雨漏りの放置が原因で虫が発生することをご存知ですか?
実は、雨漏りが原因でも虫が発生してしまうのです。
中には、家をボロボロにしてしまうような害虫も湧いてしまうので、雨漏りを見つけたら早期の修理が必要になります。
雨漏りをすぐに直さず放置してしまったために、シロアリを発生させてしまい、高額なリフォームが必要になることもあります。この記事では、シロアリなどの害虫と雨漏りの関係について解説していきます。
雨漏りとシロアリの被害
雨漏りとシロアリの被害は、ともに建物に深刻な損害を与える可能性があります。これら二つの問題が組み合わさると、建物の構造的な健全性が大きく損なわれることがあります。
雨漏りによる被害
雨漏りは、屋根や壁の隙間から水が侵入することで発生します。水分が建物内部に侵入すると、木材が湿り、腐食やカビの発生を促進します。また、水分は断熱材の効果を低下させ、建物のエネルギー効率にも悪影響を及ぼします。
シロアリの被害
シロアリは主に木材を食べる害虫であり、建物の木部に被害をもたらします。特に、湿った木材はシロアリにとって理想的な環境であり、雨漏りによる湿度の増加はシロアリの活動を助長します。シロアリは建物の構造部分を徐々に食い荒らすことで、建物の安全性を脅かします。
対策と予防
- 雨漏りの修理:雨漏りを発見したら、すぐに修理を行います。屋根や壁のひび割れ、壊れた瓦などを点検し、必要に応じて専門家による修理を依頼することが大切です。
- 湿度管理:建物内の湿度を適切に管理することが重要です。換気を良くし、除湿機を使用することで、湿度をコントロールできます。
- シロアリの予防と駆除:定期的に建物の点検を行い、シロアリの兆候が見られた場合は、速やかに専門の駆除業者に相談します。予防的に薬剤処理を施すことも一つの方法です。
これらの被害を未然に防ぐためには、定期的なメンテナンスと早期の対応が不可欠です。特に、古い建物や以前に雨漏りの経験がある建物では、さらに注意が必要です。
雨漏りが原因で発生する害虫「シロアリ」とは
白いアリという名前が付いているシロアリですが、実はアリとは食性も生態も全く異なり、どちらかというとゴキブリの仲間です。
日本には22種類のシロアリが生息していますが、大半のシロアリは土壌改良に重要な役割を果たしている益虫です。
主要なのはヤマトシロアリとイエシロアリ。特にヤマトシロアリが多く、8~9割を占めます。
雨漏りの原因で発生しやすいシロアリは湿った木材を好むため、雨漏りの影響で建物の木材が濡れていると地中から侵入したシロアリによって木材をバリバリ食べられてしまう可能性が高くなります。
シロアリによってボロボロになった柱などの木材はスカスカになり耐久力がなくなって最悪の場合、倒壊してしまう恐れもあります。
できるだけ、雨漏りと気づいた時点で直すことを心がけましょう。
雨漏りでのシロアリの侵入経路
シロアリは蟻道(ぎどう)と呼ばれるトンネル状の通り道を作り、その中を通って、建物内に侵入します。主に下記の箇所に蟻道を作ります。
・地面から基礎の立ち上がり部分
・防湿コンクリートと基礎の繋ぎ目部分
・ベタ基礎の場合は、配管貫通部分やコンクリートの打ち継ぎ部分
・基礎断熱や化粧モルタルの場合はコンクリートとの接着面の内側
シロアリが住宅へ侵入する経路としては、地中から床下へ侵入する場合がほとんどです。
床下の建築残材や、床下土中に埋まっている木の根や古株で繁殖したシロアリが、蟻道を伸ばし、基礎コンクリートや束石、給排水管を伝って住宅の中に侵入してきます。
その他に、庭、生垣の杭などで繁殖したシロアリも同様に、地中深くでトンネルを構築し、基礎コンクリートをくぐり、床下に侵入し住みついてしまいます。
ですので、新たに家を建てる際は、建築残材などを床下や地中に残しておくのはやめましょう。
雨漏りとシロアリの関係
害虫であるシロアリは「湿った木材」を好みます。
雨漏りが起こると外から雨水が侵入し木材を湿らせます。
この状態をそのままにしてしまうことで、地中からシロアリを呼び寄せてしまい、最悪の場合、建物の腐蝕や倒壊等のリスクが生じます。
雨漏りによって水分過多になった木材が腐食してくいると、腐朽菌(木材を腐らせる菌)の周辺には、木材の水分を栄養源としているシロアリが発生したり、他にも湿気が大好きなゴキブリが発生しやすくなるのです。
雨漏りの放置についてはこちらの記事で詳しく解説しています。↓
シロアリによる住宅への被害
シロアリは、湿った木材を食べて栄養と水分を摂ります。あまり食欲は旺盛ではないので、加害の方も緩慢です。家の被害も、浴室や湿気の高い床下などの下部に集中しています。
イエシロアリは、繁殖力が強く、古材よりも新材を好みます。食欲は旺盛で加害も急激なため、被害が家屋全体に及んで家が倒れることもある危険種です。
雨漏りでシロアリが発生したらどうなるの?
雨漏りによってシロアリが発生・繁殖してしまった場合には以下のような事が起きます。
・建物の柱や木材が穴が空いたり、空洞化し建物の強度がなくなってしまう。
・部屋の中に羽蟻が発生する。
雨漏りの被害を直すだけだと修理費用が安く済むところが、シロアリが発生してしまうとさらに高額な費用にまで発展してしまう場合があるため、雨漏りは早めに修理してしまいましょう。
雨漏りの被害とその影響
雨漏りは、家屋に対する深刻な被害を引き起こします。屋根や外壁から侵入した水分は、家の内部構造を徐々に蝕みます。その結果、短期間で見れば目立った問題がないかもしれませんが、長期にわたって放置すると建物の構造自体が弱くなり、最悪の場合、建物が崩壊する危険性もあります。
雨漏りが発生すると、その影響は床下から天井まで及びます。壁の内部が湿ってしまうと、結露やカビの発生源となり、室内の空気環境を悪化させます。これは住人の健康を害する可能性があり、特にアレルギーや喘息のある人には深刻な影響を及ぼします。
また、雨漏りは木材の腐食を促進します。家の骨組みの多くが木材で構成されている場合、湿度が上昇すると木材が腐りやすくなります。さらに、湿った木材はシロアリにとって最適な生息環境となり、シロアリの侵入と被害を招きやすくなります。
さらに、雨漏りによる湿気は家の断熱性能を低下させ、冬は暖房効率が落ち、夏は室内が蒸し暑くなります。これにより、エネルギーコストが増大する可能性もあります。
総じて、雨漏りはただ単に水が家の中に入ってくるだけでなく、家全体の劣化、健康被害、シロアリの発生、エネルギーコストの増加など、多岐にわたる影響を及ぼします。そのため、雨漏りは早急に対処する必要があります。
雨漏りで虫が発生した時の対処方法
まずは虫の発生原因となっている雨漏りをしっかり直しましょう。せっかく虫の対策をしても、雨漏りが再発するとまた虫の発生する環境がつくられてしまいます。
雨漏りしている箇所はできるだけ早く修理を行い、雨水が建物に入ってくるのを防ぎましょう。
そして、雨漏りで発生する虫は、湿気の多い環境を好む種類が多いです。
そのため、建物に湿気がこもらないような対策をすることで虫の発生を効果的に予防できます。
雨漏りによるシロアリの対策について
雨漏りによるシロアリの対策について解説します。
対策方法はズバリ、雨漏りを直す事です。
大規模な工事にならない場合、5~30万ほどで直せる事が多いので被害が少ないうちに直してしまいましょう。次に、シロアリ対策として、定期的な点検が必要です。
木材の中にシロアリの被害が発生している場合、早期発見・対策が必要です。
また、木材をシロアリが食べないように、特殊な薬剤を塗布することも有効です。
シロアリ発生の兆候や確かめ方
シロアリが発生している可能性を示す兆候はいくつかありますが、その中でも特に注目すべき症状について説明します。これらの兆候に気づいた場合は、早めに専門家に相談し、適切な対策を取ることが大切です。
羽蟻が発生する
羽蟻の出現は、シロアリの発生を示す最も一般的な兆候の一つです。シロアリのコロニーが成熟し、新たなコロニーを形成するために羽蟻(繁殖能力を持つシロアリ)が飛び立つ時期があります。これらの羽蟻は特に春先に多く見られることがあり、建物の近くや窓の周辺で羽を落としたり、光に集まる行動をします。
乾いた音がする
シロアリが木材を食べることで、建物の木部が空洞化し、叩くと空洞のある場所では乾いた音がすることがあります。このような音がする場合、木材の内部がシロアリによってかなり損傷されている可能性が高いです。
その他の兆候
- 木材や壁の損傷:木材が柔らかくなったり、壁紙がふくらんだり、不自然に歪んでいる場合は、シロアリによる内部の損傷が進行している兆候です。
- 粉状の残骸(フン):シロアリは食べた木材を消化後、粉状のフンを排出します。これが木材の周辺に小さな山積みや線状に見られることがあります。
- 泥の線(泥管):シロアリは自分たちの移動路に泥を使って管を作ります。これらは木材や壁の表面に沿って見られることがあり、シロアリの存在を示す重要な指標です。
これらの症状を確認したら、できるだけ早く専門の駆除業者に相談することが推奨されます。シロアリは放置すると建物の構造自体に重大なダメージを与えるため、初期の段階で対応することが重要です。
シロアリの駆除費用
シロアリ駆除の費用は工法によって相場や計算方法が異なります。状況により変わることもありますが、概ねの費用相場は下記です。
①薬剤を撒かないベイト工法で建物の外周1メートルあたり4,000~8000円。
②薬剤を撒くバリア工法で坪単価6,000円~10,000円。
このように工法の違いなどで費用も変わって来ます。
雨漏りが原因で発生する他の害虫
雨漏りすることで虫が湧くことがあります。
ただでさえ、苦手な方が多い虫ですが、雨漏りによって出てくるのは害虫と呼ばれる類の虫になります。
一体どんな虫が雨漏りで発生するのか紹介します。
雨漏りが原因で発生する虫①ダニ
雨漏りが原因で発生する虫の一つがダニです。
雨漏りが発生すると湿度が高まり、カビが繁殖します。
ダニはカビを餌とするため、建物の木材や壁紙などがカビているとダニも繁殖してしまいます。
ダニは布団や畳に住み着くため、噛まれると最悪アレルギー症状などの被害が出ることがありますので注意が必要です。
雨漏りが原因で発生する虫②ゴキブリ
ゴキブリは、普段何も起こっていない時でも発生するため、一見雨漏りとは関係なさそうに感じるかと思います。
ですが、ゴキブリは湿った場所を好み巣にする傾向があるため、雨漏りで建物に湿気がこもっているとゴキブリが住み着きやすくなってしまいます。
雨漏りが原因で発生する虫③チャタテムシ
チャタテムシとは、湿気が多いところを好んで住み着く虫です。
特に人を刺したり、吸血したりと直接的に害をおよぼすことはありませんが、チャタテムシを食べるツメダニの発生原となったり、死骸がアレルギー症状を引き起こしたりと、二次的な被害を発生させる危険性があります。
雨漏りでのシロアリ被害 まとめ
雨漏りが起こると、建物に湿気がこもりやすくなります。そのため、雨漏りは湿気を好む害虫が発生する原因となる可能性があります。
雨漏りの放置はシロアリの発生にも繋がるため、出来るだけ早めに修理して直してしまいましょう。
定期的な家のメンテナンスをしておくのも予防になるので行いましょう。
こんにちは
屋根雨漏りのお医者さん栃木県担当の臼井です。
弊社は、雨漏り修理専門のプロ集団で構成された会社です。
私自身は、一級建築士・基幹技能士・一級建築板金技能士など数多くの資格を保有して活動しております。
総合実績11万件以上で皆様の知る建物を数多く修繕してきました。