外壁の爆裂補修:放置すると危険な症状、原因、補修方法、費用まで徹底解説

建物の外壁に、まるで爆発でも起きたかのような損傷を見かけたことはありませんか?それは、「爆裂」と呼ばれる深刻な症状かもしれません。爆裂は、コンクリート内部の鉄筋が腐食し、膨張することで外壁が剥がれ落ちる現象です。放置すると建物の耐久性が低下し、美観を損ねるだけでなく、最悪の場合、倒壊の危険性も孕んでいます。

この記事では、外壁の爆裂について、その原因から補修方法、費用、予防策まで詳しく解説します。爆裂は早期発見と適切な対処が重要です。この記事を読むことで、爆裂のサインを見逃さず、適切な対策を講じることができるようになるでしょう。

特に、築年数が古い建物や、海岸沿いに建つ建物にお住まいの方は、爆裂のリスクが高いと言えます。定期的な点検とメンテナンスを心掛け、建物の安全を守りましょう。

目次

外壁の爆裂とは?放置するとどうなる?

外壁の爆裂は、コンクリート造の建物で発生する深刻な問題です。コンクリート内部の鉄筋が腐食し、膨張することで、外壁が部分的に剥がれ落ち、まるで爆発したかのような状態になることから「爆裂」と呼ばれています。

放置すると建物の寿命が縮む!

爆裂を放置すると、建物の寿命を縮めるだけでなく、美観を損ね、資産価値を低下させる原因にもなります。具体的には、以下の3つの危険性が考えられます。

  1. 建物の構造強度が低下する: 鉄筋の腐食が進み、建物を支える力が弱まります。最悪の場合、地震や台風などの災害時に倒壊する危険性も出てきます。
  2. 美観が損なわれる: 爆裂箇所は黒ずんだり、ひび割れたりして見た目が悪くなり、建物の印象を大きく損ないます。特に、マンションやアパートなどの集合住宅では、空室率の上昇や入居者の不満につながる可能性もあります。
  3. 雨漏りが発生する: 爆裂箇所から雨水が浸入し、内部の木材を腐らせたり、カビを発生させたりする原因になります。雨漏りを放置すると、建物の構造をさらに弱めるだけでなく、健康被害を引き起こす可能性もあります。

早期発見と適切な補修が重要

爆裂は小さなうちに発見し、適切な補修を行うことが重要です。早ければ早いほど補修費用を抑えることができ、建物の寿命を延ばすことにもつながります。

外壁が爆裂する原因とは?

外壁の爆裂は、主に以下の3つの原因によって引き起こされます。

  1. 鉄筋の腐食: コンクリートはアルカリ性のため、内部の鉄筋を腐食から守っていますが、時間の経過とともに中性化が進みます。中性化したコンクリートは鉄筋を保護する能力が低下し、雨水や空気中の酸素によって鉄筋が錆びやすくなります。錆びた鉄筋は体積が増加し、コンクリートを内側から押し出すことで爆裂が発生します。
  2. コンクリートの中性化: コンクリートの中性化は、建物の築年数や環境条件によって進行速度が異なります。一般的に、築30年以上の建物は中性化が進んでいる可能性が高く、爆裂のリスクも高まります。また、海岸沿いや交通量の多い道路沿いなど、塩分や排気ガスにさらされる環境にある建物も中性化が進みやすいと言われています。
  3. 施工不良: コンクリートの配合不良や、ひび割れへの適切な対応がなされなかった場合、爆裂のリスクが高まります。特に、設計図通りに鉄筋が配置されていない、コンクリートの厚みが不足している、防水処理が不十分であるなどの施工不良は、爆裂を誘発する可能性があります。

特に注意が必要な建物

  • 築30年以上の建物: コンクリートの中性化が進んでいる可能性が高く、爆裂のリスクも高まります。
  • 海岸沿いや交通量の多い道路沿いの建物: 塩分や排気ガスにさらされる環境にある建物は、中性化が進みやすいと言われています。
  • 過去に爆裂が発生したことがある建物: 一度爆裂が発生した建物は、他の箇所でも爆裂が発生する可能性が高いため、注意が必要です。

爆裂しやすい外壁の種類

建物の構造や外壁材の種類によって、爆裂しやすい箇所や原因が異なります。

鉄筋コンクリート造

鉄筋コンクリート造の建物は、鉄筋の腐食が主な爆裂の原因となります。特に、以下の箇所は注意が必要です。

  • 外壁の継ぎ目: 継ぎ目はひび割れが発生しやすく、そこから雨水が浸入して鉄筋を腐食させる可能性があります。
  • バルコニーの床: バルコニーの床は雨水が溜まりやすく、防水層が劣化するとそこから水が浸入し、鉄筋を腐食させることがあります。
  • パラペット: パラペットは屋上やバルコニーの周囲に設置される低い壁で、雨水が溜まりやすく、防水層の劣化から爆裂が発生しやすい箇所です。
  • 外壁の欠損箇所: 塗装の剥がれやひび割れなど、外壁の欠損箇所から雨水が浸入し、鉄筋を腐食させることがあります。

鉄骨造

鉄骨造の建物は、鉄骨部分の錆びが爆裂の原因となることがあります。特に、以下の箇所は注意が必要です。

  • 鉄骨とコンクリートの接合部: 接合部には隙間ができやすく、そこから雨水が浸入して鉄骨を腐食させる可能性があります。
  • 外壁材の固定部分: 外壁材の固定部分が錆びると、外壁材が剥がれ落ちる原因となります。

爆裂の補修方法

爆裂の補修方法は、爆裂の程度や原因によって異なります。

小規模な爆裂

小規模な爆裂の場合、以下の手順で補修を行います。

  1. 爆裂箇所の除去: 爆裂したコンクリートを斫り(はつり)取り、錆びた鉄筋を露出させます。
  2. 鉄筋の防錆処理: 露出した鉄筋の錆を電動工具やサンドブラストなどで除去し、防錆剤を塗布します。防錆剤は、鉄筋を腐食から守るだけでなく、コンクリートとの付着性を向上させる効果もあります。
  3. モルタルの充填: 欠損部分にモルタルを充填し、表面を整えます。モルタルは、セメント、砂、水を混ぜ合わせたもので、コンクリートよりも細かい粒子で構成されています。そのため、細かい部分の補修に適しています。
  4. 塗装: 補修箇所を塗装し、周囲と調和させます。塗装は、美観を回復するだけでなく、外壁を雨水や紫外線から保護する役割も果たします。

大規模な爆裂

大規模な爆裂の場合、以下の補修方法が考えられます。

  • 断面修復工法: 爆裂した部分を斫り取り、新しいコンクリートで補修する方法です。大規模な爆裂や、鉄筋の腐食がひどい場合に有効な方法です。
  • 注入工法: 爆裂箇所やひび割れに樹脂を注入し、内部から補修する方法です。コンクリートの強度を回復させるだけでなく、防水効果も期待できます。
  • 外壁材の張替え: 爆裂が外壁材にまで及んでいる場合、外壁材を部分的にまたは全面的に張替える必要があります。外壁材の種類によっては、断熱性や遮音性を向上させることも可能です。

補修費用

爆裂の補修費用は、爆裂の規模や補修方法によって大きく異なります。

  • 小規模な爆裂: 数万円~数十万円
  • 大規模な爆裂: 数十万円~数百万円

具体的な費用は、建物の状況や使用する材料、工事の難易度などによって異なるため、複数の業者から見積もりを取り、比較検討することが重要です。

爆裂補修を業者に依頼する際の注意点

爆裂補修を業者に依頼する際は、以下の点に注意しましょう。

  1. 複数の業者から見積もりを取る: 複数の業者から見積もりを取り、価格だけでなく、補修方法や保証内容なども比較検討しましょう。
  2. 補修方法の説明を受ける: 業者から補修方法について詳しく説明を受け、納得した上で契約しましょう。専門用語を使わずに分かりやすく説明してくれる業者を選びましょう。
  3. 保証内容を確認する: 補修後の保証内容を確認し、万が一のトラブルに備えましょう。保証期間や保証範囲、保証条件などをしっかりと確認しておきましょう。
  4. 実績や評判を確認する: 爆裂補修の実績が豊富で、評判の良い業者を選びましょう。ホームページや口コミサイトなどで情報収集を行い、信頼できる業者を選びましょう。

補修業者の選び方

信頼できる補修業者を選ぶためには、以下の点を確認しましょう。

  • 実績: 爆裂補修の実績が豊富な業者を選びましょう。ホームページやパンフレットなどで、過去の施工事例を確認することができます。
  • 資格: 必要な資格を保有している業者を選びましょう。例えば、「建築士」や「建築施工管理技士」などの資格は、専門知識や技術を持っていることを証明するものです。
  • 評判: インターネット上の口コミなどを参考に、評判の良い業者を選びましょう。ただし、口コミはあくまで参考情報であり、最終的には自分の目で見て判断することが重要です。

爆裂を予防する方法

爆裂を予防するためには、以下の対策が有効です。

  1. 定期的な点検: 定期的に外壁の点検を行い、ひび割れや塗装の剥がれなどを早期発見しましょう。特に、築年数が古い建物や、海岸沿いや交通量の多い道路沿いの建物は、定期的な点検が必要です。
  2. 適切なメンテナンス: ひび割れや塗装の剥がれは、放置せずに速やかに補修しましょう。小さなひび割れでも、放置するとそこから水が浸入し、鉄筋腐を進行させ、爆裂を誘発する可能性があります。
  3. 防水対策: バルコニーや屋上などの防水層を定期的に点検し、劣化している場合は補修または交換しましょう。防水層は、雨水を建物の内部に浸入させないための重要な役割を果たしており、劣化すると爆裂のリスクが高まります。特に、露出している防水層は紫外線や風雨にさらされやすく、定期的なメンテナンスが必要です。
  4. 適切な外壁塗装: 外壁塗装は、美観を維持するだけでなく、外壁を雨水や紫外線から保護する役割も果たします。定期的な塗り替えを行い、防水性や耐久性を保つことが重要です。塗料の種類や塗り方によって効果が異なるため、専門業者に相談して適切な塗装を行いましょう。

専門業者による点検とメンテナンス

定期的な点検は、専門業者に依頼することをおすすめします。専門家による点検であれば、素人では見つけにくい初期の爆裂や、潜在的なリスクを早期に発見することができます。また、専門業者によるメンテナンスは、適切な補修方法や材料の選択、施工技術など、安心して任せることができます。

外壁の爆裂に関するよくある質問

Q1: 外壁の爆裂は自分で補修できますか?

A1: 小規模な爆裂であれば、DIYで補修することも可能ですが、専門的な知識や技術が必要なため、業者に依頼することをおすすめします。特に、鉄筋の腐食が進行している場合は、専門的な防錆処理が必要になります。

Q2: 爆裂補修にかかる期間はどれくらいですか?

A2: 爆裂の規模や補修方法によって異なりますが、小規模な補修であれば数日、大規模な補修であれば数週間かかることもあります。天候や作業状況によっても期間が変動するため、業者に確認しましょう。

Q3: 爆裂補修の費用は火災保険で補償されますか?

A3: 爆裂の原因が経年劣化による場合は、火災保険の対象外となることが多いです。しかし、地震や台風などの自然災害が原因の場合は、火災保険で補償される可能性があります。保険の内容や条件は保険会社によって異なるため、事前に確認しておきましょう。

Q4: 爆裂が発生しやすい季節はありますか?

A4: 爆裂は一年中発生する可能性がありますが、特に梅雨や台風シーズンは注意が必要です。雨水が多く、湿度も高いため、コンクリートの中性化や鉄筋の腐食が進行しやすくなります。

Q5: 爆裂を予防するために自分でできることはありますか?

A5: 定期的に外壁を観察し、ひび割れや塗装の剥がれなどを早期発見することが重要です。また、外壁を清潔に保ち、コケやカビの発生を防ぐことも有効です。ただし、専門的な知識や技術が必要な場合は、無理に自分で補修しようとせず、業者に相談しましょう。

まとめ

外壁の爆裂は、建物の寿命を縮めるだけでなく、美観を損ね、資産価値を低下させる原因にもなります。早期発見と適切な補修が重要であり、定期的な点検とメンテナンスが爆裂を予防する上で欠かせません。

爆裂を発見した場合は、放置せずに速やかに専門業者に相談しましょう。専門家による点検と適切な補修によって、建物の寿命を延ばし、安心して暮らせる環境を維持することができます。

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