瓦がずれることで雨漏り!?原因と修理・補修方法を解説

瓦屋根の雨漏り修理

瓦屋根の自宅で、瓦がずれているのを見つけたことはありませんか?
瓦がずれることで外観美が損なわれることだけでなく、雨漏りが発生する可能性も出てきます。
瓦がズレていることに気がついたらできるだけ早く専門業者を呼んで補修してもらいましょう。
また、この記事では瓦がずれる原因とご自分での瓦のズレの直し方について解説します。

目次

瓦のずれで雨漏りが起こる原因

瓦屋根は屋根材の中でもかなり耐用年数(寿命)が長い屋根材ですが、長期間雨風にさらされたり、地震や強風などの外からの強い衝撃によって、瓦が劣化したり、屋根から落下したり、割れてしまったり、固定する力が弱まって瓦ずれなどの現象が起こり破損します。
これによって瓦の下にあるルーフィングや葺き土に水が浸食することで雨漏りの原因となります。

瓦屋根からの雨漏りについてはこちらの記事で詳しく解説しています。↓

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雨漏りを引き起こす瓦屋根の問題点

瓦屋根の問題点が雨漏りを引き起こす原因になる場合があります。以下にその主な問題点を挙げます。

  1. 複雑な構造: 瓦屋根はその形状と構造が複雑であるため、微細な隙間から雨水が侵入する可能性があります。特に、屋根の谷部分や瓦と瓦との接合部は雨漏りのリスクが高まる部分です。
  2. 瓦の重さ: 瓦は比較的重いため、建物の構造に負荷をかけます。時間と共にこの重みが屋根の構造を歪ませ、結果として雨漏りを引き起こすことがあります。
  3. 老朽化: 瓦は非常に耐久性がありますが、それでも何十年もの長い時間が経過すると瓦自体の劣化や、下地の腐朽が起こります。これが雨漏りを引き起こす一因となります。
  4. 施工ミス: 屋根の施工において瓦の配置ミスや傾斜の設定ミスなどがあった場合、雨水の排出がうまく行かず雨漏りを引き起こす可能性があります。

これらの問題点は、定期的なメンテナンスや、修理時に専門的な技術を持つ業者に依頼することで防ぐことが可能です。

瓦のずれだけでは必ずしも雨漏りが起こるとは限らない

屋根の苔

屋根瓦がずれてしまったり、落ちてしまったら雨漏りしてしまうのではないか?と思う方もいると思います。
ですが、瓦がずれたり、落下したからといって必ずしも雨漏りが発生するとは限りません。
瓦の下には、ルーフィングと呼ばれる防水シートが敷かれており、その防水材によって雨水の侵入を防いでいるのです。
ですので、雨漏りが発生するということは瓦の下にあるルーフィングもダメになっているから起こるのであって、ルーフィングが正常であれば、瓦のずれによる雨漏りは発生しない可能性が高いのです。

瓦ずれの放置は雨漏りを誘発させてしまう

一階 雨漏り

先ほど、瓦のずれは必ずしも雨漏りを発生させるわけではないと言いましたが、だからと言って瓦のずれをそのまま放置してしまうのはやめましょう。

瓦がずれることで、瓦の下にあるルーフィングが剥き出しになり、直接天候の影響を受けるようになりダメージを受けてしまいます。

その状態が続くことで、ルーフィングが劣化し、破れたり、穴が開いたりと防水の機能がなくなり雨漏りを誘発させるのです。

屋根瓦というのは、一見雨を凌いでいるだけに見えますが、実は屋根材の下にある下地も紫外線や雨風から保護しているのです。ですので、瓦にずれや破損などの不具合を発見したときは早めに修理を行うことが望ましいのです。

瓦が原因の雨漏り

屋根 雨漏り

瓦屋根の雨漏り原因になるのが、ルフィングの劣化を除くと棟瓦の歪みや、瓦の欠け・破損、漆喰の劣化などが原因になっていることが多いです。
棟とは屋根の面と面が重なる頂点の部分を指し、そこに施工されている瓦が棟瓦です。
その棟瓦が歪み、少しの歪みから徐々に歪みが大きくなり最後は崩れて雨漏りの原因となります。
漆喰も同様に、剥がれてしまったり崩れてしまったりするとその箇所から雨水が浸入し雨漏りを引き起こす可能性が高くなります。
また、瓦は、雹や強風時の飛来物、アンテナの倒壊などによって瓦が割れてしまったり欠けてしまったりしてしまうことがあります。

その他、瓦屋根の雨漏りの主な原因は以下のようなものがあります。

  1. 瓦の割れや欠け: 天候の変化や物理的な衝撃により、瓦が割れたり欠けたりすることがあります。割れたり欠けたりした瓦は雨水を適切に排出できず、結果として屋根からの雨漏りを引き起こします。
  2. 瓦のズレ: 強風や地震などにより瓦がズレることがあります。これにより屋根の防水機能が損なわれ、雨漏りの原因となります。
  3. 雨仕舞の損傷: 瓦の下にある雨仕舞(雨を防ぐための構造)が損傷した場合も雨漏りの原因となります。特に年数が経つと、材質の劣化により雨仕舞が機能しなくなることがあります。
  4. 屋根の傾斜不足: 瓦屋根は雨水を効果的に排水するために一定の傾斜が必要です。しかし、建設時の設計ミスや地盤の沈下などにより傾斜が不足すると、雨水の排出がうまく行かず、雨漏りの原因となることがあります。

瓦ずれと雨漏りの事例紹介

瓦ずれや雨漏りは、様々な条件や状況で起こる可能性があります。以下にその具体的な事例をいくつか紹介します。

事例1:台風による瓦ずれと雨漏り

台風や大雨の後に、突如として屋根からの雨漏りが発生したというケースです。強風により屋根瓦がズレ、そこから雨水が侵入してしまいました。瓦がズレたこと自体に気づきづらいため、雨漏りが発生した時点で初めて問題に気付くケースが多いです。

事例2:経年劣化による瓦ずれと雨漏り

長年の使用と経年劣化により、瓦が微細なズレを起こし、その結果雨漏りが発生した事例です。屋根瓦は耐久性がありますが、何十年もの長期間にわたる風雨や温度変化により、瓦自体や瓦を支える部材が徐々に劣化します。これにより、見た目にはほとんど変化がないまま微細なズレが発生し、雨漏りにつながることがあります。

事例3:施工ミスによる瓦ずれと雨漏り

新築や屋根の改修工事後に雨漏りが発生したケースです。施工ミスや材料の問題が原因で瓦が正しく配置されておらず、すぐに瓦がずれ、雨漏りを引き起こしました。このようなケースでは、施工業者へのクレームや再施工が必要になることがあります。

これらの事例からわかるように、瓦ずれと雨漏りは多様な原因で発生します。そのため、定期的な点検や早期の対策が重要となります。

瓦ずれや雨漏りの調査方法

瓦ずれや雨漏りが疑われる場合、その原因を特定するためには調査が必要となります。以下に、自分で行うことが可能な基本的な調査方法を紹介します。

1. 屋内からの確認

雨漏りの初期症状は、天井や壁からの水滴、湿った箇所、またはカビの発生などが挙げられます。これらの症状が見つかった場合、可能な限りその箇所を特定し、屋根のどの部分が対応するかを確認します。

2. 屋根からの確認

屋根に上がり、直接瓦の状態を確認することも有効です。瓦がずれている、割れている、または欠けている箇所がないかを探します。ただし、この作業は非常に危険なため、適切な安全対策を講じるか、プロに依頼することを強く推奨します。

3. 雨天時の確認

雨が降っているときに雨漏りの箇所から直接水が滴下しているか確認します。ただし、これも屋内から安全に確認できる範囲で行うべきです。

これらの調査方法で雨漏りの原因や瓦ずれの箇所をある程度特定できることがあります。しかし、雨漏りや瓦ずれの原因は多岐にわたり、また瓦のズレや損傷は肉眼で見ても確認しきれない場合があります。そのため、専門的な知識と技術を持つプロの業者に診断や修理を依頼することが最も安全かつ確実な対策と言えます。

瓦のずれを補修する方法

瓦のずれ 補修

瓦のずれを修理する場合、一体どうやって修理するのか気になりますよね?
そこで今回は、瓦のずれの補修方法を解説します。

まず、瓦が強風などの影響により外れてしまっただけであれば、元の位置に瓦を取り付け直すだけで済みますが、破損していたり、ひび割れが起きている場合には瓦の交換が必要になってきます。

また、ずれていた箇所のルーフィングが劣化している場合には雨漏りが発生する恐れがあるため、下地の補修も必要になってきます。
下地の補修では、既存の防水シートを一度撤去し新しいものと交換して直す方法が行われます。
部分修理だけで済めばいいのですが、劣化状況や破損状況によっては屋根全体の修理が必要になる場合もあります。

屋根全体の修理が必要な場合には、葺き替えや葺き直しといった大掛かりな工事になります。

ずれた瓦を取り付け直す

瓦屋根のずれ

瓦が強風などで外れてしまっただけなら、元の位置に瓦を取り付け直せば元通りにできます。

ただし、瓦がずれた場所のルーフィングが劣化していた場合は、瓦を戻した後に雨漏りが発生するおそれがあるので注意が必要です。

瓦を取り付け直して修繕するときは、事前に業者に相談して雨漏り調査やルーフィングの点検などをされておくと安心です。

瓦の費用についてはこちらの記事で詳しく解説しています。↓

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瓦のずれは自分でも直せる?

瓦のずれを自分で直すことは可能ですが、屋根の上は高所であり、滑りやすいため、安全には特に注意が必要です。もしDIYに自信がある場合や、安全対策をきちんと行えると思うのであれば、以下のステップで瓦のずれを治すことができます。ただし、作業を行う際は安全装備(安全帯、ヘルメット、滑り止めの靴など)をしっかりと用意し、風のない穏やかな天気の日を選んでください。

瓦のずれを治す手順

  1. 安全対策: 安全帯やヘルメットを着用し、滑りにくい靴を履いてください。必要であれば、安全ネットなど追加の安全措置を設けることを検討してください。
  2. 現状の確認: 屋根に上がり、ずれた瓦の位置と状態を確認します。瓦が割れている場合は、修理ではなく交換が必要です。
  3. 瓦の調整: ずれた瓦を手でゆっくりと正しい位置に戻します。瓦は重く、割れやすいので、力を入れすぎないよう注意してください。
  4. 固定: 一部の瓦は釘やワイヤーで固定されている場合があります。もしずれが再発するようであれば、新しい釘を打つか、特殊な屋根用接着剤で固定することが考えられます。
  5. 最終確認: 瓦がしっかりと元の位置に戻ったかを確認し、隣接する瓦との間に適切な隙間があるかをチェックします。この隙間は、瓦が膨張や収縮をする際に必要です。

雨漏り修理と瓦葺き替えの費用目安

雨漏りの修理や屋根の瓦を新しくする(葺き替え)費用は、いくつかのことによって変わるんです。それはどれくらいの範囲で直すか、どんな材料を使うか、どの修理業者に頼むか、などです。

雨漏り修理、いくらくらい?

雨漏りの修理にかかるお金は、雨漏りがどこにどれくらい広がっているか、直す範囲はどれくらいかによるんです。例えば、雨漏りが少しのところだけだったら、その場所を直す作業と、直すのに必要な材料代を足したら、だいたい数万円から十数万円くらいです。でも、雨漏りが家の色んなところに広がっている場合や、家そのものの問題で雨漏りが起きている場合は、お金がもっとかかります。それはだいたい数十万円から数百万円くらいになることもあるんです。

瓦葺き替え、いくらくらい?

屋根の瓦を新しくする(葺き替え)費用は、屋根がどれくらい大きいか、どんな瓦を使うか、それから、修理業者がどれくらいの時間をかけて作業するかによるんです。一般的に、家一軒分の屋根を新しくするとなると、だいたい数百万円くらいです。もし特別な瓦を使ったり、屋根の形が複雑だったりすると、その分お金ももっとかかることもあります。

これらの金額は、だいたいの目安です。実際には、どの業者に頼むかによって、お金がもっとかかることもあるし、少なく済むこともあるからです。だから、何をどれくらい直すか、それがどれくらいのお金がかかるかは、修理業者に聞いて見積もりを出してもらうことが大切です。そして、お金だけでなく、その業者がどんな評判なのか、他の人がどんなことを言っているか(口コミ)、しっかりと仕事をしてきたか(実績)も、よく確認することが大切です。

次に、雨漏り修理や瓦葺き替えにかかるお金を、できるだけ抑える方法について、アドバイスをいくつか紹介します。

瓦屋根であってもメンテナンスが大事

瓦 漆喰の破損

瓦屋根は塗装が不要で高耐久な屋根材ですのでどうしても点検やメンテナンスを怠りがちかと思いますが、瓦屋根も経年によって瓦のズレや割れ、漆喰の劣化による棟瓦のズレなどを引き起こします。

ですので定期的に点検を行うことで早めに劣化症状を見つけることができ、補修を行うことができるのでお勧めです。
また、現在頻繁に大きな地震が発生することから重い瓦屋根から軽い金属屋根に葺き替えを検討される方も多くなってきており、今後の耐震性に不安を抱えている方は屋根の葺き替え工事を検討してみてもいいかもしれません。

瓦のずれによる雨漏りのまとめ

雨漏りのまとめ

瓦にずれが生じると、瓦の下にあるルーフィングと呼ばれる防水シートや野地板など、防水下地の劣化を早める原因になってしまうため、瓦のずれを発見した際は早めに修繕を行いましょう。

「雨漏り修理に関する相談をしたい」という方も大歓迎です。お気軽にお問い合わせください

栃木県の雨漏り修理の臼井進

こんにちは
屋根雨漏りのお医者さん栃木県担当の臼井です。
弊社は、雨漏り修理専門のプロ集団で構成された会社です。
私自身は、一級建築士・基幹技能士・一級建築板金技能士など数多くの資格を保有して活動しております。
総合実績11万件以上で皆様の知る建物を数多く修繕してきました。

雨漏り修理の専門家
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