「瓦屋根は雨漏りに強い」とよく耳にしますが、本当にそうなのでしょうか?確かに、瓦は高い耐久性を持ち、美しい日本の風景を象徴する存在でもあります。しかし、見た目が丈夫そうに見えても、実際には施工方法やメンテナンスの有無によって、その防水性能には大きな差が生まれます。本記事では、瓦屋根の構造や防水の仕組み、雨漏りが発生しやすい原因や放置した場合のリスクについて詳しく解説していきます。長く安心して住み続けるためにも、瓦屋根の正しい知識と定期的な点検の重要性を一緒に見直してみましょう。
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瓦屋根は本当に雨漏りに強いのか?
瓦の特性と防水構造の仕組み
瓦屋根は「雨漏りに強い」とよく言われますが、その理由は瓦自体の素材特性と、屋根全体の防水構造にあります。瓦は陶器やセメントで作られており、高い耐久性と耐水性を持つ素材です。表面に釉薬(うわぐすり)を施した釉薬瓦であれば、さらに撥水性が高まり、雨を弾く力が強くなります。さらに、瓦屋根は一枚一枚を重ねて配置する「重ね構造」によって、雨水が直接屋内へ侵入しないようになっています。

また、瓦の下には防水シート(ルーフィング)が敷かれており、万が一瓦の隙間から雨水が入り込んでも、シートがしっかりとそれを受け止め、屋内への浸水を防ぎます。つまり、瓦と防水層の二重構造によって、高い防水性能が保たれているのです。
メンテナンス次第で寿命が大きく変わる
ただし、どれだけ構造的に優れていても、瓦屋根の雨漏り対策は「定期的なメンテナンス」があってこそ成り立ちます。瓦は風や地震でズレたり割れたりすることがあり、これを放置すると、そこから雨水が侵入するリスクが高まります。また、瓦の下の防水シートも経年劣化するため、20年〜30年を目安に点検や張り替えが必要になります。
特に注意したいのは、目視では気づきにくい劣化やズレです。普段から専門業者による定期点検を受けていれば、小さな不具合を早期に発見し、雨漏りを未然に防ぐことができます。瓦屋根は、正しく維持すれば長期間にわたって住宅を守ってくれる優れた屋根材ですが、メンテナンスを怠れば一転して雨漏りの原因となることもあるのです。
雨漏りしやすい瓦屋根の特徴とは?
昔ながらの和瓦の注意点

伝統的な和瓦は重厚で美しい反面、施工方法が古いままの場合、雨漏りリスクが高まることがあります。特に下地の防水処理が甘いままだと、瓦の下に雨水が入り込み、木材を腐らせる原因になります。築年数の古い住宅では、定期的な点検が重要です。
地震・台風の影響を受けやすい屋根形状
瓦屋根はその重さゆえに、地震の揺れや台風の強風に弱いという側面もあります。棟瓦や袖瓦がずれたり飛んだりすると、その隙間から雨水が浸入しやすくなります。特に切妻屋根や寄棟屋根は風の影響を受けやすいため、補強の有無が大きなポイントになります。

漆喰の剥がれやコーキングの劣化にも注意
瓦を固定するために使われている漆喰やコーキング材は、年数とともに劣化します。剥がれやひび割れが起こると、そこから雨水が侵入し、下地を痛める可能性があります。小さな劣化でも放置せず、早めに補修することで雨漏りを防げます。
雨漏りを放置するとどうなる?
下地の腐食やカビによる健康被害
雨漏りをそのまま放置すると、屋根裏や天井の下地に使用されている木材が水分を吸収し、徐々に腐食していきます。腐った木材は耐久性が著しく落ち、シロアリを呼び寄せる原因にもなります。また、湿気がたまることでカビが発生しやすくなり、空気中に胞子が舞い、家に住む人の健康にも悪影響を与える可能性があります。特に喘息やアレルギーを持つ人にとっては深刻な問題で、見えないところで健康リスクが高まっていることを見逃してはいけません。

屋根全体の修理が必要になることも
雨漏りを長期間放置してしまうと、被害が屋根全体へと広がってしまい、瓦だけでなく、防水シートや野地板(屋根の下地)まで交換が必要になるケースもあります。部分補修で済んでいたはずのトラブルが、最終的には高額な全面改修に発展する可能性があり、経済的な負担が大きくなります。早期発見・早期対応が何よりも大切で、少しでも異変を感じたら専門業者に調査を依頼することが、家を守る一番の近道です。
雨漏りを防ぐためのメンテナンスの重要性
点検の目安は築10年・20年
瓦屋根は非常に耐久性が高いとされていますが、永久にメンテナンス不要というわけではありません。一般的には築10年を過ぎたあたりから、そして20年を超えた頃には本格的な点検や補修が必要とされています。特に防水シートや漆喰など、瓦の下にある部分は見えにくく、気づかないうちに劣化が進行していることもあります。大切なのは「見た目がきれいだから大丈夫」と思い込まないこと。定期点検によって小さな異変を早期に発見し、雨漏りの予防につなげることができます。
地震や台風の後は特に要注意
瓦は一枚一枚が独立して載せられているため、地震や強風によってズレたり浮いたりしやすい構造です。特に台風後には、目に見える破損だけでなく、わずかな隙間から雨水が侵入しているケースも多く報告されています。こうした自然災害の後には、被害が出ていなくても念のため専門業者に点検を依頼することをおすすめします。放置すると、次の雨で突然の雨漏りに見舞われる可能性もあるため、早めの対応が大切です。
まとめ
瓦屋根は、耐久性と防水性に優れた屋根材であり、正しく施工され適切にメンテナンスされていれば、長年にわたり住宅を雨風から守ってくれます。瓦自体の撥水性に加え、防水シートとの二重構造によって雨漏りリスクは低く抑えられていますが、万能というわけではありません。地震や台風の影響によって瓦がズレたり、漆喰が剥がれたりすることで隙間が生じれば、そこから雨水が侵入してしまう可能性があります。また、防水シートも経年劣化するため、築年数に応じた点検や補修が不可欠です。
特に見えない部分の劣化や小さなズレは、自分では気づきにくいため、専門業者による定期的な点検が効果的です。瓦屋根に安心して住み続けるためには、「大丈夫そうに見える」ではなく「実際に点検する」という意識が大切です。早期発見と早期対応が、家と暮らしを守る最大の鍵となります。