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ソーラーパネルと屋根の関係。本当に大丈夫?

太陽光発電は、今や「床暖房つけますか?」と同じくらい、誰しもが新築を建てる時には「太陽光どうしますか?」と聞かれる時代。

新築じゃなくても、屋根にソーラーパネルを大量に乗せている住宅はたくさんありますよね。

太陽光発電は政府主導の事業なので、固定買取期間内で初期投資の元が取れますし、その後の売電収入は全て利益になります。

けど、「大切な屋根」にそんなものを乗せて大丈夫なの?と心配になります。

ソーラーパネルが原因の火事、風害なども発生しています。

それに、ソーラーパネルと屋根の下の防水シートはどうなるの?と心配になりますよね。

そこで、今回はソーラーパネルと屋根、雨漏りの関係を検証していきたいと思います。

 

 

ソーラーパネルを屋根に乗せておきた悲劇、火事風害

まずは実際に発生したソーラーパネルが原因の火事などの被害について確認してみましょう。

ケース1、屋根一体型パネルが「ホットスポット」で発熱発火

2016年4月11日に、川崎市の住宅で太陽光パネルや屋根を焼く火災が発生しました。

火災を起こしたのはシャープ製の屋根一体型のソーラーパネルです。

2006年にソーラーパネルを設置してから10年後の発火です。

火災の原因は、瓦のずれ。

通常、ソーラーパネルは瓦などが覆いかぶさってしまうと「ホットスポット」という現象がおきます。

ホットスポットが起きると、太陽電池の発電機能が邪魔されて、パネル自体が発熱して、発火する可能性があるのです。

ホットスポットは落ち葉やゴミなどで発生することがわかっていますが、今回の火事では、施工ミスではなく偶然瓦がずれたため、ソーラーパネルが影になってホットスポットとなり、発火したとのことです。

メーカーが再現実験を行ったところ、発火しなかったためホットスポットだけが原因とはいえないとしていますが、施工マニュアルの徹底を呼びかけています。

このケースはレアケースという認識ですが、ソーラーパネルが大量に設置された2015年以降の住宅にも起き得るリスクです。

 

ケース2、雪止め金具が原因で屋根置き型のソーラーパーネルが発火

こちらのケースは、屋根に置くタイプのソーラーパネルから出火しました。

原因は、雪国ではどの家でも設置している「雪止め金具」です。

雪止め金具が、パネルの裏側を傷つけ、導電、短絡し発火したと見られています。

設置した当時は、雪止め金具とソーラーパネルは接触していなかったようですが、積雪によりソーラーパネルが押されて屋根に付属している雪止め金具に押し付けられる形になったとのことです。

 

ケース3、施工不良が原因でソーラーパネルと屋根が吹き飛ぶ

今度は、ソーラーパネルが強風で吹き飛んだケースです。

2017年10月に、5年前に設置したソーラーパネルと、その下の屋根が強風に吹き飛ぶ事故が起きました。

ソーラーパネルは、既存の屋根に設置する「屋根置き型」です。

通常は、その地域で想定される強風に対応できるよう設置すれば、吹き飛ぶことはないとされていますが、今回の事故の原因は、ボルトの施工不良です。

屋根置き型のパネルは通常4つのボルトで固定されるのですが、1つでも緩んだり破損したりしてしまうと、パネルが吹き飛ぶ危険性があります。

 

ソーラーパネルの発火や風害を防ぐためにできることは「施工業者の選定」

ソーラーパネルが原因の火事や風害の多くが「施工ミス」や「業者の知識不足」が原因で発生しています。

もともとデリケートな屋根に設置するので、屋根に対する専門知識とともに、ソーラーパネルに関する最新の知識を持ち合わせた業者を選ぶことが必要不可欠です。

甘い認識で、施工をすると先ほどご紹介した事例のように火災が起きたり、風邪で飛んで行ってしまったりという事故が発生する可能性があります。

火災や風害は、自宅のみならず近所に損害を与えることが多いため、危機意識を持って自分で慎重に業者を選びましょう。

間違えても自宅に、「今なら太陽光が実質無料ですよ」などのうたい文句を武器にやってきたセールスマンの口車に乗って契約することだけは避けてください。

 

ソーラーパネルの下の屋根は大丈夫? 雨漏りリスクは増えるのか

ソーラーパネルによる事故とともに気になるのが「雨漏り」リスクの増大です。

世界中の家々はずっと雨漏りのリスクと戦っていました。

今でも多くの新築が雨漏りに泣いています。

そんな状況で、屋根にソーラーパネルを乗せるなんて、と恐怖に打ち震える方もいらっしゃるはず。

その疑問を解決すべく、ソーラーパネルと雨漏りについて検証しました。

屋根置き型は雨漏りリスク大

ソーラーパネルを屋根に設置する時「屋根一体型」と「屋根置き型」の2パターンを選ぶことになります。

屋根一体型とはパネルと屋根がセットになっているタイプで、屋根に穴をあけることなくパネルを設置できます。

それに対して屋根置き型は、屋根に穴を開けるなどして固定するタイプです。

ソーラーパネルが原因の雨漏りの場合、屋根置き型が圧倒的に雨漏りリスクが高くなります。

何故ならば、屋根置き型の場合、屋根材だけでなく、その下の防水シートにまで穴を開けてソーラーパネルを固定するからです。

屋根は、瓦などの屋根材だけでなく防水シートで雨漏りを防いでいます。

そこに穴を開けるのだから、雨漏りする可能性は非常に高くなってしまいます。

もちろん、穴を開けた部分にはシーリングなどで雨漏りを防止すべく対策を講じますが、その対策が完璧にできると思いますか?

普通に施工しても雨漏りがあとをたたないのに、穴を開けた上にシーリングを施して、雨漏りしないとは断言できませんよね。

だからソーラーパネルを設置するときは「屋根一体型」もしくは「穴を開けない工法」を選ぶことが大切です。

もし、屋根に穴を開けるタイプの工法しか選べない場合は、技術力がある施工業者を選んでください。

 

ソーラーパネルを置くことで屋根メンテナンスはどうなる?

屋根といえば定期メンテナンスが必要な、家を守る大切な場所。

ところがソーラーパネルを設置すると、ソーラーパネルの下の屋根のメンテナンスが

できないのでは?と心配になります。

まずは、各部材のメンテナンスや交換時期を調べてみましょう。

  • 瓦(和瓦・洋瓦)…定期メンテナンスはほぼ不要
  • スレート屋根……15年から25年でメンテナンスor交換が必要
  • ガルバリウム鋼板……20年程度でメンテナンスが必要
  • 防水シート……10年から20年でメンテナンス・交換が必要
  • ソーラーパネル……20年から30年

 

屋根材、防水シートと、ソーラーパネルのメンテナンスが必要になるまでの期間を比べてみると、防水シートの耐用年数に比べるとソーラーパネルの耐用年数が長いことがわかります。

屋根材とソーラーパネルには差がありませんが、防水シートが問題です。

屋根の雨漏りはほとんどが「防水シート」で防いでいると言っても過言ではないので、防水シートのメンテナンスは欠かせません。

まだソーラーパネルが普及してから日が浅いので、ソーラーパネルがあるために「防水シートの張替えができない」という自体はほとんど発生していませんが、これから徐々に問題化してくるはずです。

ソーラーパネルが乗っていれば、屋根材の下の防水シートは点検することすらできませんよね。

結論は、「雨漏りしてから対策を考えるしかない」ということになりますので、太陽光パネルの設置を考えるときは、業者に「パネル以外の屋根の部材のメンテナンス」についてもしっかりと確認しましょう。

 

まとめ

太陽光パネルを設置したことによる、火災、風害、雨漏りは全国で多発しています。

太陽光パネルに罪があるわけではなく、ほとんどが施工ミスが原因なので、太陽光パネル=危ないと考えて、避ける必要はありません。

ただ、正しい施工をしなければ、火事などのリスクが高くなることを念頭において、「施工技術と知識がある専門業者」に依頼しましょう。

また、設置するときの工法、その後の「屋根」のメンテナンスについてもしっかりと説明できる業者を選ぶことが大切です。

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亀岡亮介

亀岡亮介

屋根雨漏りのお医者さんグループ本部代表。
2010年に屋根雨漏りのお医者さんグループを立ち上げる。2017年現在、80数社の技術力を誇るメンバーを擁し、メンバーとともに、日々、雨漏り修理の問い合わせに対応している。

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