軒ゼロ住宅での雨漏り!ゼロキューブ型住宅など軒なしは雨漏りリスクが高い!?原因と対策を解説

ゼロキューブ 雨漏り

ゼロキューブ型住宅はおしゃれな外観から人気がある形の住宅です。
新築を建てる時、外観や機能性ばかり注目してしまい、雨漏りのリスクについて考える方はあまりいません。
今回は、そんな人気の型ゼロキューブ住宅について解説していきます。

雨漏り修理の専門家
雨漏り修理
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目次

屋根と軒の雨漏りの主な発生箇所とは?

住宅の雨漏りは、主に屋根や軒といった部分から発生します。これらは外部環境に直接さらされているため、雨水の影響を最も受けやすい箇所と言えます。

屋根の雨漏り

屋根は一年を通して様々な気象条件に曝されるため、材質や施工の不備により雨漏りが生じやすい箇所です。屋根材が劣化し割れてしまったり、風で屋根材がずれてしまったりすると、そこから雨水が侵入してしまいます。また、雨漏りの多くは屋根と壁の接合部や、屋根の穴や亀裂から発生します。

軒の雨漏り

一方、軒からの雨漏りは、特に風向きと風速、そして雨量に依存します。軒が住宅の壁から十分に突き出ていない場合や、軒ゼロの住宅では、風によって雨水が直接外壁に吹き付けられ、窓や壁から雨漏りを引き起こす可能性があります。特に、激しい風と雨が同時に発生する天候下では、雨水が直接壁に当たりやすくなります。

これらの理由から、雨漏りの予防には適切な屋根材の選択や、屋根と壁の接合部のしっかりとした防水処理、そして軒の設置や設計などが重要となります。また、定期的な点検やメンテナンスを行い、早期に雨漏りの兆候を発見・修復することも大切です。

軒ゼロ住宅とは?

軒ゼロ住宅とは、文字通り「軒」がない、または軒の出が非常に少ない住宅のことを指します。軒とは、屋根が壁面より外側に張り出している部分を言い、雨水が壁面を直接流れ落ちないようにしたり、夏の強い日差しを遮る役割があります。しかし、軒ゼロ住宅ではこれを極限まで減らすか、まったく設けないことで、建築物のシンプルな外観を追求しています。

軒ゼロ住宅の特徴は以下の通りです。

  • 外観のシンプルさとモダンさ: 軒を設けないことで、建物の外観が非常にシンプルでスタイリッシュになります。これは、現代建築におけるミニマリズムの美学を反映している場合が多いです。
  • 機能性への挑戦: 軒がないことで生じる雨水の直接流れ落ちや、夏季の日差しの直射などの問題を、建築設計の工夫により克服します。例えば、外壁材の選定や、窓の配置とサイズ、雨水排水システムの工夫などが挙げられます。
  • エネルギー効率の考慮: 軒ゼロ住宅では、夏季の冷房負荷増加を防ぐための設計が重要になります。遮熱材の利用、断熱性能の高い窓の選択、自然換気の促進など、エネルギー効率の良い住宅設計が求められます。

このような軒ゼロ住宅は、デザイン性を重視する一方で、環境への配慮や住み心地の良さを実現するために、建築家や設計者の高度な技術と工夫が必要とされます。また、地域の気候条件や敷地の特性を考慮した設計が行われることが一般的です。

軒ゼロ住宅での雨漏りとは?

軒ゼロ雨漏りとは、屋根と外壁の構造が密接に連携し、雨漏りの発生リスクを低減させる住宅設計の一つです。
軒ゼロとは、軒(屋根のはしごたつ部分)が短く、外壁にほぼ隣接している状態を指します。
このような設計は、近年の都市型住宅やデザイン性の高い住宅でよく見られますが、雨漏りのリスクが高まる場合があります。
軒ゼロ雨漏り対策は、適切な屋根材や外壁材の選択、施工方法、メンテナンスなどを通じて、雨漏りリスクを最小限に抑えることを目指します。

住宅建物における軒と雨漏りの関係

軒は、住宅建物の屋根が外壁から突き出した部分を指します。この軒が果たす役割は非常に重要で、雨漏りの発生リスクを低減させることがその主な目的です。

軒の役割と構造

軒の主な役割は、屋根からの雨水を建物から遠ざけることです。これにより、外壁や窓枠に雨水が直接かかることを防ぎ、雨漏りのリスクを低減します。また、軒は夏場に日射しを遮る役割も果たし、室内の温度上昇を抑える効果もあります。

雨漏りの発生リスク

軒が短い場合や軒がない住宅では、雨水が容易に外壁に到達し、雨漏りのリスクが高まります。特に、強風や横殴りの雨が発生する場合、雨水が外壁や窓枠に侵入しやすくなり、結果的に雨漏りが発生する可能性が高くなります。

屋根と外壁の関係

屋根と外壁は、住宅建物を雨水から守る最も重要な要素です。雨漏りは、屋根や外壁の防水性能が低下することで発生します。そのため、軒の長さや形状によって、屋根と外壁の防水性能に影響が出ることがあります。適切な軒の設計と施工により、雨漏りリスクを軽減することができます。

軒の長さや形状を適切に設計し、施工することで、住宅建物における軒と雨漏りの関係を最適化し、雨漏りのリスクを最小限に抑えることが可能です。これにより、住宅の快適性や耐久性が向上し、長期的に住宅の維持費用も抑えることができます。

軒ゼロ住宅での雨漏り対策

軒ゼロ住宅での雨漏り対策は、特に重要な課題です。
軒がない、または軒の出が少ない建物では、雨水が直接壁面や窓にかかりやすく、その結果として雨漏りのリスクが高まる可能性があります。
雨漏りを防ぐためには、設計段階から様々な対策を講じる必要があります。
ここでは、軒ゼロ住宅での雨漏り対策についていくつかのポイントを紹介します。

1. 壁面の防水処理

  • 高品質の防水材の使用: 壁面や基礎部分には、高品質の防水材を使用して、水の浸入を防ぎます。これには、透湿性がありながら防水性能の高い材料を選定することが重要です。
  • シームレスな外壁材: 継ぎ目が少ないシームレスな外壁材を使用することで、水の浸入ポイントを減らすことができます。

2. 窓と開口部の細かな設計

  • 窓の上部に小さな軒やオーバーハングを設ける: すべての軒を排除するわけではなく、窓や開口部の上部だけに小さな軒やオーバーハングを設けることで、直接雨水が窓に当たるのを防ぎます。
  • 高性能な窓: 水の侵入を防ぐために、シーリングがしっかりと施された高性能な窓を選択します。

3. 雨水排水システムの強化

  • 効率的な雨水排水システム: 屋根からの雨水を迅速に排水するための効率的なシステムが必要です。これには、大きめの雨樋や、雨水を迅速に地面に導くための排水路が含まれます。
  • 地面の勾配と排水: 敷地内での水の流れを考慮し、建物周囲を適切な勾配に保ち、雨水が建物基礎に溜まらないようにするための排水計画を立てます。

4. 綿密な設計と施工管理

  • 詳細な設計: 防水層の接続部や窓周りなど、細部にわたる詳細な設計が必要です。設計段階での念入りな検討が、後のトラブルを防ぎます。
  • 施工管理の徹底: 施工時の細部にわたる管理と検査を徹底し、設計通りに防水処理が施されているかを確認します。

軒ゼロ住宅では、これらの対策を講じることによって、雨漏りのリスクを大幅に減らすことが可能です。
設計段階から施工、完成後のメンテナンスに至るまで、一貫した注意と配慮が求められます。

ゼロキューブ型住宅の雨漏り

外壁材として人気がある「ゼロキューブ」ですが、時には雨漏りの原因となってしまうことがあります。

雨漏りの原因として考えられるのは、施工不良や老朽化です。ゼロキューブは通気性が高いため、内部に湿気がこもることがなく、雨漏りの発生率は低いとされています。しかし、適切な施工が行われていなかったり、長期間にわたり経年劣化が進んでいた場合には、雨漏りが発生する可能性があります。

雨漏りを未然に防ぐためには、定期的なメンテナンスが必要です。具体的には、外壁の塗り替えやコーキングの補修、目地の清掃などが挙げられます。また、雨漏りが発生した場合には、早急に対処することが重要です。放置すると、家屋全体が劣化し、大きな修理費用が必要になることもあります。

ゼロキューブ型住宅の特徴

ゼロキューブ 雨漏り

キューブ型の家(箱型住宅や軒ゼロ住宅、キューブハウスなどとも呼ばれています。)には明確な定義がありませんが、一般的には軒の無いボックスタイプの家の事をそう呼んでいます。

軒があったとしてもほんのちょっと軒が出ている(10~20cm)程度でありますので、この記事ではキューブ型の家 = 軒の(ほぼ)無いボックスタイプの住宅と定義してデメリットやメリットなどを記載していきます。

ゼロキューブ型住宅の雨漏りを修理するには?

ゼロキューブの雨漏りを修理する場合には、まず原因を特定することが必要です。雨漏りの原因となる箇所を特定するためには、雨漏り修理業者に相談することがおすすめです。
一般的な修理方法としては、補修や部分的な張り替えが挙げられます。しかし、原因が深刻な場合には、全体的な張り替えが必要になることもあります。
ゼロキューブの施工には、専門知識が必要なため、信頼できる業者に依頼することが重要です。

ゼロキューブ型住宅は雨漏りのリスクが高い?

ゼロキューブ 雨漏り

結論から言いますと、キューブ型の家は雨漏りのリスクは高いです。
理由としては、屋根の傾斜がゆるく、陸屋根を採用している場合が多いため水が溜まりやすく、尚且つ雨仕舞いが全然ないため雨漏りのリスクが高まります。
また、外壁等の劣化をそのままに放置をしておくとそこから雨漏りを起こす危険性が高まります。

ただし最近は外壁・シーリング・防水シートの質が向上しているので昔に比べると雨漏りのリスクは減ってきています。

雨漏りのリスクを減らすには屋根の形状はシンプルな形の方が雨漏りのリスクは低いです。
これは単純な理由で、複雑な形状の屋根の方が凹凸ができやすくそこに雨水が溜まったり、雨捌けが悪くなったりする可能性が高いからです。

ゼロキューブ型住宅で雨漏りのリスクを低くするには?

雨漏り パラペット

ゼロキューブ型住宅で雨漏りのリスクを低くするには、屋根を片流れの屋根にすることです。
四方囲まれている屋根の一辺のパラペットをカットし傾斜をつけ、傾斜している側に雨どいをつけることで排水が整います。

この形であれば屋根に雨水が溜まってしまう危険性は陸屋根よりも低いですし、見た目もパラペットのおかげでキューブ型を保っているので外観を損ねる事もありません。

ただ雨どいを付ける側にはパラペットが無いので、その方向から見た時は完全なキューブ型ではない事は分かってしまいます。

シーリングの補修と塗装、防水シートの確認が大切

雨漏り サイディング

外壁からの雨漏りを防ぐには、外壁材とその内側にある防水シートの2点が重要になってきます。
ですので、定期的にサイディングのシーリングや塗装メンテナンスを行い、古くなってきている場合には透湿防水シートの補修も考えましょう。
金属サイディングの場合、劣化が進むと防水性が失われ内部に雨水の侵入を許してしまいます。
ですので、金属系サイディングの場合であれば10年目安位で塗装をし直した方がよいです。シーリングは5年~10年を目途に補填・打ち替えを行いましょう。

ゼロキューブ型住宅のデメリット

ゼロキューブ型住宅では、外壁やシーリングが劣化しやすいです。

ゼロキューブ型の家では軒がほぼ無いか全く無いので直射日光、風雨が外壁に直撃します。
絶えずそのような状態になっているので軒のある家と比べると、どうしても外壁やシーリングが劣化しやすくなります。

寒冷地では凍害により更に劣化を早めます。

ゼロキューブ型住宅のメリット

凹凸の無いキューブ型の家は室内にデッドスペースが生まれません。屋根裏のスペースも無いので2階も1階と同じだけの面積を確保出来ます。

居住スペースを広く使える事でゆとりある間取りの作成が可能となっています。

また、複雑な形状をしている家と比べると簡単に建てる事が出来るので大工さんの数は少なくて済みます。工期も短くて済みますので人件費を抑える事が出来ます。

凹凸の無い事で外壁面積を最小にする事が出来たり、無駄を省いたシンプルなデザインのおかげで建材費なども抑える事が可能です。

ベースとなる建築費を安く抑える事が出来るので外壁材のグレードUPや住宅設備等にお金をかける余裕が生まれやすいです。

さらに、キューブ型の家は四角く建築構造がシンプルで柱や梁の繋ぎ目も少ないので耐震性、気密性が高くなります。また凹凸が無い事で外壁面積を減らす事が出来るので外気温の影響を受けづらくなり断熱性を高めやすいです。

雨漏りしやすい家の構造についてはこちらの記事で詳しく解説しています。↓

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軒がない住宅での雨漏りを防ぐ方法とは?

軒がない住宅での雨漏りを防ぐ方法としては、屋根に透水性のある防水シートを施工することが有効です。また、壁面には適切な防水材料を施工することが必要です。さらに、屋根や壁面のメンテナンスを定期的に行い、屋根や壁面の状態を定期的にチェックすることが大切です。また、風雨が強い時や大雨が予想される時には、窓やドアなどからの水漏れにも注意が必要です。さらに、軒のない住宅での屋外での作業は危険ですので、必ず専門業者に依頼しましょう。

ゼロキューブ住宅の結露対策について

窓サッシからの雨漏り ペアガラス

冬場など、窓ガラスの結露が気になる方は、ペアガラスにすることでガラスやサッシにできる結露を防いでくれます。

ペアガラスとはガラスが二重になっている構造で「複層ガラス」とも呼ばれます。
通常の1枚のガラスだけでは、雨風を凌ぐ役割しかありませんが、ガラスを2枚にすることで断熱性能や遮熱性能をアップさせることが可能です。

ペアガラスは室内側のガラスと室外側のガラスの間に空気の層があるため、室内と室外の温度差が小さくなり、結露を防止します。

窓の結露はカビの原因にもなるため、窓の結露で困っている方はペアガラスを検討してみましょう。

結露についてはこちらの記事で詳しく解説しています。↓

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スカイバルコニーの雨漏りで後悔しないように

ゼロキューブ 雨漏り スカイバルコニー

戸建てを新築するなら「屋上のある家」の間取りに憧れる、という方もいると思います。
ゼロキューブ型の住宅に多い屋上のスカイバルコニーやルーフバルコニーは、ガーデニングや家事、アウトドアリビングなど様々な使い方ができ暮らしを豊かにしてくれます。
ですが、その反面、雨漏りしやすく安易に選んでしまうと後悔してしまう場合もあるのです。
スカイバルコニーの屋上は、表面をウレタンやFRP(繊維強化プラスチック)による塗膜で防水することが多く、5~10年ごとに、防水塗膜の塗り替えなどのメンテナンスも必要です。
ですので、ウレタン防水やFRP防水のメンテナンス費用4000~10000円/㎡の相場をあらかじめ頭に入れておきましょう。

ゼロキューブ住宅では強風の影響を受けやすい

ゼロキューブ 雨漏り

ゼロキューブの問題の1つに強風の影響を受けやすいという問題があります。
ゼロキューブ型住宅は真四角であるため、玄関の外側には何も風を防ぐものがないことが多いです。
そのため、玄関の扉が勢いよく壁にぶつかるなど強風の影響をもろに受けてしまいます。
ですので、強風で思いっきり開いて壁に激突し、壁や扉が傷ついてしまったり、急に扉が締まって指などを挟んだりするので注意が必要です。

ゼロキューブ型住宅の雨漏りについて軒なし住宅のまとめ

雨漏りのまとめ

キューブ型の家はコストを抑えつつも耐震性や気密・断熱性を高めやすくデザインも格好良い!と人気の高い理由がわかるメリットが複数ありますが、反面デメリットも存在しています。

実際に住むとなった時にそのデメリットが我慢出来るのか、デメリットを軽減するための対策にかかるコストはどの位になるのか。等、より具体的に確認をしておく必要があります。

また、軒がない住宅での雨漏りについて、原因としては屋根や壁面の劣化や傷み、窓やドアの閉め忘れなどが挙げられ、対策としては防水材料の定期的な補修や塗装、強風や大雨が予想される場合の対策、換気の行い、早期の対処が必要です。
さらに、軒がない住宅での雨漏りを防ぐためには軒の設置や雨除けの施工、屋根材の交換、排水溝の設置、断熱材の設置などの対策がありますが、予算や施工可能な条件を考慮して適切な対策を行う必要があります。

栃木県の雨漏り修理の臼井進

こんにちは
屋根雨漏りのお医者さん栃木県担当の臼井です。
弊社は、雨漏り修理専門のプロ集団で構成された会社です。
私自身は、一級建築士・基幹技能士・一級建築板金技能士など数多くの資格を保有して活動しております。
総合実績11万件以上で皆様の知る建物を数多く修繕してきました。


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