今までに何度か「プレハブ」という言葉を耳にしたり、口にしたりしたことがあるでしょう。
しかし、プレハブの定義や「プレハブってどんなもの?」などといった質問に的確に回答できる人は少ないのではないでしょうか。
また、安価で短期間に施工することができるプレハブの屋根ですが、劣化が早くメンテナンスを怠ると雨漏りするなどデメリットもあります。
今回はプレハブからの雨漏りの原因と修理方法について解説します。
プレハブとはどんな屋根?
プレハブとは、元々prefabricated=「事前に工場で製造された」という意味の言葉を略したもので、プレハブ工法ともいわれ、建物の一部やすべての部材を工場で生産・制作し、現場で組み立てる建築方法です。
低コストで施工が楽なので、事務所や倉庫として使われることが多くなっています。また、一部ではプレハブの住宅も存在します。
トタン屋根についてはこちらの記事で詳しく解説しています。↓
プレハブは雨漏りしやすい構造?
プレハブの作りはシンプルで、軽量鉄骨の柱と壁パネルで形を造り、ブレースと呼ばれる鉄材で引き締め強度を出しています。
屋根は基本的に屋根材1枚で構成され、その下に防水層が無いことも当たり前のように多く、その屋根材が劣化したり施工が粗ければ雨漏りを誘発させます。
通常の建物は屋根材、防水層、下地と少なくとも3層以上の構造になっているため、通常の屋根と比べるとプレハブは雨漏りの危険性が高いと言えます。
プレハブの中には、コストをかけて屋根材下に防水シートが設けられている場合もありますが、自身のプレハブがどうなっているか確認することが大事です。
また、屋根下に天井や断熱材が施工されている物もありますが、これらは防水には無関係であり、雨漏りの発見を遅らせる要因にもなるので注意してチェックする必要があります。
プレハブとは:構造と寿命について
プレハブとは、”プレファブリケイテッドハウス”の略語で、予め工場で部品を製造しておき、現場で組み立てる建築方式の一つです。この方式は時間とコストを節約することが可能であり、一般的にはオフィスビルや作業場、倉庫などによく使用されます。
プレハブの構造
プレハブ建築物の構造は、主に金属フレームやパネルで構成されており、これらの部品は工場で生産され、現場で組み立てられます。屋根部分には防水層が設けられており、建物を雨漏りなどから守る役割を果たしています。
プレハブの寿命
プレハブの寿命は、その材質やメンテナンス状況、使用状況などにより大きく変わります。しかし、一般的には20年から30年とされています。しかし、適切なメンテナンスと修理を行うことで、その寿命を延ばすことが可能です。
それにもかかわらず、雨漏りはプレハブ建築物の寿命を縮める要因の一つです。防水層が劣化すると雨漏りが発生し、構造材を腐食させてしまいます。そのため、雨漏りの修理とメンテナンスはプレハブの寿命を延ばすために重要なポイントとなります。
プレハブの屋根が雨漏りしている原因
プレハブ屋根で雨漏りが発生した際の原因について解説します。
プレハブの屋根はトタンなどの屋根材1枚だけを施工するシンプルなつくりになっていることがあり、防水シートが使われていない場合もあります。その場合、屋根材が破損すると雨漏りに直結する可能性があるため注意が必要です。
経年劣化によるプレハブの雨漏り
プレハブのほとんどは、金属屋根同士を重ね合わせて施工されています。
この金属板をうまく重ねることによってプレハブ屋根の防水機能を維持しているのですが、この構造は経年劣化に弱いため、ヒビ割れや変形が起きやすいです。
こうした経年劣化位より、防水機能が失われ、プレハブの雨漏り原因に繋がってしまいます。
屋根の腐食によるプレハブの雨漏り
トタン屋根のメッキは経年劣化や小石などの物理的な要因によって徐々に剥がれていきます。メッキでコーティングされていない金属は非常に錆びやすく、一度錆びてしまうと腐食していき最終的に屋根に穴が開いた状態になります。
トタン屋根を使用しているプレハブでは、こういった屋根の腐食で雨漏りが起こるケースが多いです。
ボルトやビスのサビによるプレハブの雨漏り
雨漏りの原因のひとつに、トタンの固定に使用されるボルトやビスが錆びて腐食することによりできた隙間があげられます。
プレハブは金属という性質上、木組みのような工法を用いることはできません。そのため材同士の接続を行う際はボルトやビスを使用する必要があります。ボルトやビスといった金具は塗膜がないので錆びやすく、劣化が進むと隙間ができてしまうのです。
折板屋根の場合は固定箇所が多いので、特にこの現象が起こりやすいといわれています。原因を特定する際は、特に注意して見ておきましょう。
屋根の歪みによる雨漏り
トタンを2枚繋げる場合、重ね合わせることで浸水を防ぐ処置が取られますが、コーキングで隙間を埋めることはしません。
そのためトタンが太陽の熱や経年劣化で歪んでしまうと隙間が広がりそこから雨水が浸水してしまうようになるのです。
これは金属製のトタン屋根特有の現象で、一度歪んでしまったトタンは元に戻すことが困難なためこのようなプレハブを自分で修理を行うのは難しいでしょう。
屋根上の水溜りから雨漏り発生
プレハブからの雨漏り原因で多いのが、屋根上の水たまりによるものです。
プレハブは平面な陸屋根になっているという都合上、雨が降ったあとに水たまりができやすい構造になっています。
雨で屋根に水たまりができることで、プレハブの屋根に重さが加わり、たわみが生じることで雨漏りの原因になります。
屋根の形状が折板屋根であれば、たわみ難く水はけも良いため屋根の水溜りは起こりづらくなります。
屋根からの雨漏りについてはこちらの記事で詳しく解説しています。↓
プレハブ屋根の耐用年数・寿命
プレハブの寿命は一般的に15年〜20年と言われています。
しかし、その寿命はしっかりとメンテナンスを定期的に行っている場合の寿命であり、放っておくとプレハブ屋根は劣化しやすいためはかなり早くに寿命を迎えてしまいます。
プレハブはメンテナンスの回数で寿命が大きく左右されるため、定期的なメンテナンスを行ってあげることで長く屋根の寿命を保つことができるようになります。
プレハブ屋根の修理方法は状態によって変わる
プレハブの修理方法は、痛んでいる箇所のみを補修する方法と、屋根全体を修理・交換するカバー工法、葺き替えがあります。
寿命が切れているプレハブの屋根では葺き替えやカバー工法といった大規模な修理工事となります。
プレハブ屋根は自分で修理できる?
プレハブの雨漏り修理は自分で行うことが可能です。
例えば、雨漏りによる被害が小さく穴が目視で確認できるなど原因が特定できている場合で、なおかつプレハブ自体の損傷が少ないのであればコーキングや防水テープなどを使用して自分で修理を行うと良いでしょう。ただし修理の際は屋根の上に登って作業をする必要があるので、自分で行う際は十分に注意してください。
修理が自分でできるかどうかは、プレハブを“どのくらい使用してきたか”にも左右されます。
プレハブ屋根をDIYで応急処置
雨漏りしたプレハブをDIYで応急処置する方法について解説します。
プレハブの雨漏りはサビによるものが多いです。そのため、防水テープは防サビ効果のあるものを選ぶのがよいでしょう。また、防水テープを切り取るためのハサミが必要な場合があります。
【手順】
1.適度な長さで防水テープを切ります
2.屋根に密着させながら丁寧に防水テープを貼っていきます
3.指でしっかりと押さえて防水テープをなじませる
上記のように防水テープを貼る方法がおすすめです。
防水テープを貼るときは、テープにヨレが出ないように丁寧に貼り付けましょう。
プレハブ屋根の修理費用
プレハブの修理費用は、破損状況の規模によっても変わってきます。
今回は、部分修理と別の屋根に交換する大規模な修理について費用を解説します。
まず部分修理の場合、屋根の傷んでいる箇所のみ新しいトタンで修復する修理方法になります。費用相場は約1万円〜6万円(1平米あたり4,000円)ほど。
屋根の損傷箇所が少ない場合は費用が抑えられる部分修理が行われます。
全体的に損傷がある場合には大規模な工事になります。
その場合、カバー後方が使用されることあ多いです。カバー工法は、既存の屋根を取り外さず上から新しい屋根を重ねる施工方法で、費用相場は1㎡あたり、4,000円ほどです。ただしカバー工法は足場を組むこともあるので、その場合は足場の費用(1㎡あたり1,000円)が別途必要になってきますので足場代も計算に入れておきましょう。
カバー工法は新しい屋根になるので雨漏りを食い止めることができ、屋根の張替えよりも安価で工期も短いというメリットがあります。
屋根の損傷がひどいけれど、できるだけ早く費用を抑えて修理したいという場合はカバー工法がおすすめです。
プレハブのメンテナンスの目安時期
レハブの寿命は15年〜最長で40年以上と幅があります。
寿命にここまでの開きがあるのは、プレハブが金属製であることが要因。プレハブに使用されているトタンは、内部の金属を守るためメッキが塗布されていますが、これが剥がれることで錆びが発生してしまいます。発生した錆びはじわじわと金属を腐食させ、プレハブ本体を急激に劣化させてしまうのです。
経年劣化で錆びが起きやすいプレハブは最低でも半年に1回はチェックを行い、錆びを見つけたらその度にメンテナンスをすることがプレハブの寿命を延ばす秘訣と言えるでしょう。
プレハブの雨漏り修理の費用相場
プレハブ自体は価格も安く一般的な住宅に比べると規模も小さいので、修理にかかる費用も比較的安くなっています。
ただ、屋根の被害状況やリフォーム先の屋根材によっては相場以上の費用がかかることもあるので注意しておきましょう。
なお、具体的にいくらの費用がかかるのかを知りたい場合は、雨漏り修理業者に依頼して見積りを取ってもらう必要があります。
目安としては、以下の費用が相場とnalt杖います。
屋根リフォーム(カバー工法):50万円程度
塗装直し:10~30万円
部分補修:1~10万円
プレハブでの雨漏り被害は?
プレハブで雨漏りが発生すると、カビが発生し、どんどん繁殖してしまいます。
そうなると壁や近くにあるものにまで移ってしまい汚くなってしまいます。
さらに雨漏りの被害が進むと柱などの重要な部分の腐食、電気設備がある場合には、漏電等の危険リスクが上がります。
既存住宅瑕疵保険制度
瑕疵担保の期間は、売主が宅建業者の場合は2年以上、売主が個人の場合は半年以内とされるケースが多く、補償期間を過ぎたあとで瑕疵が発生した場合は自腹ということになるので、中古住宅を購入するにはリスクが伴うことになります。
そこで国が支援しているのが、第三者が中古住宅の瑕疵を保証する制度、既存住宅瑕疵保険です。
ある一定の条件を満たせば、売買後にあらわれた瑕疵の修繕費用を補償するという保険で、宅建業者用、個人間取引用、マンション戸別用に分かれています。
中古住宅を購入する場合は既存住宅かし保険が付いているかどうかを確認することも重要です。
プレハブ屋根の雨漏りについてのまとめ
プレハブ建築物の雨漏りの原因には、様々なものがあります。
一般的な原因としては、屋根や壁の劣化、シーリングの劣化、窓やドアの隙間、排水溝の詰まりなどの原因が挙げられます。
DIYでの修理方法としては、まず原因を特定し、その原因によって修理に必要な材料や道具を用意する必要があります。
屋根や壁の劣化による雨漏りの場合、シーリング材を使って修理できる場合があります。
シーリング材は、硬化する前に柔らかい状態で塗布できるので、狭い隙間にも塗りやすく、修理を行うのに使用されます。
窓やドアの隙間からの雨漏りの場合は、シリコンコーキング剤を使って修理することができます。
シリコンコーキング剤は、シーリング材と同様に柔らかい状態で塗布でき、硬化後は弾力性があり、長期間の使用に耐えることができます。
排水溝の詰まりによる雨漏りの場合、排水口を清掃し、排水溝に防水材を塗布することで解決できる場合があります。
また、屋根や壁の修理には、難しく危険な場合が多いため、自信がない方は業者に依頼するのが望ましいです。
修理に取りかかる前には、安全に注意し、必要な保護具を着用して行いましょう。
また、プレハブ建築物の雨漏りは、修理が遅れると建物全体に悪影響を与えるため、早急な対処が必要です。
プレハブの建物は、雨漏りの原因になりやすい場所がいくつかあるため、大雨などのあとは屋根の接合部などをよくチェックしておきましょう。
また、雨漏りを発見したときは、なるべく早めに修理を行うと安心です。
やね雨漏りのお医者さんではプレハブの雨漏り修理を承っておりますので、お困りの際はお気軽にお問い合わせください。まずは、現地見積もりから無料でご対応させていただきます。
こんにちは
屋根雨漏りのお医者さん栃木県担当の臼井です。
弊社は、雨漏り修理専門のプロ集団で構成された会社です。
私自身は、一級建築士・基幹技能士・一級建築板金技能士など数多くの資格を保有して活動しております。
総合実績11万件以上で皆様の知る建物を数多く修繕してきました。