金属屋根の音の原因は何?金属屋根の騒音で悩んでいませんか?
雨による騒音や、寒暖差による「バキッバキッ」とうるさい音など、金属屋根で起きる騒音でのお悩みをお持ちの方からのご相談が、たまに来ることがあります。
この記事では、ガルバリウム鋼板をはじめとする、金属屋根での騒音について原因・対処法を解説いたします。
ガルバリウム鋼板のみではただの鉄板
ガルバリウム鋼板というものは、わずか「0.35mm の鉄板」でしかありません。ですので、遮音性も断熱性も基本的にないようなものです。
瓦屋根などは、屋根材自体に遮音性や蓄熱性などがありますが、ガルバリウム鋼板には全くありません。
ガルバリウム鋼板の下には板状の断熱材や、木材などがあり、さらにロックウール断熱材だったり、グラスウール断熱材だったりが組み合わさり、遮音性や断熱効果をもたらしているのです。
ガルバリウム鋼板が持っている強みは、直射日光の反射です。
ガルバリウムの屋根については下記の記事で詳しく解説しています↓
金属屋根の騒音の原因は何?
最近流行のガルバリウム鋼板の屋根材、金属屋根ということもあり雨音による騒音や、バキッバキッという金属の伸縮音が気になりますよね?
音が鳴るのは、建材が温度差によって軋むことで「パキッ、ピキッ」という音が鳴ります。
一般的には、しっかりとそれらの騒音を想定して対策を施して設置するのですが、その対策が甘いと騒音が発生してしまいます。
また、屋根材以外でも温度や湿度が上昇すると、水分を含んだ木材は膨張して、下降すると水分を放出することで収縮し、木造建築や、鉄筋コンクリート住宅でも「パキッ」という家鳴りがすることもあります。
次の章では、金属屋根の騒音の原因について解説していきます。
金属屋根の騒音の原因①雨水の振動による騒音
ガルバリウム鋼板屋根など金属屋根は音が反響しやすいため大きく聞こえます。
屋根にあたった雨水の振動が金属を通して増幅され大きな音となって騒音に変わるのです。
また、金属屋根というのは厚さも薄いため音の影響を大きく受けます。
そのため、他の屋根材よりも大きく音が聞こえてしまいます。
金属屋根の騒音の原因②熱伸縮による音鳴り
雨が降っていないにも関わらず、きしむような音が聞こえる場合は、熱伸縮によるものです。
太陽の熱によって、ギシッギシッというような音が聞こえます。
金属屋根の騒音対策!
基本的には、屋根材を設置する際に対策を行うのが一般ですが、設置してから音に気付いたという場合もありますのでその対策について解説します。
金属屋根の騒音対策①遮音テープを貼る
屋根材の振動によってうるさい箇所には、遮音テープを貼ることで低い音にすることができますので、振動を抑えることで反射音も抑えられるため騒音を低減できます。
金属屋根の騒音対策②防振材を貼る
防振材は衝撃を吸収するため振動の伝達を抑止する効果によって騒音を低減することができます。
遮熱効果などがあるものもあるため、他の面でも効果があります。
金属屋根の騒音対策③屋根を葺き替える
①〜③までの対策は、あくまで凌ぐものであるため、騒音が大きい場合にはどこまで効果が出るか分かりません。
あまりにも騒音が気になる場合には、屋根を葺き替えることも検討しましょう。
しっかりとした業者に施工してもらうことが大切です。
業者選びについては下記の記事で詳しく解説しています↓
金属屋根の騒音対策④屋根裏に断熱材
屋根の裏に断熱材を吹き付けることで音も防ぐことができます。
断熱材の厚みや使用する材料によって音を防ぐ効果は変わってきます。
ガルバリウム鋼板の音問題の対処方法
1. 適切な施工
ガルバリウム鋼板の音問題を根本から解決する最良の方法は、正確な施工技術を確保することにあります。このプロセスには、ネジの適切な締め付け、鋼板の均一な配置、そして適切な固定具の使用が含まれます。ネジが緩すぎると鋼板が風に揺れて不必要な音が発生する原因となりますが、過度に締めると鋼板が歪む可能性があります。また、鋼板の配置が均一でないと、温度変化による伸縮が不均等になり、ストレスが集中しやすくなります。施工の際には、これらの点を十分に考慮し、専門の技術者によるチェックを行うことが重要です。さらに、施工時には周辺環境や将来の気候変動も考慮に入れ、長期にわたる安定性を保証するための措置を講じるべきです。
2. 断熱材の使用
断熱材を鋼板の下に配置することは、温度変化に伴う膨張や収縮を緩和し、結果として音の発生を抑える効果があります。断熱材は、鋼板自体の温度を安定させる役割も果たし、直射日光や低温からの影響を軽減します。さらに、断熱材は鋼板と他の建材との間に柔軟なクッションとして機能し、振動や摩擦が原因の音を大幅に減少させることが可能です。この方法は、特に温度変動が激しい地域や、音に敏感な施設での使用が推奨されます。
3. 防音対策の強化
建物全体の防音設計の見直しは、外部からの騒音だけでなく、内部からの音の伝播も防ぐために有効です。具体的には、窓やドアの防音性能を高めることに加え、壁や床の材質を見直すことも重要です。例えば、二重窓の設置や、厚みのある防音カーテンの利用、さらには特殊な防音壁の構築は、音の透過を大幅に減少させることができます。また、建物の設計段階で音の伝わりやすい部分に障壁を設けることや、建物の構造自体を音の伝播を考慮して設計することも、効果的な対策となります。これらの防音対策は、住宅だけでなく、学校や病院、オフィスビルなど、さまざまな建物に適用可能です。
4. 定期的なメンテナンスと調整
ガルバリウム鋼板が引き起こす音問題を予防するためには、定期的なメンテナンスが不可欠です。このメンテナンスには、ネジの締め直しや、鋼板の定期検査が含まれます。自然の経年変化や気象条件の影響で、鋼板の固定が緩んだり、部材が歪んだりすることがあります。そうした変化を早期に発見し、必要に応じて調整を行うことで、音の発生を効果的に防ぐことが可能です。また、防錆処理の再施工や、損傷部の修復も定期的なメンテナンスの重要な部分です。これにより、鋼板自体の耐久性が向上し、長期間にわたってその性能を保持することができます。
5. 音を吸収する素材の選択
ガルバリウム鋼板の振動を抑え、発生する音のレベルを下げるためには、適切な音吸収材の選定が効果的です。鋼板の直下や周囲に配置される音吸収材は、振動を効果的に減衰させることができます。具体的には、高密度のフォーム材料や、特殊な音吸収パネルが挙げられます。これらの材料は、鋼板が引き起こす振動エネルギーを効果的に吸収し、周囲への音の伝播を大幅に減少させることができます。また、設置は非常にシンプルで、既存の建物に後付けで施工することも可能です。
6. 風対策の強化
強風はガルバリウム鋼板が音を発する主な原因の一つです。建物の設計を見直すことにより、風の影響を軽減することが可能です。風の流れを分散させる設計や、建物周囲に風を遮るバリアを設置することが有効です。例えば、風除けのための壁や、風向きに応じて可動式のパネルを設置することで、鋼板に直接風が当たるのを防ぎます。これにより、鋼板の振動や騒音の発生を大幅に減らすことができるだけでなく、風による損傷のリスクも低減します。また、風景を考慮した植樹や、建物の配置を工夫することも、風対策の一環として考慮する価値があります。
金属屋根の騒音まとめ
金属屋根で起きる音鳴りや騒音の原因は、雨音の振動や熱伸縮によるものがほとんどです。
これらは施工時に対策してあるのが一般的ですが、施工が甘いと騒音を発生させてしまいます。
対策としては、確実に止めたいのであれば、屋根の葺き替えをするのが一番おすすめですが、金額もそれなりしてしまうので、まずは防音テープなどを使用し様子を見るのが最適かと思います。
こんにちは
屋根雨漏りのお医者さん兵庫県担当の柴田です。
弊社は、雨漏り修理専門のプロ集団で構成された会社です。
私自身は、基幹技能士・一級建築板金技能士など数多くの資格と表彰状を保有して活動しております。
総合実績11万件以上で皆様の知る建物を数多く修繕してきました。