日本という国は、地震大国とも呼ばれ、頻繁に地震の発生が起こる国です。
大きな地震がいつ起こるか分からないこともあり、日ごろから地震にそなえている方も多いのではないでしょうか?
ですが、地震によって雨漏りの被害を受けたとき、どう対処して良いのか分かる方や対策をしている方は少ないのではないでしょうか?
あらかじめ地震で雨漏りが起きる原因や対策方法を知っていれば落ち着いて対処することができます。
この記事では、地震による雨漏り被害の原因や対策方法についてご紹介致しますので参考にしてみてください。
地震による雨漏りの原因は?
地震で雨漏りが発生した場合、考えられる原因は、瓦の落下、外壁のひび割れ、雨仕舞いの故障が一般的です。
屋根の瓦は本来、家を雨から守るためのものです。その瓦が地震の影響でずれてしまったり屋根から外れてしまったりした場合に、その部分から雨水が入りこんで雨漏りしてしまうことがあります。
また、地震の衝撃で外壁にひびが入り、そこから雨漏りしてしまうパターンがあります。
そして、雨仕舞(あまじまい)とは、雨水が家の中に入らないよう雨樋や地面に流すしくみのことをいい、地震によって、この雨仕舞が故障することで雨水がうまく流れず室内に侵入し雨漏りすることがあります。
地震による雨漏り被害で多いのが瓦屋根です
瓦屋根は一枚一枚設置しているため、地震によってズレたり、落下したりします。
瓦屋根は重く、他のスレート屋根やガルバリウム の屋根に比べて重さが10倍ほどあります。
なので瓦屋根は耐震性に不安がある屋根材でもあります。
また、地震により漆喰が崩れたり、外壁にひび割れが起きたり、雨仕舞いが破損するなどでも雨漏りは発生します。
瓦屋根からの雨漏りについてはこちらの記事で詳しく解説しています。↓
瓦屋根は軽い屋根に葺き替えた方がいいのか?
瓦屋根を軽い屋根材に葺き替えるかどうかは、建物の状態、地域の気候、予算、および個人の好みによって異なります。以下は、瓦屋根から軽い屋根材に葺き替えることを検討する際の主なポイントです:
瓦屋根の利点
- 耐久性:瓦屋根は非常に長持ちし、耐候性があります。
- 耐火性:瓦は非常に耐火性が高いため、火災のリスクが低減します。
- 美観:瓦屋根は伝統的な美しさを持ち、多くの建築スタイルにマッチします。
軽い屋根材の利点
- 重量:軽量であるため、建物にかかる負担が少なく、地震などの自然災害時のリスクを低減する可能性があります。
- 設置とメンテナンス:軽い屋根材は取り扱いや設置が容易で、メンテナンスも比較的簡単です。
- エネルギー効率:一部の軽い屋根材は、熱の反射率が高いため、冷暖房の効率を向上させることができます。
考慮すべき要因
- 構造的要件:建物の構造が重い瓦屋根を支えるように設計されている場合、軽い屋根に葺き替えると、構造的なバランスが変わる可能性があります。
- 費用:葺き替えには初期投資が必要です。長期的なメンテナンスコストや耐久性を考慮すると、瓦屋根の方がコスト効率が良い場合があります。
- 地域の気候:瓦屋根は雨量が多い地域や温暖な気候に適していますが、軽い屋根材は風や雪によるダメージに弱い場合があります。
結局のところ、瓦屋根を軽い屋根材に葺き替えるかどうかは、上記の要因を総合的に考慮し、建築専門家や屋根業者と相談することが重要です。彼らは建物の現状や地域の条件に基づいた最適なアドバイスを提供できるでしょう。
地震による雨漏りは火災保険が適応できるのか?
地震により雨漏りが発生した際に、まず気になるのが火災保険の適応です。
では一体、地震によって雨漏りが発生した際、火災保険は適応できるのでしょうか?
結論から言うと、火災保険を使用して雨漏りの修理費用を補うことは可能です。
ただし、地震による被害規模が大きい場合には保険会社では手に負えないため適用できなくなります。
そのような大規模な地震の被害にあった場合に「地震保険」と言う保険があります。
地震保険に加入している場合には、地震・津波・噴火などの被害を受けた際に補償を受けることができます。
ただし、地震保険の保険金額は火災保険金額の30~50%までしか設定できないため、一部損壊なら保険金額の5%しか支払われないなど被害状況に応じての制約も厳しいです。
もし、地震による雨漏りで地震保険の適用がされたとしても、修理費用全額を補うことはまず不可能だと考えてください。
あくまで保険金額はサポート程度であると思っておくといいかもしれません。
地震保険とは
地震保険とは、火災保険では適用されない地震などが原因で建物や家財が損害を負ったときに補償を受けられる保険のことです。
地震保険の補償対象は、地震以外にも、噴火、津波などの被害にも対応しています。
地震保険は火災保険とセット?
地震保険は地震保険法という法律によって、セットで加入することが定められているため、火災保険とセットでないと加入することが出来ません。
火災保険のみ加入している場合は、地震保険は適用されないので注意が必要です。
地震はいつ起こるのか分からず、被害がどの程度になるのかも予想がつきません。そんな地震被害の補償を各保険会社が単独で行うのは非常に難しいため、日本政府が地震保険の責任の一部を担いバックアップしているのです。
火災保険についてはこちらの記事で詳しく解説しています。↓
地震による外壁のひび割れも補償対象
モルタルやサイディングの壁などでは地震による外壁のひび割れが発生することがあります。
地震保険に入っていれば、雨漏りが起こっていなかったとしてもいくつかの条件をクリアすると保険金の5%が支払われることになります。
保険金を受け取るための条件としては2つ「主要構造部の被害が住宅価格の3%以上20%未満であること」と「地震から9日以内の被害であること」が条件として挙げられます。
特にひび割れの発生が10日を過ぎると地震との因果関係が薄いと断定されるため、地震が原因でひび割れが発生した場合は10日以内に保険会社へ連絡しましょう。
地震による雨漏りが起きた際の対処法
地震が原因で雨漏りが起きた場合は、すぐに地震保険を付帯している火災保険会社に、地震で雨漏りが発生した旨を伝えましょう。
保険金額請求の際には見積書や被災箇所の写真なども必要となってきますので、保険会社へ連絡後は修理業者を探すことも大事です。
その際、見積書および屋根の被災部分の写真などを業者に用意してもらう必要があるためあらかじめ伝えておきましょう。クロスのシミなど、室内の雨漏り被害状況の写真に関してはご自身で撮影しておくことが大事です。
経年劣化の雨漏りは地震保険適応外
雨漏りが発生していても、原因が「自然災害ではない」と判断された場合、保険が適用されません。
経年劣化とは、時間とともに屋根や壁などが少しずつ劣化・老朽化することで、例えば、コーキングの縮み・劣化、木材や金属部分の腐食やサビなどが原因で引き起きた場合です。
また、「原因不明の雨漏り」も経年劣化と見なされるため、保険を使う際にはしっかりと被害の原因を特定することが重要です。
地震によって雨漏りが発生しやすい箇所
地震によって雨漏りが起こりやすい箇所は、屋根と外壁からが多いです。屋根材や板金部分など、ズレたり、ヒビが入ったりすることで雨漏りにつながります。
築年数が経っていると、至る所が劣化しているため、少しの地震でも雨漏りの原因になってしまうことがありますので、日々のメンテナンスは大切です。
雨漏りが起きた際の応急処置方法
雨漏りが発生した際、雨漏り修理業者に依頼をする前に行うべきことがあります。
それは雨漏りの応急処置です。
そのままにしてしまうと被害が広がってしまうため、ご自身で簡単にできる応急処置を施す必要があります。
いくつか簡単にできる雨漏りの応急処置方法をご紹介いたします。
①雨漏りをバケツで受け止める方法
天井から雨水が落ちてきている場合、バケツなどの彫りが深い受け皿でキャッチするのが一番簡単で誰でもできる応急処置方法になります。
雨漏りしている箇所の真下にバケツを置き、水が飛び散っても大丈夫なようにビニールシートを敷きます。
準備はこれだけです。
あとは、バケツの中に雑巾などのタオルを引いておけばバケツから水が飛び散るのを抑えることができます。
[準備するもの]
・バケツやボウルなどの水受け
・雑巾やタオル
・ブルーシートや、ゴミ袋
[手順]
1.雨漏りしている箇所の下に、バケツを置き、その下にゴミ袋を敷く
2.バケツの中に雑巾やタオルを敷く
3.その後、バケツに水が溜まってきたら水をこまめに捨てる
手順は以上になります。
②紙オムツを敷いて雨漏り被害を抑える
ご自宅に大人用でも子供用でも、紙オムツがある場合には、バケツの代わりになります。
使用方法は簡単で紙オムツを床に広げて置いて置くだけです。
バケツと違い、雨水が滴る音が気になりません。
最近の紙オムツの吸水性は凄いので、ポタポタ垂れている程度であればしっかりキャッチできます。
ただし、水を吸ったオムツはかなり重いのでしっかりと貼り付けるようにしてください。
[準備するもの]
・紙オムツ
・ブルーシートや、ゴミ袋
[手順]
1.雨漏りしている箇所の下に、紙オムツを置き、その下にゴミ袋を敷く
3.雨水を吸収できないぐらい吸い込んだら、新しいものに取り替える
手順は以上になります。
紙オムツの吸収性は非常に高いため、雨漏りの状況にもよりますが、丸一日経っても全然吸収してくれます。
③壁や窓から雨漏りしている場合
壁際や窓枠・サッシの周辺から雨漏りしている場合には、雑巾などの要らなくなったタオルを使用して濡れている箇所を拭き取ります。
[準備するもの]
・要らなくなったタオルや雑巾
[手順]
・まずは、壁際や窓周辺に置いてある物を濡れてしまわない場所まで移動させましょう。
その時、カーテンも忘れず外すことが大事です。
カーテンはカビが生えやすいため濡らさないようにしましょう。
準備が終わったら、濡れている箇所に雑巾やタオルをあてます。
イメージとしては、水を吸収するイメージです。
あとは、こまめにタオルを取り変えるだけの簡単な方法になります。
応急処置についてはこちらの記事で詳しく解説しています。↓
地震による雨漏りまとめ
地震大国の日本では、地震によって雨漏りが引き起こることもあります。
地震が起きた際は、しっかりと応急処置を行い、被害が拡大するのを防ぎましょう。
また、雨漏り修理には火災保険が適応できる場合があります。
大規模な地震による破損では適応できないですが、その場合には地震保険というものがありますので加入している方は確認してみましょう。
その後、しっかりと信頼できる雨漏り修理業者に依頼するのが望ましいです。