この記事で分かること
・ コーキングとは?
・ コーキングが使用されている箇所
・ コーキングが劣化している状態
・コーキングの寿命
・ コーキングの修理方法
・コーキングの修理費用
コーキングってよく聞くけど何なの?とコーキングについてよくわからない方が大半で、家の大切な構造といえば、柱や屋根、基礎などを思い浮かべる方が多いと思います。
確かに柱も屋根も基礎も大切です。
しかし、建築してから真っ先に劣化が始まって、家を雨漏りの危機に晒すのは「コーキング」です。
コーキングのメンテナンスを怠ると、屋根や外壁、部材と部材の取り合い部(境目)からの雨漏りリスクが高まり、家の柱などの重要な構造材を侵食するきっかけになります。
そんなことを言われても、家のどこに「コーキング」が使われているのか?
いつ頃コーキングのメンテナンスをすればいいのか?
分からない方がほとんどだと思います。
そこで今回は、一般的な住宅の「コーキング」が使用されている箇所と、寿命、そしてメンテナンスの時期や方法についてまとめました。
コーキングの劣化が原因での雨漏りを防ぐためには、まずコーキングを知ることが大切です。
これまで、コーキングのことを全く気にしていなかった方、コーキングについて知識を深めたい方の参考になれればと思います。
実際の雨漏りの例はページの一番下で解説しています。
すぐにコーキングの修理・メンテナンスを依頼したい方や、雨漏りの修理業者を探している方は、一度屋根雨漏りお医者さんのサイトをご覧ください。

コーキングとは簡単に言えば「隙間を塞ぐ粘土のようなモノ」で、シーリングとも呼ばれますがどちらも同じものだと言う認識で大丈夫です。
シリコンなどでできた注入剤が、大きな歯磨き粉のようなチューブに入っていて、必要な分だけ絞り出して使用します。
コーキング剤の主な役割は「雨水や異物の侵入防止」です。
住宅などの建物を作る際、屋根、外壁材の隙間やサッシ、窓枠、ベランダのつなぎ目など、どうしても部材と部材の間に隙間ができてしまうため、そのままにしておくと建物内にゴミや水が入ってきてしまいます。
雨水などが隙間から侵食することによって重要な構造材や内壁などが腐食し、カビが生えたりとボロボロになっていきます。
長く快適に暮らすためにも、コーキング剤は住宅にとってなくてはならない存在なのです。
コーキング剤の劣化で雨漏りは発生する?

コーキング剤が劣化すると、そこに隙間ができてしまうため雨漏りの原因にもなります。
外壁には防水シートというものが内部に入っているため、それが劣化していない限り弱い雨では雨漏りすることはあまりありませんが、台風などの横殴りの強い雨が降ることで雨漏りすることが多いです。
サッシや窓枠に使用されているコーキングが劣化することでも雨漏りは発生します。
コーキング剤が劣化する原因は寿命によるものがほとんどですが、中には施工不足が原因など、劣化症状によっては劣化した原因が変わってきます。
コーキング剤の劣化には以下のような症状があります。
・ 剥離
・ 破断
・ 欠落
劣化の症状①コーキング剤の剥離

剥離とは、外壁とコーキング材との間に隙間が生じる症状です。
剥離ができる原因としては、プライマーと呼ばれる接着剤のような物の塗り忘れ・塗りの不十分だったりが原因で主に起こります。

劣化の症状②コーキング剤の破断

破断とは、コーキングの中心に亀裂が入る症状のことを言います。
コーキングに破断が起きる理由は、コーキング自体の経年劣化や寿命が原因で引き起こります。
劣化の症状③コーキング剤の欠落

欠落とはコーキング剤が剥がれ落ちた症状を言います。
コーキング剤が欠落する原因として、主にプライマーの不足が原因で起こります。
また、コーキング剤の後ろにあるバックアップ剤が少し見えている状態の時は、コーキング剤の厚みが足らなくて起こっている場合もあります。
どの劣化症状でも言えるのは、コーキングを施工する場合は、腕のいい業者に頼むことが大切です。
業者の技術によっては、同じコーキング材でも保ち方が変わる場合もあります。
また、劣化したコーキング箇所の放置は雨漏りの誘発につながるため、劣化に気付いたら早めに対処を行いましょう。
コーキング剤の耐用年数は5年~10年と短い!

外壁に使用されているコーキング剤の寿命は長くても10年短くて5年程度しか保ちません。
実際には、5年経過したら全てのコーキング剤が劣化して、雨水の侵入を許すわけではありません。
ただ、5年を経過すると劣化が顕著になり徐々にひび割れや裂けが生じるのは事実です。
特に窯業系サイディングの隙間に使用されているコーキング剤は使用箇所が多く、日常的に雨風にさらされていることから劣化のスピードが速いと言われています。
「新築から5年」と聞くと、まだまだ新しい綺麗なお家のイメージですが、日頃は目につかない隙間に詰められているコーキング等は寿命を迎えようとしているのです。
もし新築から一度もコーキング剤のメンテナンスを行わずに10年以上が経過している方がいれば、早いうちに専門業者に調査を依頼することをオススメいたします。
コーキング劣化による雨漏りしやすい箇所

一般住宅では室内や室外の様々な箇所でコーキング剤は使用されています。
その中でも特に雨漏りが多いのは主に以下の箇所です。
・ サッシ、窓枠の周辺
・ 外壁のつなぎ目
・ ベランダ、笠木
・ 換気口
当然、雨が降るのは外ですので室外で使用されている箇所の劣化から雨漏りは起こります。
窓周辺の外壁には防水シートが使用されていない場合が多いため、コーキングの劣化で雨漏りは起こります。
外壁では、外壁材の窯業系サイディングやALCボードの間の隙間、外壁タイルの目地や換気口、ベランダのつなぎ目や笠木などで雨漏りが発生することが多いです。
各箇所の雨漏りについてはこちらの記事で詳しく解説しています↓
コーキング剤がよく使用されているサッシ・窓枠・出窓の雨漏り
外壁の向きによってもコーキング剤の劣化スピードは変わってきます。
特に紫外線を受けやすい面は劣化スピードも速くなります。
サッシや窓枠周りのコーキングの劣化を放置してしまうと、亀裂が生じ雨漏りを誘発するリスクが上がります。
サッシや窓枠・出窓のコーキング剤は劣化していることに気づきにくいため、雨漏りの発生も非常に多い箇所です。
修理・補修をする際は、サッシ周りの奥にある防水シートを切らないように注意が必要です。
屋内のコーキング使用箇所は雨漏り大丈夫なの?

屋内で使用されているコーキング剤の劣化に関しては雨漏りの心配は入りません!
※キッチンや洗面所など水回りのコーキングは要注意が必要です。
コーキング剤の劣化した隙間に水が入り込んでしまうと腐食したり、カビが生えてしまうため注意が必要です。
浴室のユニットバスに関しては、水漏れしたとしても排水口に流れていくため問題はないので安心してください。
コーキングを使用した修理の費用相場

外壁のコーキング補修費用は、「打ち替え」「打ち増し」の2つの施工方法によって費用は変わります。
打ち替えというのは、既存のコーキング材を一度剥がす必要があるため、打ち増しよりも費用が少し高く設定されています。
コーキング補修の費用は、使う材料や施工する箇所・業者によって異なりますが1メートルあたりの、大まかな目安として
・打ち替え‥約1300
・打ち増し‥約900
合計金額の大まかな目安として、約2万〜15万くらいが一般的です。
家全体となると費用は10万単位でもっとかかります。
コーキング剤の補修・メンテナンス方法

コーキング剤は寿命が短いため、他の建築材と比べると頻繁なメンテナンスが必要な箇所です。
コーキング剤の主なメンテナンス方法には、コーキングの「打ち替え」と「打ち増し」があります。
打ち替えとは、既存のコーキング剤を全て除去して新しいコーキング剤を注入する工法です。
コーキングの打ち替えの相場は、同じ面積でも5万未満から20万越えと幅があり、最安値から最高値までは4倍弱の差があります。
値段が低い修理の工程には、この既存のコーキング剤の除去作業はやらずに劣化したコーキングの上から新しいコーキングを注入する「増し打ち」という工法を採用しています。
コーキングの増し打ちはオススメしません
劣化したコーキング剤の上に増し打ちしたコーキング剤は、下にある既存のコーキング剤に亀裂が入れば破断しますし、取れれば欠落してしまいます。
ですので、増し打ちでの補修はコーキングを打ち替える意味がないのです。
ところが、こんな無意味な作業をする業者が全体の4割に達しているのです。
また、打ち替える際はサンダーなどで下地に使用しているプライマーという薬剤まで完璧に除去できれば、新しく打ち替えたコーキング剤の耐用年数も長くなるのですが、そこまでやってくれる業者は全体の数%にも満たないのが現状です。
しっかりと「打ち替え」で補修を行ってくれる業者に依頼することが大切です。
修理費用は出来るだけ安く抑えたいところですが、安さを追求すると補修する前よりも状況が悪化する場合もあるので注意が必要です。
コーキングの修理はどこに頼むの?

コーキングの打ち替えを依頼しようと思った時に、「一体誰に頼めばいいんだろう?」と手が止まった方が多いのではないでしょうか。
実は、コーキングする箇所によって頼む業者が異なります。
・屋根であれば「屋根屋さん」
・外壁であれば「外壁屋さん」
中には、コーキング専門で行っている業者さんもいます。
基本的に上記の業者さんであれば、コーキングの打ち替えを請け負ってくれます。
新築した当時に施工した業者さんでも良いですが、コーキング打ち替えは施工技術によって耐用年数が大きく変化しますので、できれば自分で「コーキング打ち替え技術が高い業者さん」を探しましょう。
屋根雨漏りのお医者さんでは、全国に国家資格を持ち、全箇所を施工できる高い技術力を持った職人が多数在籍しています。
無料で調査・お見積もりを行なっていますので、まずはお気軽にご相談ください。
コーキング剤の補修のみも対応しています。
→屋根雨漏りのお医者さんはこちらから
自分でコーキング剤の補修・修理を行う方法

コーキングの補修を自分で行う場合の方法を解説します。
1.まず、古いコーキング剤をカッター等で取り除きます。古いコーキング剤を残したままにすると雨漏りが止まらない場合があるので大切な作業になります。
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2.古いコーキング剤を取り除いたら、雑巾などでしっかりと表面をさらに綺麗にしましょう。
少しでも残っていると新しいコーキング剤が剥がれる原因となります。
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3.コーキングしたい箇所の周辺をマスキングテープで養生します。
これは、周りに余計なコーキング剤が付着するのを防ぐためです。
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4.綺麗にした溝にプライマーを塗り、コーキングガンにコーキング剤をはめ、均一になるように流し込みます。
コーキング剤を流し込んだら、ハケを使い綺麗にならします。
(プライマーは、コーキング剤の接着性を高めてくれる薬剤です。)
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最後に、乾く前にマスキングテープを剥がし完成です。
コーキング剤の乾燥には、約1日ほどかかりますが物によって変わる場合もあるため、購入する際は事前に確認しましょう。
コーキングを使った修理に必要なもの
・コーキング剤
・コーキングガン
・プライマー
・マスキングテープ
・ハケ
・カッター
基本的には、1万以内で全て買えて、修理工程も簡単そうに見えますが、あくまで応急処置程度に考え、雨漏りしている場合には出来るだけプロの業者に依頼しましょう。
素人の方では、雨漏りを完全に止めるのは不可能だと思ってください。
コーキングの劣化による雨漏りの相談事例
ここからは実際に、屋根雨漏りのお医者さんで雨漏りの調査・修理した事例を紹介いたします。
工場の屋根からの雨漏り
Q.
屋外の加工工場の屋根から雨漏りしています。直してもらえませんか?
A.
コーキングで何度か修復している箇所が見受けられますね。
まずは原因を究明してから、その後しっかりと修理いたします。

こちらの工場は鉄骨造りで屋根はスレート、その上には数多くの配管やタンクがあり、問題の雨漏り箇所では下の写真の通り、いくつもの配管やタンクが屋根を貫通していました。

配管が屋根を貫通している箇所はコーキングで何度も修復している形跡がありましたが、スレート自体のヒビ割れや振動によって再びコーキングが切れてしまっていたりと、とても手のつけようがない、手のつけ難い状態となっておりました。

よーく見ていると、工場自体の鉄骨から歪んでいるのではないかと思うような屋根の歪み、取り合い部分の鈑金板は錆びていて多数の穴があり悲惨な状態です。

工場の稼動は止めていただくことができないので、稼動の少ない時間もしくは土曜・日曜の工事を前提に、お客様とご相談の上、施工していく予定となりました。
コーキング修理だけで雨漏りを止めるのは難しかった事例
Q.
2階建ての昔ながらの金属瓦棒葺きの屋根です。
何度か他業者で雨漏り修理をしてもらっているのですが一向に止まりません。一度調査に来てもらえませんか?

A.
中を確認すると雨漏りしているところがいくつかあり、ボードも浮いている状態でした。

屋根に登って確認してみます。


屋根にのぼって確認したところ、雨漏り修理のためにあちらこちらでコーキングを行った箇所がありましたが、それでも止まっていない状況でした。


雨漏りしても仕方ないような場所もありましたし、外壁のモルタルも数か所大きなひび割れが入っていました。

屋根からの雨漏りは、屋根の修理だけで止まりますが、ここまでくると外壁も修理をしないと直らないと思われます。
コーキング修理だけでは雨漏りは直らないの?
もちろんコーキングだけで済む場合もありますが、今回のケースは簡単なコーキングによる一時的な雨漏りの処置はできますが、根本的に直さないと解決にならないかと思います。
天井の板が落ちてきそうなので雨漏りを直して欲しいです。
Q.
天井の板が雨漏りで腐って落ちてきそうになっているので見てほしいです。

A.
天井のベニヤ合板が雨漏りによって剥がれており、落ちそうな状態になっていますね。まずは原因の調査を行います。


屋根はコロニアルでしたが、一見それほど雨漏りがするような状態には見えません。
しかし細かく見るとヒビが入っていたり棟包みの板金の釘が浮いて
取れそうになっていたりしていました。


また、外壁のサイディングのコーキングにはヒビがありました。
こちらも原因の一つとなっているようです。
今回は部分的な補修のパターンと全体的な補修のパターン、
2通りのご案内をさせていただいてからの修理となります。
まとめ

コーキング剤は家の様々な箇所で使用されていますが、特に大切なのが外のコーキングです。
雨漏りしやすい箇所は主に以下の場所です。
・外壁材の隙間
・窓枠やサッシ、出窓周辺や外壁の境目
・換気口と外壁のつなぎ目
・外壁とベランダのつなぎ目
これらの箇所にはコーキング剤が使用されていますので、新築から5年~10年を目安に打ち替えメンテナンスを検討しましょう。
コーキング剤を打ち替える際に重要なのが、既存のコーキング剤を除去してくれる業者です。
できればサンダーなどを使用してくれる業者が望ましいです。
※既存のコーキング剤の上から重ね塗りする増し打ちは、雨漏りの原因になりますので、値段が安くても行わないようにしましょう。
雨漏りしている場合は、雨漏り専門の業者に依頼しましょう。
屋根雨漏りのお医者さんでは、雨漏り修理もメンテナンスも両方対応いたしますのでぜひお気軽にご相談下さい。
調査・見積もりは無料で行っております。

こんにちは
屋根雨漏りのお医者さん茨城県担当の村田です。
弊社は、雨漏り修理専門のプロ集団で構成された会社です。
私自身は、基幹技能士・一級建築板金技能士など数多くの資格と表彰状を保有して活動しております。
総合実績11万件以上で皆様の知る建物を数多く修繕してきました。