無塗装外壁とは?その特徴とメリット

無塗装外壁とは、その名の通り塗料を塗っていない外壁のこと。主に窯業系サイディングや金属サイディングなどに使われる。塗装された外壁とは異なり、素材そのものの色や質感が活かされ、シンプルながらも存在感のある外観が特徴。

目次

無塗装外壁のメリット

メリット1:初期費用を抑えられる

塗料や塗装費用がかからないため、塗装済みの外壁に比べて初期費用を抑えられる。外壁塗装は決して安いものではなく、塗料の種類や施工面積によっては数十万円から数百万円かかることも。無塗装外壁なら、その費用を他の部分に回すことができる。

メリット2:メンテナンスの手間を軽減

塗膜がないため、塗装の剥がれや色あせの心配がなく、塗り替えなどのメンテナンスの手間を大幅に軽減できる。一般的に外壁塗装は10年〜15年ごとに塗り替えが必要だが、無塗装外壁ならその手間と費用を省くことができる。定期的な清掃だけで美観を保てるので、忙しい人やメンテナンスに時間をかけたくない人にもおすすめ。

メリット3:経年変化を楽しめる

素材本来の風合いが楽しめる。窯業系サイディングなら、時間の経過とともに味わい深い色合いに変化していく。新築時は淡い色合いでも、年を経るごとに深みが増し、独特の風合いが生まれる。金属サイディングなら、独特の光沢感が建物の外観に高級感をプラスしてくれる。太陽の光を反射してキラキラと輝き、周囲の景色を映し込む様子は、まるで生きているかのような美しさ。

メリット4:環境に優しい

塗料を使わないため、環境への負荷が少ない。VOC(揮発性有機化合物)の排出も抑えられるので、健康にも配慮できる。VOCはシックハウス症候群の原因物質の一つであり、アレルギーや呼吸器疾患を引き起こす可能性がある。無塗装外壁なら、安心して暮らせる住環境を実現できる。

無塗装外壁の選び方:素材とデザイン

無塗装外壁に使われる素材は主に以下の2種類。それぞれ特徴やデザインが異なるので、建物のイメージや好みに合わせて選ぼう。

窯業系サイディング

セメント質と繊維質を主な原料とする外壁材。デザイン性の高さに加え、耐火性、耐久性、遮音性に優れている。レンガ調、石積み調、木目調など、さまざまなデザインから選べるので、和風、洋風、モダンなど、どんなテイストの建物にも合わせやすい。窯業系サイディングは塗装することも可能だが、無塗装なら素材そのものの質感を活かした、より自然な風合いを楽しめる。

金属サイディング

ガルバリウム鋼板やアルミニウムなどの金属を素材とする外壁材。軽量で耐震性に優れている。シンプルでモダンなデザインが多く、スタイリッシュな外観を演出できる。金属ならではのシャープなラインや光沢感が、都会的で洗練された雰囲気を醸し出す。近年では、木目調や石目調など、さまざまなデザインの金属サイディングも登場しており、選択肢が広がっている。

デザインの選び方

無塗装外壁は、素材そのものの色や質感が活かされるため、シンプルながらも存在感のあるデザインが多い。窯業系サイディングなら、凹凸のあるデザインを選ぶと陰影が生まれ、より表情豊かな外観になる。例えば、レンガ調のデザインなら、一枚一枚のレンガの凹凸が光と影を生み出し、立体感のある外観になる。金属サイディングなら、縦張りや横張りの向きによって印象が変わるので、建物の形状や好みに合わせて選ぼう。縦張りはシャープでスタイリッシュな印象、横張りは落ち着いた雰囲気を演出できる。

無塗装外壁の注意点:メンテナンスと耐久性

無塗装外壁はメンテナンスフリーのイメージがあるが、全くメンテナンスが必要ないわけではない。定期的なメンテナンスを行うことで、美観を保ち、建物の寿命を延ばすことができる。

定期的な清掃

外壁に付着した汚れやほこりは、美観を損ねるだけでなく、素材の劣化を早める原因にもなる。雨だれや排気ガス、鳥のフンなどは放置するとシミになってしまうことも。定期的に水洗いなどで清掃し、きれいな状態を保つことが大切。高圧洗浄機を使うと効率的に汚れを落とせるが、水圧を上げすぎると外壁を傷つけてしまう可能性があるので注意が必要。

ひび割れや欠けの補修

地震や強風などによって、外壁にひび割れや欠けが生じることがある。放置すると雨水が浸入し、建物の構造に影響を及ぼす可能性もあるため、早めの補修が必要。小さなひび割れならDIYで補修できるが、大きなひび割れや欠けは専門業者に依頼した方が安心。

素材ごとの注意点

窯業系サイディングは、吸水性があるため、コケやカビが発生しやすい。特に日当たりや風通しの悪い場所では注意が必要。定期的な防カビ処理や、日当たりや風通しの良い場所に設置するなどの対策が必要。金属サイディングは、サビが発生する可能性がある。特に海岸近くや工場地帯など、塩分や酸性雨の影響を受けやすい場所では注意が必要。定期的な点検を行い、サビを見つけたら早めに対処しよう。

無塗装外壁の施工事例:実例から学ぶ

無塗装外壁は、住宅だけでなく、店舗やオフィスなど、さまざまな建物に採用されている。ここでは、それぞれの建物における施工事例を紹介する。

住宅

シンプルモダンなデザインの住宅に、窯業系サイディングの無塗装外壁がよく似合う。例えば、白いキューブ型の住宅に、グレーの石積み調の無塗装外壁を組み合わせると、スタイリッシュで都会的な印象になる。木目調のデザインを選べば、温かみのある雰囲気を演出できる。例えば、平屋建ての住宅に、明るい木目調の無塗装外壁を組み合わせると、ナチュラルで優しい雰囲気になる。金属サイディングの無塗装外壁は、スタイリッシュな印象を与え、都会的な住宅にマッチする。例えば、黒いガルバリウム鋼板の無塗装外壁を組み合わせると、クールでモダンな印象になる。

店舗

個性的なデザインの店舗に、無塗装外壁がアクセントを加える。例えば、カフェの外観に、レンガ調の無塗装外壁を組み合わせると、レトロで温かみのある雰囲気になる。窯業系サイディングの石積み調デザインを選べば、重厚感のある外観になる。例えば、高級レストランの外観に、ダークグレーの石積み調の無塗装外壁を組み合わせると、格式高く落ち着いた雰囲気になる。金属サイディングの無塗装外壁は、シャープな印象を与え、洗練された雰囲気を演出できる。例えば、美容院の外観に、シルバーの金属サイディングの無塗装外壁を組み合わせると、清潔感がありスタイリッシュな印象になる。

オフィス

無塗装外壁は、オフィスビルにも採用されている。例えば、高層オフィスビルの外観に、ガラスと金属サイディングの無塗装外壁を組み合わせると、モダンで洗練された印象になる。窯業系サイディングのレンガ調デザインを選べば、落ち着いた雰囲気を醸し出す。例えば、法律事務所の外観に、レンガ調の無塗装外壁を組み合わせると、信頼感があり落ち着いた印象になる。金属サイディングの無塗装外壁は、モダンな印象を与え、先進的なイメージを演出できる。例えば、IT企業のオフィスビルに、シルバーの金属サイディングの無塗装外壁を組み合わせると、先進的でスタイリッシュな印象になる。

無塗装外壁の費用相場:初期費用とランニングコスト

無塗装外壁の費用は、素材やデザイン、建物の大きさなどによって異なる。ここでは、一般的な費用相場を紹介する。

窯業系サイディング

1平方メートルあたり1万円~2万円程度。

金属サイディング

1平方メートルあたり1万5千円~3万円程度。

ランニングコスト

無塗装外壁は、塗装済みの外壁に比べてランニングコストを抑えられる。定期的な清掃やメンテナンス費用はかかるが、塗装の塗り替え費用は不要。10年〜15年ごとに数十万円から数百万円かかる外壁塗装の費用を考えると、長期的に見てお得と言える。

無塗装外壁の施工業者選び:信頼できる業者を見つける

無塗装外壁の施工は、専門知識と技術を持った業者に依頼することが大切。ここでは、信頼できる業者を見つけるためのポイントを紹介する。

業者選びのポイント

  • 施工実績が豊富:無塗装外壁の施工実績が豊富な業者を選ぶ。ホームページやカタログなどで施工事例を確認し、自分のイメージに合う業者を見つけよう。
  • 無塗装外壁の知識が豊富:無塗装外壁のメリット・デメリット、素材ごとの特徴、メンテナンス方法などを詳しく説明してくれる業者を選ぶ。疑問や不安な点があれば、遠慮なく質問しよう。
  • アフターフォローが充実している:施工後の定期点検やメンテナンスサービスを提供している業者を選ぶ。万が一、施工後に不具合が生じた場合でも、迅速に対応してくれる業者なら安心。
  • 見積もりが明確で分かりやすい:見積書の内容が詳細で、費用が明確に記載されている業者を選ぶ。不明な点や疑問点があれば、遠慮なく質問し、納得できるまで説明を求めよう。

複数の業者から見積もりを取り、比較検討することが大切。費用だけでなく、上記で挙げたポイントも考慮して、総合的に判断しよう。

まとめ:無塗装外壁で理想の外観を実現

無塗装外壁は、メンテナンスの手間を軽減しながら、美しい外観を長く楽しめる魅力的な選択肢。素材そのものの質感や経年変化を楽しめる点も、多くの人を惹きつける要因となっている。

しかし、無塗装外壁を選ぶ際には、素材やデザイン、メンテナンス方法などをしっかりと理解し、信頼できる施工業者に依頼することが重要。この記事で紹介した情報やポイントを参考に、自分にぴったりの無塗装外壁を見つけ、理想の外観を実現してほしい。

無塗装外壁は、新築だけでなく、リフォームにもおすすめ。既存の外壁の上から無塗装サイディングを施工することも可能なので、外壁の塗り替えを検討している人は、ぜひ無塗装外壁も選択肢に入れてみてほしい。

この記事が、あなたの家づくりやリフォームの参考になれば幸いです。

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