家を守る外壁。その塗装には様々な塗料が使われますが、中でも「ゴム」を使った塗料は、その特性から注目を集めています。ゴムと聞くと、タイヤや防水シートを思い浮かべる方が多いかもしれませんが、実は外壁塗装にも適した素材なのです。
ゴム塗料は、その弾力性と防水性から、建物を雨風や紫外線からしっかりと守ります。また、ひび割れを防ぎ、建物の寿命を延ばす効果も期待できます。
しかし、ゴム塗料は他の塗料と比べて高価であることや、施工が難しいといったデメリットも存在します。
この記事では、外壁塗装におけるゴム塗料の種類、メリット・デメリット、費用相場、塗装方法、注意点などを詳しく解説します。外壁塗装を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
外壁塗装に使われるゴムの種類
外壁塗装に使われるゴムの種類は、主に以下の3種類があります。それぞれの塗料の特徴や、どのような外壁に適しているのか詳しく解説していきます。
- アクリルゴム塗料
アクリルゴム塗料は、価格が安く、DIYでも比較的扱いやすい塗料として人気があります。耐候性や防水性にも優れており、外壁を雨風や紫外線から守ります。
しかし、他のゴム塗料と比較すると耐久年数が短く、5~8年程度で塗り替えが必要になる場合があります。そのため、定期的なメンテナンスを考慮して選ぶ必要があります。
アクリルゴム塗料は、コストを抑えたい方や、比較的新しい住宅の外壁塗装に適しています。
- ウレタンゴム塗料
ウレタンゴム塗料は、アクリルゴム塗料よりも耐久性が高く、10~15年程度持ちます。密着性や弾力性に優れており、外壁のひび割れを防ぎ、建物の寿命を延ばす効果が期待できます。
また、耐候性や防水性にも優れており、外壁を雨風や紫外線からしっかりと保護します。
ウレタンゴム塗料は、耐久性を重視する方や、築年数が経過している住宅の外壁塗装に適しています。
- シリコンゴム塗料
シリコンゴム塗料は、ゴム塗料の中でも最も耐久性が高く、15~20年程度持ちます。耐候性、防水性、防汚性に優れており、長期にわたって外壁を保護します。
また、汚れにくく、美観を長く保つことができるのも特徴です。
シリコンゴム塗料は、耐久性や美観を重視する方、長期的なメンテナンスコストを抑えたい方におすすめです。
ゴムを使った外壁塗装のメリット
ゴムを使った外壁塗装には、以下のようなメリットがあります。
- 防水性が高い
ゴムは弾力性があり、水を弾く性質を持っています。外壁に塗ることで、雨水や湿気が建物内部に浸透するのを防ぎ、構造材の腐食やカビの発生を防ぎます。
特に、台風やゲリラ豪雨など、短時間に大量の雨が降る地域では、防水性の高いゴム塗料が効果を発揮します。
- 耐久性が高い
ゴムは、紫外線や雨風、温度変化などの外的要因による劣化に強い素材です。そのため、ゴム塗料で外壁を塗装することで、長期間にわたって建物を保護することができます。
耐久性が高いということは、塗り替えの頻度を減らすことができるため、長期的なメンテナンスコストの削減にもつながります。
- ひび割れを防ぐ
ゴムは弾力性があり、建物の動きに合わせて伸縮します。地震や温度変化によって建物がわずかに動いても、塗膜が追従するため、ひび割れを防ぐことができます。
ひび割れは、建物の美観を損ねるだけでなく、雨漏りの原因にもなるため、それを防ぐことは建物の寿命を延ばすことにもつながります。
- 防音効果がある
ゴムは音を吸収する性質があります。外壁に塗ることで、外部からの騒音を軽減し、静かで快適な室内環境を実現することができます。
特に、交通量の多い道路沿いにある住宅や、線路に近い住宅では、防音効果を実感しやすいでしょう。
ゴムを使った外壁塗装のデメリット
ゴムを使った外壁塗装には、以下のようなデメリットもあります。
- 価格が高い
ゴム塗料は、アクリル塗料やウレタン塗料と比較して価格が高い傾向にあります。これは、ゴム塗料の原材料が高価であることや、施工に専門的な技術が必要であることが主な理由です。
しかし、耐久性が高いことから、長期的に見るとコストパフォーマンスが良い場合もあります。
- 施工が難しい
ゴム塗料は粘度が高く、他の塗料よりも施工が難しい場合があります。そのため、専門的な知識や技術を持った業者に依頼する必要があります。
DIYでの施工は、塗料のムラや剥がれの原因になる可能性があるため、おすすめできません。
- 色褪せしやすい
ゴム塗料は、紫外線による色褪せが起こりやすい場合があります。特に、濃い色の塗料は色褪せが目立ちやすいため、定期的なメンテナンスが必要です。
色褪せを防ぐためには、耐候性の高い塗料を選ぶことや、トップコートを塗布することが有効です。
ゴムを使った外壁塗装の費用相場
ゴムを使った外壁塗装の費用相場は、以下の通りです。
塗料の種類 | 費用相場(30坪の場合) |
---|---|
アクリルゴム塗料 | 60万円~80万円 |
ウレタンゴム塗料 | 80万円~120万円 |
シリコンゴム塗料 | 100万円~150万円 |
ただし、これはあくまでも目安であり、建物の状態や施工業者によって費用は大きく異なります。建物の大きさや形状、劣化の程度、足場の設置が必要かどうかなどによって費用は変動します。
複数の業者に見積もりを取り、比較検討することが重要です。
ゴムを使った外壁塗装の施工方法
ゴムを使った外壁塗装の施工方法は、以下の通りです。
- 高圧洗浄
外壁に付着した汚れやコケ、古い塗膜などを高圧洗浄機で洗い流します。この作業を丁寧に行うことで、塗料の密着性が向上し、仕上がりが美しくなります。
- 下塗り
下塗り材を塗布し、外壁と塗料の密着性を高めます。下塗り材は、外壁の素材に合わせて適切なものを選ぶ必要があります。
- 中塗り
中塗り材を2回塗布し、塗膜の厚みを確保します。中塗りは、塗料の耐久性を高めるために重要な工程です。
- 上塗り
上塗り材を2回塗布し、仕上げます。上塗りは、塗料の色やツヤを出すための工程です。
ゴムを使った外壁塗装の注意点
ゴムを使った外壁塗装を行う際の注意点は、以下の通りです。
- 施工業者選び
ゴム塗料の施工は、専門的な知識や技術が必要です。実績豊富な施工業者を選び、安心して任せられるようにしましょう。
業者を選ぶ際には、複数の業者に見積もりを取り、価格だけでなく、施工内容や保証内容なども比較検討することが重要です。
- 塗料選び
塗料の種類によって、耐久性や価格が異なります。建物の状態や予算に合わせて、最適な塗料を選びましょう。
業者に相談し、建物の劣化状況や周辺環境などを考慮して、最適な塗料を選んでもらうのが良いでしょう。
- 色選び
ゴム塗料は色褪せしやすい場合があります。色褪せしにくい色を選び、定期的なメンテナンスを行うようにしましょう。
色選びは、建物の外観を大きく左右する要素です。サンプルなどで色を確認し、じっくりと検討しましょう。
まとめ
ゴムを使った外壁塗装は、防水性や耐久性が高く、建物を長期間保護できるというメリットがあります。しかし、価格が高く、施工が難しいというデメリットもあります。
外壁塗装を行う際は、専門業者に相談し、建物の状態や予算に合わせて最適な塗料や施工方法を選びましょう。
この記事が、外壁塗装を検討している方の参考になれば幸いです。
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