外壁のメンテナンスというと、つい目につきやすいヒビ割れや塗装の剥がれをイメージするかもしれません。しかし、意外と見落とされがちなのが「コーキング」の劣化です。外壁のコーキングとは、外壁材と外壁材の継ぎ目に充填されているゴムのような素材のこと。このコーキングが劣化すると、建物に水が浸入し、思わぬ雨漏りトラブルを引き起こす可能性があります。この記事では、外壁のコーキングがどのように雨漏りと関係しているのか、放置するとどんなリスクがあるのか、そして修理や補修の方法、費用の目安についても詳しくご紹介します。
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外壁に使われるコーキングとは?
外壁目地のすき間を埋める重要な役割
外壁のコーキングは、サイディングボードなどのつなぎ目(目地)に充填される防水材で、雨水や湿気の侵入を防ぐ役割を担っています。外壁材同士が動いても対応できるよう、柔軟性と密着性に優れた素材が使用されます。
劣化が進むと雨漏りの原因に
時間が経過するとコーキングは硬化し、ひび割れや剥離が起こります。そこから雨水が内部へ浸入すると、外壁の裏側にある防水シートや構造材が傷み、最悪の場合は雨漏りやカビの発生につながるおそれもあります。
コーキングの劣化を見つけるには
目で見てわかる劣化のサイン

コーキングの劣化は、視覚的な変化として確認できます。代表的なのは「ひび割れ」や「剥がれ」、「肉やせ(やせ細り)」といった現象です。目地部分が細くなっていたり、壁からコーキング材が浮いていたりする場合は、明らかな劣化サインといえます。雨が降った後にコーキング周辺が濡れていたり、黒ずみやカビが見えることも劣化の兆候です。
手で触れてわかる劣化の状態
見た目では異常がなくても、指で押してみると硬くなっていたり、逆にベタついていたりする場合は、すでに性能が低下している可能性があります。通常は適度な弾力がありますが、硬化して弾力がなくなっていると雨漏りリスクが高まります。こうした劣化は、放置すれば外壁材の内部までダメージが及ぶため、早めの点検・補修が必要です。
雨漏りがすでに発生している場合の対応
まずは応急処置で被害の拡大を防ぐ
雨漏りが発生してしまったら、まずは室内への浸水を最小限に抑えるための応急処置が重要です。水が垂れている箇所にバケツやタオルを置いたり、家具や家電を移動させたりして、濡れるリスクを避けましょう。また、雨漏りの発生場所がコーキングの劣化によるものであれば、一時的に防水テープなどでふさぐことで、被害の拡大を抑えられる場合もあります。

専門業者による原因特定と修理が必須
応急処置はあくまで一時的な対応にすぎません。雨漏りの根本的な解決には、外壁の目地やサッシ周りなど、コーキングの劣化箇所を専門業者に点検してもらい、正確な原因の特定と適切な補修が必要です。放置すると建物内部の腐食やカビ、断熱材の劣化といった二次被害を招く恐れがあるため、早期の対応が住まいを守るカギになります。
自分でできるコーキング補修の方法
コーキングの軽度な劣化であれば、DIYでの補修も可能です。以下のステップに沿って進めることで、仕上がりもきれいになります。

① 必要な道具をそろえる
・カッター(古いコーキングを剥がす)
・マスキングテープ(施工範囲を整える)
・コーキング材(変成シリコン系が外壁向け)
・コーキングガン(注入用)
・ヘラまたは濡らした指(ならし用)
・プライマー(接着性アップ)
② 古いコーキングを除去する
目地からカッターで古いコーキングを丁寧に取り除きます。ゴミやホコリも清掃して、密着しやすい状態に整えましょう。
③ マスキングとプライマー
施工箇所の周囲にマスキングテープを貼り、ラインを決めます。必要に応じてプライマーを塗って乾かします。
④ 新しいコーキングを注入
コーキングガンを使って、目地の奥までしっかりと材料を注入します。空気が入らないよう、ゆっくり均一に押し出すのがコツです。
⑤ 表面をならし、テープを剥がす
注入後すぐにヘラや濡らした指で表面をならします。その後、乾かないうちにマスキングテープを剥がすと、きれいな仕上がりになります。
⑥ 完全乾燥を待つ
24時間は水濡れを避けて乾燥させましょう。硬化後に触っても弾力があり、しっかり接着していれば成功です。
※大規模な劣化や雨漏りがある場合は、自己判断せず専門業者への相談をおすすめします。
コーキング材の種類と選び方

主なコーキング材の種類
コーキング材にはいくつか種類があり、外壁によく使われるのは「変成シリコン系」「ウレタン系」「シリコン系」の3つです。変成シリコン系は塗装ができて密着性が高く、外壁補修に最も多く使用されます。ウレタン系は伸縮性に優れており、モルタルやコンクリートに適しています。シリコン系は耐久性が高いものの、塗装ができないため使用箇所が限られます。
用途に応じた使い分けが重要
外壁に使用する際は、塗装の有無や材質との相性を考慮して、適切な種類を選ぶことが必要です。たとえばサイディング外壁には、耐候性と塗装適性を備えた変成シリコン系が最適とされています。コーキング材は見た目以上に建物の寿命に関わるため、専門業者の判断をもとに選定・施工することが大切です。
その他のコーキング材:ポリサルファイド系などの特徴
ポリサルファイド系:高い耐薬品性と耐久性
ポリサルファイド系のコーキング材は、耐薬品性・耐油性に優れており、航空機や化学プラントなど特殊な環境での使用に適しています。柔軟性もあり、長期間にわたってひび割れしにくいのが特長です。ただし紫外線には弱く、屋外の外壁用途にはあまり一般的ではありません。
アクリル系・ブチル系も限定的に使用
アクリル系は水性で施工が簡単なため、室内の目地などに使われますが、耐久性が劣るため外壁には不向きです。ブチル系は自己粘着性があり、防水テープや仮止めの用途に適しています。いずれも外壁にはあまり用いられませんが、場所に応じて補助的に活用されることもあります。適材適所で素材を選ぶことが、建物の耐久性を左右します。
コーキング補修の費用相場と工事の流れ
補修費用の相場はどれくらい?
コーキング補修の費用は、使用する材料の種類や施工範囲によって異なりますが、一般的には1メートルあたり500〜1,200円が相場です。たとえば戸建て住宅の外壁全体の打ち替えの場合、20〜40万円前後かかることが多いです。部分的な補修や、外壁塗装と同時に行う場合には費用を抑えられるケースもあります。
工事の流れと所要時間
補修工事は、まず既存の劣化したコーキング材を撤去する「撤去作業」から始まります。続いて、目地をきれいに清掃し、プライマーを塗布して新しいコーキング材を充填し、仕上げて完了です。通常は1日〜数日程度で完了しますが、建物の大きさや天候によって日数が前後することもあります。信頼できる業者に依頼し、施工内容や保証についても確認しておくと安心です。

まとめ コーキング補修は早めの対応が住まいを守るカギ
コーキングは外壁の防水や気密性を保つ重要な役割を担っており、ひび割れや剥がれといった劣化が進行すると雨漏りなど深刻な被害につながります。主な種類には変成シリコン系やウレタン系、ポリサルファイド系などがあり、それぞれ特徴と用途が異なります。劣化のサインを見逃さず、定期的な点検と必要に応じた補修を行うことが大切です。軽度であればDIYによる補修も可能ですが、広範囲な劣化や雨漏りがある場合は専門業者への依頼が安心です。費用は範囲により異なりますが、外壁全体の打ち替えでは20万円〜40万円ほどかかることもあります。適切な素材と方法で早めに対応することで、大切な住まいを長持ちさせることができます。