工場・倉庫からの雨漏り!原因と修理方法を解説!

雨漏りは、戸建ての一般住宅で発生するイメージが強いと思います。
しかし、工場や倉庫などでも雨漏りは発生するのです。
工場や倉庫などで発生した雨漏りは、一般住宅と比べると軽視されがちですが放置してしまうと工場や倉庫に保管している設備や製品にまで被害が及ぶことも少なくありません。
そこで、今回は工場や倉庫で発生した雨漏りの原因と修理方法について解説していきます。

雨漏り修理の専門家
雨漏り修理
雨漏り修理
目次

工場や倉庫での雨漏りとは

工場の雨漏りとは、工場の屋根や壁、その他の構造物から雨水が内部に侵入する現象を指します。
この問題は、工場の運営を大きく妨げる可能性があります。
特に、雨漏りが製造ラインや重要な機器に影響を及ぼすと、生産停止や設備の損傷につながる可能性があります。

雨漏りは多くの原因で発生します。
建物の老朽化、不適切な建築設計、維持管理の不足、天候によるダメージ(例えば、強風や豪雨によるもの)などがあります。

この問題を未然に防ぐためには、定期的な検査と適切な保守が必要です。雨漏りが見つかった場合には、速やかに修理を行うことが求められます。
それにより、問題が悪化するのを防ぎ、工場の運営をスムーズに保つことができます。

工場や倉庫での雨漏りの原因

工場屋根 雨漏り

工場や倉庫での雨漏りの原因で多いのが屋根の老朽化です。
屋根が老朽化することで、起こり得る雨漏りの原因について3つ紹介します。

・屋根自体の老朽化による雨漏り
・屋根材を固定しているボルトの老朽化による雨漏り
・コーキング部分の劣化による雨漏り

屋根自体の老朽化による雨漏り

工場屋根 雨漏り さび

築年数が経過している工場や倉庫では、屋根材自体の老朽化が原因で雨漏りが発生するケースがあります。
その一つに屋根の塗装の劣化が原因になっている場合があります。
古城や倉庫で使われている屋根材の多くは、トタン屋根などの金属屋根や、プレハブ、折半屋根など、戸建て住宅とは異なる屋根材が使われることが多いです。

これらの屋根材は、瓦やコロニアルなどと比べるとかなり劣化スピードも速く、台風等の影響もすぐに受けてしまいます。
屋根材の表面に施工されている塗装の効果が切れてしまうと、屋根材にヒビや割れといった損傷や、錆によって穴が空くなどといった症状が現れ雨漏りが発生します。
その他にも、台風などの自然災害によって、屋根材が吹き飛ばされたり、損傷したりすることでも雨漏りは起こります。
すでに老朽化している屋根材が台風などの影響を受けた場合には、一気に被害が拡大してしまい、屋根が崩壊してしまうような大きな被害になることも考えられますのでメンテナンスは定期的に行いましょう。

また、屋根材の表面の塗装が切れることでカビやコケが繁殖してしまうことがあり、苔や、屋根の色褪せなどを感じたら塗装メンテナンスを行うことをオススメいたします。

 どのような屋根材を利用していたとしても、耐用年数というものがあり、いずれ葺き替え工事などの大規模修繕が必要になると考えておきましょう。雨漏りさせずに屋根を長持ちさせるためには、最適なタイミングで必要なメンテナンスを行うことが重要ですので、定期的な専門業者による点検を行いましょう。

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屋根材を固定しているボルトの老朽化による雨漏り

ボルト 雨漏り

大規模な工場や倉庫などの施設では、折板屋根や波形スレートなどと呼ばれる屋根が採用されることが多く、板屋根や波形スレートなどの屋根は、屋根材を固定するためにボルトが使用されています。
そのボルトが経年劣化により錆びてしまうことで、徐々にボルトが緩み、ボルト穴に隙間が生じてしまい、そこから雨水の侵入によって雨漏りを誘発させてしまいます。

また、錆びによってボルトが肥大化してしまうことで、波型スレートにひび割れが生じてしまうこともあり、これらが雨漏りの原因になることが多々ありますので、定期的にボルト緩みや錆などをチェックし補修しましょう。

コーキング部分の劣化による雨漏り

自分で雨漏りを修理する

コーキングとは建築物の部材と部材の隙間を埋め、気密性や防水性の向上のために使用されるゴム状のチューブを絞って使用する建築材のことを指します。
コーキングは、シリコンやウレタンなどの種類があり、シーリングやシールなどとも呼ばれることがありますが、どれも一緒の物と考えていただいて構いません。

工場や倉庫では、コーキングは主に窓周りや換気扇、屋根を固定しているビスなどで使用されており、隙間から雨水が入らないよう使われます。

コーキングも経年劣化がおこるため、ひびが入ったり、崩れてしまうことがあり、雨漏りの原因となります。コーキングの劣化は見つけにくいため、こちらも専門業者による定期点検が重要になります。

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工場・倉庫で使用されている屋根

工場や倉庫といった大型施設の場合、屋根材として使用されている建材は金属屋根かスレート屋根の2種類が一般的です。
工場や倉庫では、人が居住することを目的としていない為、機能性を重視した設計になっています。

現在主流の屋根は2つあります。
・折半屋根
・波型スレート

この2つの屋根材について紹介します。

折半屋根

折半屋根

折半屋根とは1枚の金属をジグザグに折りたたんだようなシンプルな構造での屋根です。

紙を何重にも折ると強度が増すように、折半屋根は金属の屋根材を折りまげることで、強度を高めているのが特長です。

しかし、強度が高い一方で、金属製の為に錆びやすく、その形状から排水機能が低く、防錆対策、防水対策が必要となります。

波型スレート

工場雨漏り

波型スレートとは、小規模な工場や製造業の生産工場などで広く普及し、これまで工場や生産工場などで主流とされてきた屋根形状です。

しかし、古い波型スレートの屋根材にはアスベストが含有されおり、アスベストが社会問題に発展したことから、現在では前述した折半屋根が主流となっています。

現在ではノンアスベストの製品も販売され、安価かつ施工がしやすい為に、工場の新築や建て替えの際にも幅広く採用されている屋根材です。

また、波型スレートの特長として、遮音性に優れているという点があります。

もともと、波型スレートは鍛造工場やプレス工場など、どうしても騒音が発生してしまう製造業に積極的に採用されてきました。

波型スレートの素材そのものが音の振動を遮断する役割があり、一般騒音とされる250~1000ヘルツの音による悩みはありません。

スレート屋根についてはこちらの記事で詳しく解説しています。↓

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工場や倉庫と一般戸建て住宅の雨漏りの違い

戸建て 雨漏り 屋根

工場と一般住宅の雨漏りの違いは、被害後にあります。
一般戸建て住宅であれば、万一雨漏りが発生した場合でも、バケツなどを置いて修理業者がくるまで、その場をしのいでおけば良いと考えるかもしれません。しかし、工場や倉庫は、一般住宅とは異なり、施設内に大切な商品や高額な設備、そして多くの従業員を抱えているため、雨漏りを放置してしまうと大きな損害や従業員の健康被害を引き起こす原因となってしまいます。

工場や倉庫で雨漏りが発生することでの被害

工場の雨漏り

工場や倉庫で雨漏りが発生することで、製造ラインが止まったり、設備が故障したり、製品がダメになってしまったりと色々な被害が発生する場合があるため、バケツなどを置いてその場をしのげれば良いと、対応を後回しにしてしまうのはあまりお勧めできません。
できるだけ早めに専門業者に見てもらい修理してもらいましょう。

工場・倉庫の屋根修理の方法

トタン屋根 雨漏り ペンキ

工場や倉庫といった大型施設の屋根であっても、工事方法や工法は一般的な住宅と同じです。
ですが、一般住宅とは規模が違うため、費用や施工期間が大幅に変わってきます。
ここでは、工場や倉庫での雨漏り修理・屋根修理の際に行われる工法を3つ紹介いたします。

葺き替え工事

葺き替え工事とはその名の通り、既存の屋根を撤去して、新しい屋根に葺き替えることを指します。

しかし、葺き替え工事を行っている期間中、一時的に工場の屋根が空になってしまうことから、生産施設などではあまり採用されることはありません。

屋根塗装やカバー工法による屋根リフォームが一般的です。

葺き替えについてはこちらの記事で詳しく解説しています。↓

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カバー工法

カバー工法は一般住宅の屋根リフォームでも利用される工法でもうすでにご存知の方もいらっしゃると思います。

思いますが、工場のカバー工法も住宅のカバー工法同様に既存の屋根材の上に、新しい屋根材を被せる工法です。

屋根全面を張り替える葺き替え工事と比べ、既存の屋根を撤去する必要がない為に、安価かつ工期も短いのが特長です。

屋根塗装

一般的な住宅の場合、10年を目安に外壁塗装を行う必要があります。

工場や倉庫といった大型施設の場合も外壁塗装を行うことで、屋根材の保存性を高めることができます。

また、外壁塗装で使用される塗料には遮熱塗料と呼ばれる塗料があり、その塗料を使用することで室内環境を一定に保ち、冷暖房費などの節減にもつながります。

単純に屋根を新しくするのでは無く、屋根に新しい機能を追加できるとして、遮熱塗料を採用する工場も多いです。

屋根塗装の雨漏りについてはこちらの記事で詳しく解説しています。↓

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工場の雨漏り修理の費用について

雨漏りの修理には、いくらかお金がかかることがあります。その費用はどれくらいなのでしょうか。まずは、修理にかかる費用が何から決まるのかを理解しましょう。

  • 修理する場所の大きさ: 雨漏りが起きている場所が広ければ広いほど、修理にはお金がかかります。そのため、雨漏りが広範囲に及んでいる場合や、雨漏りが深刻な状態の場合は、修理費用も多くなります。
  • 使うもの: 修理に使うもの、つまり、材料も修理にかかる費用に影響します。特に、雨漏りを防ぐための塗装や、雨水を防ぐための防水材料などは、品質によって値段が変わります。
  • 業者の費用: 雨漏り修理をする業者によって、どれくらいの費用を取るかは変わります。そのため、どの業者に依頼するかを選ぶ時は、その業者がどれくらいの費用を取るのか、確認することが大切です。

雨漏り修理は、工場を正常に動かし続けるために必要な作業です。そのため、業者を選ぶときは、費用だけでなく、その業者の技術力や信頼性などを考慮に入れることが大切です。

雨漏りは屋根だけの問題ではない

工場屋根 雨漏り

雨漏りの原因は屋根の劣化と考える方が多いですが、実は外壁やコーキングなどの劣化が原因となる場合もあります。
窓枠やドア枠、換気扇などの隙間には、防水処理を目的としてコーキングが施工されています。こういったコーキングが、紫外線などの影響で劣化することで、そこから水の侵入を許してしまい雨漏りを引き起こします。
なので、屋根だけでなく、外壁など、建物周り全てに関して、定期的な点検を行い、必要なメンテナンスを行うようにしましょう。

工場・倉庫にオススメの屋根材は?

工場や倉庫の屋根材には耐久性、メンテナンスの容易さ、コスト効率、そして建物の用途に適した特性が求められます。以下は工場や倉庫におすすめの屋根材のオプションです:

  1. 金属屋根:金属屋根は耐久性が高く、メンテナンスが少ないため、工場や倉庫に広く用いられています。スチール、アルミニウム、銅などがあり、耐候性や耐火性に優れています。また、熱反射性の高いコーティングを施すことで、エネルギー効率の向上も期待できます。
  2. ポリカーボネート屋根:光を内部に取り入れたい場合に適しており、耐衝撃性に優れ、軽量で取り扱いやすいです。透明または半透明の素材で、自然光の利用を促進しつつ、耐久性も確保できます。
  3. EPDM(合成ゴム)屋根:EPDM屋根は合成ゴムを使用しており、防水性に優れ、非常に柔軟性があります。低勾配の屋根に適しており、継ぎ目が少ないため漏水のリスクを低減できます。
  4. 石綿セメントシート:耐火性や耐久性に優れ、比較的安価で入手しやすいため、工場や倉庫の屋根材として古くから使用されています。ただし、アスベストの健康リスクが問題視されているため、新設や交換の際には無石綿の素材への置き換えが推奨されています。
  5. 波板:プラスチックや金属製の波板は、設置が簡単でコストが低く抑えられるため、一時的な建物やコストを抑えたい場合に適しています。耐候性や色の選択肢も豊富です。

これらの屋根材はそれぞれにメリットとデメリットがありますので、建物の位置、気候、使用目的に応じて最適なものを選ぶことが重要です。また、専門的な施工が必要な場合も多いため、適切な業者選びもポイントになります。

工場・倉庫の雨漏りについてのまとめ

雨漏りのまとめ

工場における雨漏りの原因としては、屋根の劣化やコーキングの劣化、屋根の劣化などが原因で発生していることが多いです。
特に、屋根の劣化は、工場に多い問題の一つです。

雨漏りが発生した場合は、早急に修理する必要があり、修理方法としては、被害が少なければコーキングなど簡単なもので修理できる場合もあります。
また、塗装を行うことで屋根の劣化を防ぐことができ屋根の寿命を長持ちすることができるため、工場における雨漏り対策としても、定期的な点検が必要です。

そして、点検により、雨漏りの原因を早期に発見し、修理することができます。
雨水が浸透すると、機械や設備の故障や作業員の安全にも影響を及ぼす可能性があるため、放置せずに、思わぬ損害・損失に繋がるリスクを抑えましょう。

「雨漏り修理に関する相談をしたい」という方も大歓迎です。お気軽にお問い合わせください

栃木県の雨漏り修理の臼井進

こんにちは
屋根雨漏りのお医者さん栃木県担当の臼井です。
弊社は、雨漏り修理専門のプロ集団で構成された会社です。
私自身は、一級建築士・基幹技能士・一級建築板金技能士など数多くの資格を保有して活動しております。
総合実績11万件以上で皆様の知る建物を数多く修繕してきました。


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