雨漏りの補修や修理と聞くと、自分一人では行えないような大掛かりな作業のイメージをされる方が多いと思います。
しかし、誰でも簡単に雨漏りの補修が行えるようなグッズが中にはあります。
今回は、そのうちの一つ「雨漏り補修スプレー」というものについて解説していきます。
雨漏りの補修スプレーというのは、防水スプレーと似たような商品で、使用したい箇所にスプレーを吹きかけるだけで、その表面を防水層でコーティングしてしまうものです。
雨漏りの原因によっては、一時的に雨漏りを止めることができるということで、人気の応急処置グッズです。
雨漏り用の補修スプレーは、ホームセンターなどでも販売されているため、一度は見かけたことがある方もいるのではないでしょうか?
一括りに雨漏り用の防水スプレーと言っても様々な種類があります。
また、使用できる外壁材であったり、スプレー後の注意点など、使用するにあたり気をつけることが沢山あるため、この記事を通して一つ一つ解説していきます。
雨漏り修理に補修スプレーは使えるのか?
結論から言いますと、雨漏り補修スプレーを使うことで一時的に雨漏りの応急処置を行うことは可能です。
ただし、雨漏りしている部分の素材によっても合わせた補修スプレーが大事になります。
雨漏り補修に使えるスプレーとは?
「雨漏り補修スプレー」とは、雨漏りが起こった際、原因箇所に雨漏り補修スプレーを吹きかけることで表面をコーティングし、一時的に雨漏りを止めるというものです。
主に、モルタル外壁の細い亀裂や、小さなひび割れ、穴を埋める、窓のサッシ周りのコーキングなどに使用されます。
また、雨漏り補修スプレーの大きな特徴として、スプレーの成分が浸透する素材であればモルタル外壁以外でも、木製サッシやアルミサッシなどの素材で防水効果を期待することができます。
ただし、種類によっては、使用できる場所や性能が限られていたり、スプレーの成分が乾燥した後でないと塗装がのらないタイプであったりと、補修スプレーによっても違いがあるため、購入前には注意する必要があります。
雨漏り補修スプレーの価格は安い!
雨漏り補修スプレーは、ネットショップやホームセンターなどで購入できるようなもので価格はそこまで高くないが値段にばらつきがあります。
金額は1本あたり200ml~300mlの容量で、500円~4,000円前後と物によっても様々です。
雨漏り補修スプレーの効果とは?
雨漏り補修スプレーは以下のような効果が得られます。
・外壁タイルの目地の亀裂などが原因で雨水の浸入経路となっている場合、補修ができる
・カビや苔の発生を防止する事ができる
・窓・サッシのコーティング
などその他にも使用できる箇所があるので説明をよく読んで使用できる箇所にスプレーを使用しましょう。
雨漏り補修の防水スプレーを選ぶポイント
雨漏り補修用の防水スプレーを購入する際には、必ず製品の説明を読み、雨漏りの補修として使用できることが明記されたものを選びましょう。
また、使いたい場所や用途に使用できるものかどうかの確認も必須です。
雨漏り対策として使う場合には、「雨漏り用」や「住宅用」「多用途」と記載されているものを選ぶといいでしょう。
また、雨漏り用として使用できる補修スプレーの中でも、スプレーを使用後に上から塗装が出来るタイプと出来ないタイプのものがあります。(一般的には、スプレー後に塗装ができるタイプの方が高価です。)
ですが、上から塗装ができないスプレーを使用した場合、業者に屋根や外壁の塗装をしてもらうことができなくなってしまうため、今後、補修する箇所への塗装が必要かどうかも補修スプレーを選ぶ際、注意する必要があります。
コンクリートやモルタル外壁の小さなひび割れであれば、雨漏り補修用のスプレーを使用しても問題ないですが、雨漏り用の補修スプレーを使用するよりも、セメント補修用のスプレーを使用した方が、ひび割れた部分をしっかりと埋めることができます。
雨漏り補修用の防水スプレーの使い方
雨漏り補修スプレーを使用する際は、しっかりと使い方を守ることで防水性能を発揮するため、使用方法や注意点についてあらかじめ把握しておくことが大切です。
雨漏り補修スプレーの使い方について順を追って解説します。
①防水スプレーを使用する箇所の水分や汚れをしっかり拭き取る
使用したい箇所に、埃や水分が残った状態では、防水性能が低下をするため、スプレー本来の性能が発揮できません。
ですので、まず最初にしっかりと使用したい箇所の汚れや水分を綺麗にしておく必要があります。
②防水スプレーをよく振ってから使用する
雨漏り補修スプレーを使用する前に、まずはよく振ってからしっかりと攪拌させましょう。
また、スプレーを使用する箇所から20~30㎝程度距離をおいて、一定のスピードでスプレーしましょう。
スプレーを吹くときのコツとしては、2~3回に分けて均等に重ね塗りをして防水層を形成するイメージです。1回のスプレーで完成させるのはムラができてしまうため難しいです。
③塗装後は、24時間程度乾燥させる
噴射した雨漏り補修スプレーがしっかりと乾燥するまで、湿度や天気にもよりますが、約24時間程度の時間がかかります。
しっかりと乾燥するまで時間を取る必要があります。
雨漏り補修の防水スプレー使用の注意点
雨漏り補修スプレーを使用する際に注意すべきポイントを3つご紹介します。
・スプレーする箇所をしっかりと清掃する
・スプレーは2~3回、均等に噴射する
・スプレーをかけた後はしっかりと乾燥させる
スプレーする雨漏り箇所をしっかりと清掃する
雨漏り補修スプレー本来の性能を発揮させるには、使用する箇所にほこりや水分、汚れなどが付着していないかしっかりと確認して、汚れている場合には清掃することが大事です。
万が一、ほこりや汚れが残った状態で使用した場合、雨漏り補修スプレーがしっかりと素材に浸透できないので、本来の防水性能よりも劣ってしまうことになります。
スプレーは2~3回に分けて均等に噴射する
雨漏り補修スプレーを使用する際は、1度の噴射だけでなく、2~3回噴射することで、よりしっかりとした防水層を形成することができます。
一回だけの噴射で、防水層を均等に形成するのはプロでも難しいため、2、3回に分けて雨漏り箇所に吹きかけるのが最善です。
屋外で補修スプレーを使用する場合には、特に2回以上吹きかける必要があります。
防水スプレーをかけた後はしっかりと乾燥させる
補修スプレー後にしっかりと防水効果を発揮させるには、吹きかけた箇所を完全に乾燥させることが重要です。
スプレーした上に塗装する場合であっても、完全に乾燥させてから行う必要があります。
おすすめの雨漏りスプレー
今回は、インターネットやホームセンターで購入できる雨漏り補修スプレーを2つご紹介します。
①防水スプレー リークシール(ラストオリウム)
②強力防水一番(浸透性防水材)(日本特殊塗料)
補修スプレーや防水スプレーは特に種類が多い商品なので、購入する際は、しっかりと用途や使用方法を確認してから選び購入しましょう。
①防水スプレー リークシール(ラストオリウム)
一つ目に紹介する雨漏り補修スプレーは、ラストオリウムの防水スプレー「リークシール」です。
水漏れ部や亀裂部にスプレーを充填することで、水の侵入や湿気の浸透を防ぎます。
防水、防食効果が期待できる商品です。
簡単な取扱いで使用でき、柔軟で密封性のある保護膜を誰でも作れます。
乾燥後は滑らかな仕上がり面になるため、水性塗料や油性塗料で上塗り塗装もできる商品です。
②強力防水一番(浸透性防水材)(日本特殊塗料)
2つ目に紹介する商品は、日本特殊塗料の「強力防水一番」です。
用途としては、家屋の土台・雨戸・戸袋・板壁・物干台・木製スノコなど、木部の防水と防腐、コンクリート・モルタル壁などの微亀裂による簡易防水、厚手の繊維のテント・幌・雨傘・布バケツなどの防水・防カビ加工、車庫・倉庫などコンクリート壁・防塵・防カビ加工などに使用できます。
使用方法も簡単で、さっと塗るだけで、素材内部まで浸透し、防水・防かびに威力を発揮する商品です。
外壁のひび割れが原因の雨漏りに効果が期待できます。
雨漏り補修用の防水スプレーはあくまで応急処置!
雨漏り補修スプレーによる補修は、あくまでも一時的に雨漏りを止めるだけの応急処置になります。
時間が経てば、形成された防水層も効果が発揮しなくなります。
補修スプレーで処置した後は、それだけで済ませるのではなく、しっかりと専門の業者に雨漏り調査を依頼しみてもらいましょう。
雨漏りを直すのに一番大事なことは、雨漏りの根本的な原因を解決することです。
いくら表面だけを補修したからと言って根本を直さなければ、いずれ再発してしまいます。
これは業者選びにも共通して言えます。
雨漏りの知識のない、リフォーム会社などに頼んでしまうと、まず根本的な原因が見つけることができないため、表面だけの工事で、追加、追加と工事を行い費用と時間だけがかかってしまいます。
ですので雨漏り修理の業者を選ぶ際には、しっかりと原因を追求してくれるところに頼みましょう。
応急処置についてはこちらの記事で詳しく解説しています。↓
その他の雨漏り補修アイテムを紹介
雨漏り補修スプレー以外にも、雨漏りの応急処置を行えるものはいくつかあります。
今回は、そのうちの3つをご紹介します。
・防水テープ
・テープ付き養生シート
・ブルーシート
おすすめ雨漏りグッズ①:防水テープ
防水テープとは、表面に防水加工を施したブチル系の粘着剤テープです。
防水テープは、粘着性が非常に高く、様々な箇所へ接着することが可能です。
防水テープの種類も多く、耐久性や耐熱性に優れたものもあります。
こちらも使用目的に合わせて防水テープを選ぶ必要があります。
もしも、雨漏りカ所が広範囲の場合には、防水テープを使用するよりも防水シートの方が良い場合もありますので、しっかりと確認しましょう。
おすすめ雨漏りグッズ②:テープ付き養生シート
テープ付き養生シートとは、マスカーなどとも呼ばれている、「テープ」と「シート」が融合した商品です。
これまで養生を行うときは、マスキングシートと養生シート(ポリシート)をそれぞれ用意してから、貼りつける作業が必要でした。
この工程を、簡単かつスピーディーに行うことを可能にしたのがマスカーです。
雨漏り箇所が複数ある場合、室内では沢山の水受けバケツが必要になります。
そんな時にテープ付き養生シートがあれば、1つのバケツまで水を集めるような道を作ることができるので便利です。
防水テープについてはこちらの記事で詳しく解説しています。↓
おすすめ雨漏りグッズ③:ブルーシート
雨漏りを受けているバケツの下にブルーシートを敷いておくことで、水受けバケツから跳ねた水が床を濡らしてしまうなど、雨漏りによる二次被害を防ぐことができます。
また、ブルーシートは下に敷くのではなく、物の上に被せ雨漏りから家具家電を守のにも使用できます。
ただし、屋根の上に敷くなどの行為は、高所作業ということもあり大変難しく、とても危険なため絶対に行わないでください。
うまく屋根の上に登れたとしても建物に関する知識が無いとしっかりとした対策はできません。
ブルーシートを使った処置については下記の記事で解説しています↓
衣類や革製品にも使える防水スプレー
防水スプレーを選ぶ際は、使用する素材に合わせて選ぶことが大切です。
雨漏りには雨漏り補修用、衣服には布地用、革靴には皮革用、 ゴアテックスには防水透湿生地用の防水スプレーを使う必要があります。
また、撥水効果をもたらすコーティングによっては、素材の風合いが変わってしまう可能性があります。
もし心配な方は、防水スプレーを全体に吹きかける前に、目立たない場所で試してみてください。
靴などに使用する際は、速乾性の高いものや効果持続時間が長いものがおすすめです。
雨漏り補修後のメンテナンス
雨漏り補修が完了した後も、定期的なメンテナンスが必要です。これにより、再発防止や早期発見が可能となり、結果的に長期的なコスト削減につながります。以下に、雨漏り補修後のメンテナンスで重要なポイントをいくつか紹介します。
- 定期的な点検: 雨漏り補修後も、屋根や外壁の点検を定期的に行いましょう。特に、梅雨や台風シーズン前にはチェックを怠らないようにしてください。また、強風や豪雨があった場合も、損傷がないか確認することが重要です。
- 清掃: 屋根や外壁に溜まった汚れや葉っぱなどのゴミは、水が流れる際に詰まりを引き起こし、雨漏りの原因になることがあります。定期的に清掃を行い、屋根や外壁の状態を良好に保ちましょう。
- コーキングの点検: コーキングは経年劣化するため、定期的に点検し、必要に応じて補修を行うことが重要です。特に、亀裂や剥がれが見られる場合は速やかに対処しましょう。
- 雨どいのメンテナンス: 雨どいの詰まりや破損も、雨漏りの原因になることがあります。定期的に雨どいの点検と清掃を行い、適切な排水が確保できるようにしましょう。
- 適切な通気性の確保: 屋根裏や外壁内部の湿気がこもると、結露が発生し、木材や断熱材の劣化が進むことがあります。適切な通気性を確保することで、結露による雨漏りを防止することができます。
- 業者への相談: 定期的な点検やメンテナンスが難しい場合や、不安がある場合は、専門業者に相談しましょう。業者による定期的な点検やメンテナンスも、長期的な安心につながります。また、プロの目による点検は、自分では気づかない問題や損傷も見つけられることがあります。
- 適切な保険の検討: 自宅の保険に雨漏り補修がカバーされているか確認しましょう。もしカバーされていない場合は、適切な保険を検討することで、万が一の雨漏りに対処する際の負担を軽減できます。
- 住人自身の意識向上: 居住者自身が雨漏りに対する意識を高め、異変をいち早く察知できるようにすることも大切です。例えば、天井や壁にできたシミや湿気の発生など、雨漏りの兆候を把握し、早期対処できるように心がけましょう。
以上のように、雨漏り補修後のメンテナンスは、再発防止や早期発見に役立ちます。定期的な点検や清掃、通気性の確保、専門業者との連携など、様々な手段を組み合わせて実施することで、住まいの快適さを維持し、雨漏りから自宅を守ることができます。
雨漏り補修スプレーについてのまとめ
雨漏り補修スプレーを使用することで、表面をコーティングし、一時的に雨漏りを止めることができます。
ただし、あくまで一時的な応急処置であるため、時間の経過と共にその効力は無くなっていきます。
ですので補修スプレーを行った後も、そのままにはせずしっかりと専門業者に見てもらう必要があります。
また、補修スプレーには様々な種類があるため用途などによっても選ぶ補修スプレーは変わってきますので注意が必要です。
雨漏り補修スプレー以外にも雨漏りの応急処置方法は、多数ありますのでご自身に合う方法で行いましょう。
一番確実に雨漏りを直すのであれば、素直に専門の業者に雨漏り調査を依頼し、原因箇所を発見してから修理してもらうのがいいでしょう。
こんにちは
屋根雨漏りのお医者さん栃木県担当の臼井です。
弊社は、雨漏り修理専門のプロ集団で構成された会社です。
私自身は、一級建築士・基幹技能士・一級建築板金技能士など数多くの資格を保有して活動しております。
総合実績11万件以上で皆様の知る建物を数多く修繕してきました。