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瓦屋根の雨漏りの原因は瓦じゃない? 意外と知らない瓦屋根の構造と雨漏りの原因とは

「瓦屋根が雨漏り」と聞くと、瓦がズレたり割れたりしたことで雨漏りしたのでは?と思う方がほとんどだと思います。
確かに、瓦のズレや割れが原因で雨漏りをすることもありますが、実はそれよりも多いのが瓦の下の防水紙の劣化や、土の流出などです。
「急にそんなこと言われてもわかんないよ」「瓦の下の土?」「防水紙ってなに?」
と疑問が次々に湧いてきたと思いますので、瓦屋根の構造を説明しながら、雨漏りの原因を検証していきたいと思います。
瓦屋根の家が雨漏りしている人、古い瓦屋根の家に住んでいる人は必見です。

1.瓦の下ってどうなってるの?瓦屋根の構造とは

屋根といえば、「瓦が雨の侵入を防いでる」と思ってる人が多いのですが、実は雨漏りから家を守っているのは瓦だけではありません。
瓦の下にある防水紙が瓦と共に、雨水に侵入を防いでいるのです。

・最近の屋根の構造(引掛け桟瓦葺き工法)

瓦屋根は、野地板、防水紙(アスファルトルーフィングなど)、瓦」の順番で施工されています。
瓦は、完全に防水紙に密着している訳ではないので、横殴りの暴風雨の時やゲリラ豪雨のような激しい大雨の際には、少しずつですが瓦の下に雨水が侵入します。
しかし、瓦の下には高性能の防水紙が張り巡らされているので、ちょっとやそっと水が入ったくらいでは雨漏りせず、排水されていくのです。
「防水紙」と聞くと頼りなさげな紙を想像しますが紙とは名ばかりの、とても頼りになる防水シートです。
アスファルトルーフィングなどと呼ばれるもので、フェルト状の丈夫な紙にアスファルトをしみ込ませたものです。
アスファルトルーフィングよりもさらに高性能な改質アスファルトルーフィングも存在します。
これが、瓦屋根の下で家を守ってくれているのです。

・40年以上前の屋根の構造(土葺き工法)

それでは、昔の屋根はどのような構造だったのでしょうか。
昔の屋根の造りは、「土葺き工法」と呼ばれるものが主流でした。
昔の瓦屋根の瓦の下には、防水シートではなく土が敷き詰められていたのです。
土には、瓦を固定するだけではなく、雨水を吸って雨漏りを防ぐ働きがありました。
さらにその下には杉の板が敷いてあり、土から染み出てきた雨水の侵入をブロックする働きがあります。

2.瓦屋根の雨漏りの原因と対策

瓦屋根の構造がわかったところで、瓦屋根の雨漏りの原因と対策を確認してみましょう。

■瓦のズレや割れ

単純に瓦がズレたり割れたりした、その下の防水構造が侵食されて、雨漏りが発生します。
この場合、ズレたり割れたりした瓦を元通りにするだけではなく、その下の浸食箇所も補修しなければなりません。
ズレや割れが長年放置されて、屋根全体が侵食されている場合はいったん瓦を全て取り除き、野地板やアスファルトルーフィングなどを全て交換することもあります。

■土の減少による雨水の流入

昔ながらの土葺き工法は、瓦の下に大量の土が敷かれていて、それが雨水の侵入をブロックしてくれます。
しかし、単なる土なので長年の雨や風により少しずつ土が流出して痩せていくんですね。
そうすると、段々と雨水が土の下の杉板に到達することが増えてきて、段々と杉板も腐食し、雨漏りに至ってしまいます。
定期的にメンテナンスをしていればよいのですが、建ててからほったらかしという瓦屋根の多くが、土不足状態でいつ雨漏りしてもおかしくない状態になっていることが多いです。
築年数が経過していて、長年メンテナンスをしていない場合、一度瓦を取り外して土をすべて取り除き、野地板を補修して防水紙を敷き、もう一度瓦を載せることで、雨漏りを完璧にブロックできます。

■漆喰の剥がれ

昔ながらの瓦ぶき屋根の棟と瓦の隙間には「漆喰」が詰め込まれていて雨水の侵入を防いでいます。
ところが、雨や風で漆喰が割れたり剥がれたりすると、雨水が漆喰の下に入っている土に侵入してしまい、あっという間に土が流れ出て棟が湾曲していくのです。
漆喰が割れたり剥がれたりしたことで、雨漏りした場合は、劣化した漆喰を取り除いて新しい漆喰を詰め直さなければなりません。
棟の変形が酷く瓦が割れている場合はその部分だけ瓦を交換します。

■防水紙の劣化による雨水の流入

1981年以降建築された瓦屋根の家は、土葺き工法ではなく、引掛け桟瓦葺き工法で施工されていることが多いので防水紙が施工されており雨漏りしにくいと言われていますが、アスファルトルーフィングなどの防水紙は、永久に使えるものではありません。
少しずつ侵入した雨水による劣化は避けられず、放置しておくと腐食が進み雨漏りに至ります。
平均的な耐用年数は15年から20年なので、建築から15年を目途に防水紙の葺き替えを検討しましょう。
防水紙の状態は瓦の上から確認することができないので、瓦をはがして確認することになります。

■各板金部分の劣化

瓦葺屋根には金属は使われていない、と思うかもしれませんが屋根の棟と棟の間や、壁と屋根の間に板金が取り付けられています。
ステンレスや銅などの比較的劣化が少ない金属が使用されていますが、まれに錆で穴が空くこともあるのです。
その場合は、新しい板金に取り替えることで、雨漏りを防ぐことができます。

■機能性度外視の外観重視住宅

最近は、新築して間もないのに瓦屋根が雨漏りする事例が増えています。
その理由の多くを占めるのが、「雨漏りしやすい屋根の形状の増加」や「勾配不足」「軒ゼロ住宅」など、外観を重視した設計によるものです。
これら外観の全ての屋根が雨漏りする訳ではありませんが、ちょっとした施工ミスで雨漏りするリスクが高まるので、注意しなければなりません。

・複雑な屋根は雨漏りしやすい

瓦屋根に限ったことではありませんが、基本的に屋根の形状はシンプルであればあるほど雨漏りリスクが低下します。
「取り合い」と呼ばれる接合部分が少ないからです。
屋根の形状で一番雨漏りリスクが少ないのが「切妻屋根」その次が「寄棟屋根」です。
「入母屋屋根」や「しころ屋根」「越屋根」や、切妻屋根が複数組み合わせられている形状なども、取り合い部が増えるため雨漏りリスクが高まります。

・軒ゼロ住宅は雨漏り黄色信号

片流れ屋根は形はシンプルですが、デザインを重視して軒がほぼないことが多いため外壁からの雨漏りリスクが増大します。
軒がないデザインの家は切妻屋根や寄棟屋根でも、外壁からの雨漏りリスクが高くなります。
陸屋根(平坦な屋根)は、雨水が屋根から流れづらいだけでなく、軒がないため雨漏りリスクは一番高い屋根です。
軒が90cm出ていれば、窓や軒下といった雨水が侵入しやすい箇所に直接雨が吹き込むことが激減しますので、最低でも90cmの軒が欲しいものです。
また、全ての屋根形状に言えることですが屋根の緩やかすぎると雨水の滞在時間が延びるため、雨漏りが増えます。

このように、新築時の設計ミスによる雨漏りの原因は、デザイン重視の「軒ゼロ住宅」「緩勾配屋根」「複雑な屋根の形状」「陸屋根」などです。
すでに該当する家を建ててしまった場合は、通常以上に屋根からの雨漏りに注意しましょう。

■施工ミス

築年数がそれほど経過していないのに雨漏りをした場合、設計ミスと共に施工ミスを疑わなければなりません。
屋根の施工ミスで多いのは、防水紙施工手順の誤りや、天窓周りの防水手順の誤りなどです。
ミスによる雨漏りは、原因を突き止めるまでに時間がかかりますのでプロによる点検が欠かせません。

■雨樋の詰まり

意外と見落とされがちなのが雨樋の詰まりです。
雨樋に、落ち葉やゴミ、砂などが堆積すると排水能力がおちてしまい、あふれた水が外壁から壁の中に侵入することがあります。
雨樋のつまりを解消することで、雨漏りを防ぐことができますので、雨樋は定期的に掃除をしましょう。
特に山の近くに住んでいる場合は庭木が多い場合は要注意です。

まとめ

一口に瓦屋根の雨漏りと言っても、覚えられないほど沢山原因がありましたね。
実際にはこれらの原因が複数絡み合って雨漏りを起こすことがあるので、瓦屋根が雨漏りし始めたら迷わず、腕のいい屋根修理業者に修理を依頼してください。
特に築年数が経過した古い瓦屋根の場合、メンテナンスをしていないと防水能力が年々低下するので、放置すると家全体が徐々に腐食してしまいます。

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亀岡亮介

亀岡亮介

屋根雨漏りのお医者さんグループ本部代表。
2010年に屋根雨漏りのお医者さんグループを立ち上げる。2017年現在、80数社の技術力を誇るメンバーを擁し、メンバーとともに、日々、雨漏り修理の問い合わせに対応している。

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