トタン屋根の雨漏り原因と修理方法について!継ぎ目はコーキングで補修!?

トタン屋根

トタン屋根で雨漏りしている場合、様々な要因が挙げられます。
トタン屋根は、薄い鋼板を用いた軽量な屋根材のことで、低価格であるため多くの建物に使用されますが、経年劣化や施工不良により雨漏りが発生することがあります。
この記事では、トタン屋根の特徴に加え、トタン屋根からの雨漏りの原因と対策方法についてを解説します。又、トタン屋根のメリットやデメリットについても解説していきます。
既にトタン屋根の方も、これからトタン屋根を選ぶぼうとしている方も、ぜひ参考にしてみてください。

雨漏り修理の専門家
雨漏り修理
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目次

トタン屋根は雨漏りしやすい?

トタン屋根

トタン屋根とは金属屋根の一種です。
戸建てのトタン屋根というと一般的に「瓦棒屋根」を指すことが多いです。
鉄板に亜鉛をメッキした金属材をトタン板と呼びます。
それを屋根材に使用したのがトタン屋根です。

昔にかなり普及しており、今でもたまに見かける屋根材ではありますが、新しく屋根材を選ぶ際にトタン屋根を選ぶ方は少なくなりました。

比較的安価な屋根材ではありますが、耐久性に不安がある屋根材で、すぐに錆びやすく、経年劣化が早いことから雨漏りしやすい屋根材でもあります。

トタン屋根から雨漏りする原因

雨漏り プレハブ トタン

トタン屋根から雨漏りする原因は、大きく分けて3つ「板金の剥がれ」「錆による穴あき」「強風などで浮く、めくれる」などが原因で起こります。

屋根の面と面が合わさった頂点部分を棟と呼び、その棟を覆う形でカバーしている板金を棟板金と言います。
本来、棟板金は飛散や剥がれが起きないように釘で固定されているが、金属加工の反発力や温度変化にさらされることで、釘浮きが発生します。
また、トタン屋根は、塗膜と亜鉛メッキで鉄板が守られているため、太陽光の紫外線や熱や雨、霜、雪などの水分の影響を受けて経年で徐々に劣化していきます。
劣化することで、鉄板がむき出しになり、空気中の酸素と水と反応することによって赤さびが発生し、腐食によって鉄板に穴が空くことで雨漏りを引き起こします。

また、トタン屋根(金属屋根)は、他の屋根材と比較すると軽量であるため、台風や強風などで飛散することがあります。

トタン屋根の継ぎ目から雨漏り

トタン屋根の雨漏りは、特に継ぎ目部分が水が侵入しやすい箇所として知られています。屋根パネル同士が重なり合う部分にできる継ぎ目は、時間とともに劣化しやすく、そこから雨水が浸入しやすくなる傾向があります。この問題に対処するためには、以下の手順で慎重に修理作業を行うことが必要です。

まずは、屋根の継ぎ目を詳細に点検します。ここでは、剥がれや隙間、歪み、錆びなどの損傷が見られる箇所を特に重点的に確認します。これらの状態が見られる場所は、雨水が侵入しやすい可能性が高いため、修理が必要です。

次に、修理作業に入る前に継ぎ目周辺を徹底的に清掃します。ブラシや布などを使って、埃や汚れを取り除き、表面をきれいに整えます。この作業は、修理材料がしっかりと継ぎ目に密着し、効果的な修理を行うために重要です。

清掃が完了したら、シーリング材を使用して継ぎ目を封じます。シーリング材は、継ぎ目に均等に塗布し、隙間や剥がれた部分をしっかりと埋める役割を果たします。この際には、シーリング材を均等に塗ることがポイントです。

修理後は、しっかりと押し付けて密着させ、シーリング材が完全に乾燥するのを待ちます。乾燥時間は製品によって異なりますが、通常は数時間から数日かかることがあります。完全に乾燥したら、修理した部分が雨水をしっかりと防ぐかどうかを確認するために、テストを行います。

トタン屋根の雨漏りは、慎重な点検と修理作業が必要ですが、正しい手順に従えば効果的に解決することができます。しかし、修理作業が難しい場合や継ぎ目の損傷が深刻な場合は、専門家に相談することをお勧めします。

トタン屋根から雨漏りが発生したら

天井 雨漏り

年数が経ったトタン屋根は、既に寿命を迎えている場合が多く、錆などで雨漏りがしやすい状態になっている場合が多いです。

もし、雨漏りが発生した場合は、すぐに応急処置を行い被害拡大を防ぎましょう。
その後、雨漏り修理業者に見てもらい直すのがベストです。

雨漏りを放っておくと建物の構造部分を腐らせたり、カビやシロアリが繁殖してしまうなど、建物と身体に悪影響を及ぼしますのでなるべく早めに対処しましょう。

屋根からの雨漏りについてはこちらの記事で詳しく解説しています。↓

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トタン屋根の耐用年数とメンテナンスの目安

トタン屋根の塗装

トタン屋根はとても錆びやすいため、約10~20年が寿命と言われています。

5年を目安に定期的に再塗装のメンテナンスを行ってあげることで長持ちさせることができます。

塗装にはサビを予防する塗料を下地に塗ります。

また、屋根に汚れやサビがある場合にはすぐに落とし手入れを行いましょう。

屋根の状況を確認し、錆が広がる前に補修を行いましょう。

トタン屋根のサビには研磨で対応

トタン屋根の表面がサビている場合には、サビた箇所を良く磨いてサビを取り除きます。
その後、サビ止め剤を塗ってから専用塗料で上塗りします。
サビの研磨塗装修理にかかる費用は㎡当たり約4,000円~6,000円が相場のようですが、状態や範囲よっても費用は変わり、部分修理だけでは直せない場合もあるため、実際に見積もりを依頼し相場を見極めるのがいいでしょう。

トタン屋根はペンキ塗装でメンテナンスできる

雨漏り プレハブ

トタン屋根を塗装でメンテナンスが可能な場合は、サビが一面もしくは一部に発生している、既存の塗装が剥げている、トタン屋根(瓦棒屋根)に苔が発生している場合です。
また、トタン屋根は、定期的にペンキで塗装をすることで耐久性を高めて雨漏りを予防することが可能です。トタン屋根の表面をペンキ塗装するとサビを防ぐことができます。定期的にトタン屋根のペンキの塗り直しを行うことで、雨漏りを防ぎ屋根の寿命を延ばすことができるのです。

屋根の塗装についてはこちらの記事で詳しく解説しています。↓

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トタン屋根のペンキ塗装の手順

鉄部塗装とご説明が重なる部分も多いですが、ここではトタン屋根の塗り替えについてご説明させていただきます。

ケレン

雨漏り プレハブ

ケレンとは、主に汚れやサビがついた鉄部を専用工具で擦り落とし塗料の付着をよくする作業です。
最も重要な下地処理で、劣化塗膜を除去したり、錆止め塗料の密着力を強めるため、既存塗膜の目荒らしをする作業です。
トタン屋根の場合、素材が鉄板であるため、高圧洗浄のような下地処理では不十分であることが多く、比較的劣化が少なく、錆などが発生していない場合でも、ワイヤーブラシなどの工具を使用しケレンすることが望ましいと言えます。

錆止め処理

トタン屋根の場合の下塗りの工程が、錆止め塗料塗布となります。錆止め塗料には、もっとも錆止め効果の高い二液反応硬化型のエポキシ樹脂錆止め塗料がお勧めといえます。但し、下地処理のケレンを、既存状態に応じて適切なランクの方法で行うことが大前提となります。

上塗り2回(中塗り、上塗り)

雨漏り プレハブ

錆止め塗料は、下地に対する密着力や錆の抑制効果は優れているものの、紫外線に対して非常に弱いため、それに対する保護のため上塗り塗料を塗ります。
上塗り塗料は通常2回塗ることによってその効果を発揮することができるので、上塗り1回目の工程を中塗りともいいます。

尚、外壁用の塗料は溶剤系から水性系への移行が進んでおりますが、外部鉄部に関しましては耐久性の観点から適しているとはいえません。

塗料の耐久性は塗料の主成分である「樹脂」により決定されます。アクリル樹脂、ウレタン樹脂、シリコン樹脂、フッ素樹脂の順に耐久性が高くなり、同じ樹脂であるならば、一液よりも二液型の塗料が耐久性が強いといえます。

トタン屋根はどのように施工されている?

雨漏り 防水シート

トタン屋根は屋根の棟(屋根の頂点)から軒天までを一枚のトタンで覆っており、棟から軒先まで隙間なく屋根材が敷かれています。

また、トタン屋根の構造は、野地板・防水紙(ルーフィング)・トタン屋根の三層構造で、一次防水として屋根材が雨水の浸入を防ぎ、万が一屋根材の下に雨水が入り込んでも二次防水として防水紙(ルーフィング)が雨水を最終的に建物内部に入り込むことを防いでいます。
一応は、屋根材であるトタン部分から雨水が浸入しても、防水紙(ルーフィング)が最後の砦となって結果的に雨水の浸入を防いでいるますが、二次防水に不良があればもちろん雨漏りが発生します。

トタン屋根の葺き替え

トタン屋根の葺き替えにおける新しい材の選び方は、主に材質の種類、地域の気候条件、予算、色やデザインの観点から考えられます。
亜鉛メッキ鋼板、アルミニウム、ステンレス、カラーメタルなどが一般的な材質で、それぞれ耐久性、見た目、価格などの特性が異なります。地域の気候条件によっても選ぶ材料は変わり、湿度や風雪の強さによって耐腐食性や耐風性に優れた材料を選ぶべきです。また、予算も重要な要素であり、初期投資と長期的なメンテナンスコストや耐用年数を考慮すると、高価でも長持ちする材料が経済的な選択となる場合もあります。さらに、家全体の外観と調和する色やデザインを選ぶことも大切で、特にカラーメタルは多種多様な色から選べます。最後に、トタン屋根の葺き替えを行う専門業者との相談を忘れないようにし、最新の情報や経験を活用して最適な選択を行うことが推奨されます。

トタン屋根の雨漏り修理方法

トタン屋根で雨漏りが発生すると、家や建物の内部に水が浸み込んでしまい、壁や天井に水滴やシミが現れ、場合によっては構造物に損傷を与える可能性があります。
トタン屋根の雨漏りを修理する方法について詳しく説明します。

まず、雨漏りの原因を特定することが重要です。
屋根の点検を行い、ひび割れ、穴、または錆びた箇所など、潜在的な問題を見つけます。
特に、トタン屋根では経年劣化や外部要因によって生じるひび割れや錆が主な原因となります。

次に、ひび割れや穴が見つかった場合は、それらを修理します。
一般的には、シリコンコーキングや屋根修理用のシーリング材を使用して、ひび割れや穴を埋めます。この際には、材料を丁寧に塗り込んでしっかりと密封することが大切です。

また、錆が原因で雨漏りが発生している場合は、錆びた箇所を磨き落とします。ブラシやサンドペーパーを使って錆を取り除き、その後、錆止め塗料や防錆塗料を塗布して屋根の表面を保護します。これにより、将来的な雨漏りのリスクを低減することができます。

雨漏りの修理作業は慎重に行う必要があります。高所作業になる場合は特に注意が必要で、安全な作業を行うためには適切な安全装置や道具の使用が欠かせません。また、雨漏りの原因や修理方法に自信がない場合は、専門家に相談することをお勧めします。早めの対処が、より大きな被害を未然に防ぐことにつながります。

トタン屋根の雨漏りをコーキングで修理

トタン屋根の雨漏りを修理する方法の一つに、コーキングを使う方法があります。コーキングは、ひび割れや隙間を埋めるためのシーリング材で、水密性を高めるのに効果的です。

まず、雨漏りの原因となるひび割れや隙間を確認します。これらの箇所を十分に清掃し、埃や汚れを取り除きます。その後、コーキングをシリンジや専用の工具を使って、ひび割れや隙間に丁寧に充填します。コーキングが屋根材に密着するように、しっかりと押し込んでください。

コーキングを適用した後は、表面を滑らかに均すために指や専用のスムーサーを使って整えます。この作業により、コーキングが屋根表面にしっかり密着し、雨水の浸入を防ぎます。

修理が完了したら、コーキングが完全に乾くまで待ちます。乾燥時間は製品によって異なりますが、通常は数時間から数日かかることがあります。乾燥が完了したら、雨が降る前に屋根の防水性を確認するために、水をまいたりホースで水をかけたりしてテストすることが重要です。

ただし、雨漏りの原因が深刻な損傷や経年劣化による場合は、コーキングだけでは修理が難しいことがあります。そのような場合は、専門家に相談して、適切な修理方法を検討することが重要です。

トタン屋根の雨漏り修理費用相場

雨漏り修理の費用

トタン屋根の修理にかかる費用相場は、トタン屋根の状態、修理の工法、業者によっても異なりますので目安として参考にしてください。

部分修理の場合、屋根の部分的な破損やサビによる一部を取り替える修理には、約10万前後かかります。

トタン屋根の塗装には、使う塗料や屋根面積にもよりますが、通常の民家であれば50万前後の費用が目安になります。

既存のトタン屋根の上からカバー工法で葺き替える場合には、使用する屋根材や屋根の面積によっても異なりますが約100万前後が目安です。

葺き替え工事を行う場合には、既存のトタンを剥がして新しい屋根材に交換するため、カバー工法よりも金額がかかります。
約150~200万前後を目安にすると良いでしょう。

雨漏りの修理費用に関しては下記の記事で詳しく紹介しております。

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トタン屋根の雨漏り修理時の注意点

ブルーシートや防水テープ、コーキング補修など色々と雨漏りの補修方法はありますが、これらはあくまで雨漏りを止める応急処置にすぎないことを頭に入れておきましょう。
また、雨漏りの原因がわからずに補修したり、適切な処置ではない場合、雨漏りが再発したり、錆びがひどくなったりしますので、補修する際もできる限り業者に依頼しましょう。
応急処置なら、業者でも数万円程度で済むことが多いです。

トタン屋根のメリット

メリット

トタン屋根のメリットは大きく3つあります。
・価格が安い
・地震に強い
・施工しやすい

トタン屋根は手間がかからないためとても施工しやすい屋根材です。
また、比較的安価なため、倉庫や車庫などの屋根におすすめの屋根材です。
とても軽い素材のため建物にかかる負担が少なく地震に強いです。

トタン屋根のデメリット

デメリット

トタン屋根のデメリットは大きく2つあります。
・遮音性、耐熱性が低い
・耐久性が低い

トタン屋根は金属製の屋根であるため、雨の音など反響しやすく、熱の伝導率が高いため夏などは暑くなりがちです。

施工する際に対策を施さないと遮音性と耐熱性に問題が出てきます。

また、耐久性も低いため、すぐ錆びてしまい、穴が開くケースがあります。

約10年ほどで屋根材を交換する必要があります。

トタン屋根の雨漏りについてまとめ

雨漏り まとめ

トタン屋根は、安価で施工しやすい反面、耐久性に不安があり、10年ほどで交換が必要になる屋根材です。
トタン屋根の寿命を長持ちさせるためには、再塗装のメンテナンスが不可欠です。

トタン屋根は錆や穴が開くことがあり、めくれたり剥がれたりすることもあります。これらが原因で雨漏りが発生することがあります。DIYで修理する場合、まずはめくれた部分をテープで抑える応急処置を行います。その後、穴がある場合は補修を行い、錆がある場合は塗装を行います。また、強風で板金が飛散してしまった場合は、カバーを使って修理する方法もあります。

DIYでトタン屋根の雨漏り修理を行う場合、必要な材料はテープやカバー、塗料などで、費用は1,000円から数万円程度となります。ただし、DIYに自信がない場合や大きな修理が必要な場合は、業者に依頼することが必要となります。業者によって費用は異なりますが、相場は10万円から数十万円程度となります。

トタン屋根の雨漏り修理を業者に依頼する場合、まずは信頼できる業者を探すことが重要です。業者選びのポイントとしては、施工事例や口コミ、評価などを確認することが挙げられます。また、トタン屋根に特化している業者を選ぶことも重要です。トタン屋根の修理には独自の工法が必要となるため、専門知識を持った業者を選ぶことが大切です。

トタン屋根は家の屋根に使うというよりも、倉庫や車庫に使用するのがオススメです。



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