたときの“レインコート”のようなもの。両方が揃って初めて、建物を守る完全な防水が実現するのです。

雨漏りの原因としてのルーフィング劣化とは?

ルーフィングが雨漏りの原因になるという事実は、建築に詳しくない方には意外に思われるかもしれません。しかし実際には、ルーフィングの劣化は住宅トラブルの代表的な原因のひとつです。とくに築20年以上の戸建住宅では、表面の屋根材が健全でも、内部のルーフィングが破れていたり剥がれていたりすることが多く見受けられます。

ルーフィングが劣化する主な理由は、経年劣化、結露による湿気、施工時の不備、屋根材の破損による水の侵入です。夏の高温、冬の寒さ、梅雨や台風など、日本の過酷な気象条件はルーフィングにとって非常に厳しい環境といえます。特にアスファルトルーフィングは熱に弱く、炎天下での膨張と夜間の冷却による収縮を繰り返すことで、徐々に割れやひびが生じてしまうのです。

さらに、屋根の構造や形状によっても負担がかかる場所は異なります。谷部分(屋根の谷間)や軒先など、雨水が集中しやすい箇所では、ルーフィングの痛みも早く進みます。屋根材を外して内部を確認しない限り、こうした劣化に気づくのは困難であり、雨漏りとして初めて異常が表面化するのです。

ルーフィングの劣化が進んだときの見えない危険

ルーフィングが劣化して雨漏りが起こると、その被害は天井や壁のシミといった表面的なものだけにとどまりません。時間が経つにつれて水分は屋根の構造材へと浸透し、野地板や垂木、断熱材などにも影響を及ぼします。野地板が水を含んでしまうと腐朽菌が繁殖し、木材の強度が低下するだけでなく、シロアリの被害も誘発されかねません。

また、建物の内部に湿気がこもることでカビが発生しやすくなり、アレルギーやぜんそくなどの健康被害を招くリスクも高まります。特に小さなお子さんや高齢者、アレルギー体質の方が住んでいる家では、見えない水分による健康リスクは見逃せない問題です。実際に、雨漏りがきっかけで家族の体調が悪化したという例も報告されています。

こうした見えない危険は、ルーフィングの定期的な点検・メンテナンスを怠ることで徐々に広がり、最終的には建物全体の寿命を縮めてしまう原因になります。屋根からの雨漏りを軽く考えず、早期発見・早期対応を心がけることが、安心して暮らし続けるために非常に重要です。

ルーフィングの交換時期と見極め方

ルーフィングの交換タイミングを見極めるには、屋根材の寿命とルーフィングの耐用年数をセットで考える必要があります。例えば、スレート屋根の寿命は20〜30年ほどと言われていますが、その下にあるルーフィングは早ければ10年程度で劣化が始まるケースもあるため、屋根材より先に問題が発生することもあります。特に雨風が強い地域や直射日光を長時間受けやすい方角に屋根が向いている場合、劣化はより早く進行します。

ルーフィングの劣化を外から確認するのは難しいですが、屋根の表面に浮きやズレがあったり、天井や壁に水シミが出ていたりする場合は、内部にまで水が到達しているサインかもしれません。また、過去に屋根のメンテナンスを一度も行っていないという家であれば、築15〜20年の時点で一度専門業者による点検を受けることをおすすめします。

最近では、ドローンや赤外線カメラを使った非破壊の屋根診断も普及しており、手軽に安全に点検を行うことが可能になっています。こうした最新技術を活用することで、ルーフィングの傷みを早期に発見し、雨漏りを未然に防ぐことができるのです。

ルーフィング補修・交換の費用感と工期

ルーフィングの補修や交換にかかる費用は、屋根の構造、使用するルーフィング材の種類、そして工事方法によって大きく異なります。最も多いケースとしては、屋根全体の葺き替え工事と合わせてルーフィングを新しくする方法で、この場合、30坪程度の住宅であれば100万〜200万円前後が目安です。これには既存屋根材の撤去、下地の補修、新しいルーフィングの設置、新しい屋根材の施工、そして足場設置費用などが含まれます。

一方、ルーフィングの部分的な補修だけで済む場合は、10万円台から対応できることもありますが、あくまで雨漏りの箇所が明確で範囲が狭い場合に限られます。工期は、全体葺き替えであればおおよそ5〜7日、部分補修なら1〜2日ほど。気候条件や工事規模により前後します。

さらに、屋根の改修にあたっては火災保険が適用されるケースもあります。特に、台風や突風などの自然災害によって屋根に損傷が出た場合には保険金が下りる可能性があるため、工事の前には保険会社への相談も忘れずに行いましょう。

雨漏り防止にはルーフィングの品質と施工技術がカギ

ルーフィング材そのものの品質も重要ですが、実は「誰がどう施工するか」が最も雨漏り防止に影響します。せっかく高性能なルーフィングを選んでも、重ね代(シートを重ねる幅)が足りなかったり、釘の位置が悪かったり、気密処理が甘かったりすれば、本来の防水効果は発揮できません。

また、屋根の形状に応じた施工ができるかどうかも鍵になります。例えば、寄棟屋根や複雑な切妻屋根では、雨水の流れが一点に集中しやすい箇所があり、そこに的確な補強やルーフィングの重ね方をしなければ雨漏りの原因となってしまいます。ルーフィング施工には細やかな技術と豊富な経験が必要であることを知っておくべきです。

信頼できる業者を選ぶポイントとしては、施工実績が豊富であること、ルーフィングの種類に関して提案力があること、そしてアフターフォローがしっかりしていることが挙げられます。見積もり時にルーフィングの種類や施工方法まできちんと説明してくれる業者は、信頼度が高いといえるでしょう。

雨漏りが起きる前にできること

雨漏りは、発生してから対処するのでは手遅れになることが多い住まいのトラブルの一つです。ルーフィングの状態を把握することができれば、屋根の見た目がきれいなうちから手を打つことができ、大規模な改修や高額な修理を避けることもできます。築年数が15年を超える家であれば、屋根点検とセットでルーフィングの劣化具合を調べることは非常に有効です。

また、最近ではリフォームローンや補助金制度を活用することで、経済的な負担を軽減してルーフィングの改修を行うことも可能です。自治体によっては屋根リフォームに対する助成金制度を設けているところもあるため、活用できる制度を調べてみるのもよいでしょう。

雨漏りという大きな被害を未然に防ぐには、ルーフィングという“見えない防水”に対する理解と、適切なメンテナンスの意識が何よりも大切です。

まとめ:ルーフィングを知れば雨漏り対策が見えてくる

ルーフィングは、雨から家を守る最後の砦でありながら、その存在はほとんどの人に知られていない“縁の下の力持ち”です。「雨漏り ルーフィング」という視点を持つことで、単なる屋根材の修理だけでは済まない、もっと根本的な雨漏り対策を考えることができるようになります。見えない場所だからこそ、定期点検と信頼できる業者の存在が不可欠です。住宅の寿命と家族の安心を守るために、今こそルーフィングに目を向けてみましょう。

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