まだ建てたばかりで新しい家なのに何で雨漏りするの?
一般的に雨漏りというものは、古い家で発生するイメージを持っている方が多いと思います。
ですが、新築の住宅であっても雨漏りが発生する場合が多々あります。
また、雨漏りした際は、築年数が10年未満なのか以上なのかで連絡する場所は変わってきます。
この記事では、新築住宅における雨漏りの原因と対策、もし雨漏りした際にどうすればいいのか?などの連絡する場所等を分かりやすく解説いたします。
雨漏り保証?新築住宅で発生する原因
一般的に、築10年未満の住宅で経年劣化が原因で雨漏りすることは考えられません。
新築住宅における多くの雨漏りの原因は主に【施工不良】と【自然災害】の2つです。
①建築時の施工不良による雨漏り
新築住宅の雨漏りで、最も多い理由が「施工業者による施工不良や手抜き工事」となっています。
新築における雨漏りの主な発生箇所は外壁や窓、サッシ・換気口などの開口部などが多く、他に雨漏りの原因箇所としてよく問題になるのが主に以下のような箇所です。
・ 屋根
・ 窓・サッシ
・ 外壁
・ベランダ
・ 換気口など
このような箇所は、元々雨漏りしやすい構造になっているため、雨仕舞という技術によって大切な家を雨から守っています。
施工技術が未熟な方が施工を行なうことで、雨仕舞いに不備が生じてしまったり、必要な工程が省かれていたり、釘を打ったらダメな所に打っていたりするなど、新築時から雨漏りが発生するということが起こります。
屋根からの雨漏りについてはこちらの記事で詳しく解説しています。↓
②台風など自然災害による雨漏り
施工不良以外にも、新築住宅で雨漏りが起きる原因がもう1つあります。
それが、自然災害による雨漏りです。
大抵、住宅を建てる際は自然災害も考慮して建築が行われます。
ですが、どうしても住宅には衝撃に弱い箇所ができてしまうため、突風で楝板金が浮いたり、瓦にヒビが入ってしまったり、地震の揺れで外壁に亀裂が入る、雪で雨樋が壊れるなど想定以上の地震や、台風、突風や強風、ゲリラ豪雨などが起きることで雨漏りが発生することがあります。
台風雨による雨漏りについてはこちらの記事で詳しく解説しています。↓
新築住宅で雨漏りしたら応急処置で対応
新築住宅で雨漏りが発生した場合、簡単な応急処置を行い雨漏りによる被害の拡大を防ぐ必要があります。
応急処置というのは、難しいことではなく、壁や床に垂れている雨水を拭き取り、ずっと雨水が落ちてくるようであればバケツを置くなどといった簡単なものです。
応急処置が落ち着いたら、今度は雨漏り修理業者に連絡しましょう!
この時、築年数が10年未満か10年以上かによって連絡先が変わってきます。
雨漏りの応急処置方法についてはこちらの記事で詳しく解説しています↓
①築10年未満の新築住宅で雨漏りが発生した場合
築10年未満の新築住宅で雨漏りが発生した場合、施行業者のミスが原因で雨漏りが起きていることが多いです。
施行業者のミスが原因で雨漏りが起きていた場合、施行業者の責任となります。
ですので、まずは施行してもらったハウスメーカーや工務店に連絡をしましょう。
住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)によって、新築住宅を施主に引き渡した後10年以内に住宅の基礎となりうる構造部分に瑕疵が見つかれば、施工や住宅販売を行ったハウスメーカーや工務店は無償で修繕を行わなければいけないという法律が定められています。
築10年未満の場合は施工した業者に連絡するんだね!
②築10年以上の新築住宅で雨漏りが発生した場合
築年数が10年以上の住宅で雨漏りした場合、瑕疵担保責任保証は使えませんので、雨漏り修理専門の業者に依頼しましょう。
逆に、台風や落雷・雪・雹等の自然災害が原因であれば火災保険が使用できる場合がありますので、そちらを利用して修理を行いましょう。
雨漏りの原因が分からなくても、もしかしたら火災保険が使用できる可能性がありますのでダメもとで確認してみるのも大切です。
火災保険についてはこのあと詳しく解説します。
新築の雨漏りで火災保険は使える?
火災保険は、保証内容に書かれている自然災害が原因で雨漏り・破損している場合、新築住宅だけに限らず加入している住宅・マンションなど全ての建物で使用できる場合があります。
特に新築住宅の場合だと、経年劣化による雨漏りが考えにくいため、10年以上経過している住宅と比べると保険適応が認められやすい傾向にあります。
ただし、建築材や雨漏りしている箇所によっては自然災害によるものだと認められないケースもあるため、絶対に保険が下りるということはないので注意が必要です。
また、雨漏りの原因が自然災害の直接的原因によって起きた場合のみ火災保険が使用できるので、そこも注意が必要です。
まずは火災保険を取り扱っている雨漏り修理業者へ連絡し、雨漏りの調査を行ってもらいましょう。
火災保険を取り扱っている業者の中には、悪徳業者も多くいるためしっかりと信頼できる業者に依頼しましょう。
火災保険についてはこちらの記事で解説しています↓
雨漏りは保証で義務付けられている?
住宅事業者は瑕疵に対する10年間の住宅瑕疵担保責任を品確法によって負っています。万が一その施行会社が倒産したとしても責任を果たさなければいけません。
そのため、新築住宅の建設や販売する際には、修理費用等の資力確保として「保険」もしくは「供託」のいずれかの措置を行なっているという説明を、お客様へする義務があります。
新築住宅に瑕疵があれば、事業者は補修を行う責任がありますが、万が一その事業者が倒産した場合はこの責任を果たすことができません。
このような場合に備えて、事業者は法律で定められた額の保証金をあらかじめ法務局などの供託所に預けおく制度などを利用して資金を確保しています。
施工した業者が倒産しても修理はしてくれるんだね!
雨漏り修理費用!新築住宅ではいくら?
雨漏りの修理費用は、修理の規模や業者、使う材料などによっても大きく変わります。
大まかな目安として、簡単に費用相場をご紹介します。
・ 屋根・外壁・窓などの部分修理・・・2~15万円前後
・ベランダの塗装・・・15~35万円前後
・屋根の葺き替え、外壁の葺き替え・・・100~300万円前後
一般的に屋根全体の交換や塗装など、全体の修理を行わない限り、50万円を超えるような費用はかかりません。
雨漏り修理のほとんどが、5~35万円前後の費用になることが多いです。
さらに詳しく費用を知りたい方はこちらの記事で詳しく解説しています↓
新築で雨漏りが起きたら疑うべき原因4選!
新築で雨漏りが発生した場合、疑うべき原因と対策をまとめました。
主な雨漏りの原因箇所は4つあります。
・ 屋根
・ 窓・サッシ、外壁
・ベランダ
・ 換気口など
雨漏りが発生する主な原因箇所は、一般的には屋根、窓やサッシ、外壁、ベランダ、そして換気口などが挙げられます。
これらの箇所は、建物の防水性や気密性を保つ上で特に重要な部分であり、それらが劣化したり不適切に取り付けられたりすると、雨水や湿気が建物内部に侵入しやすくなります。
まず、屋根は建物を覆う最も重要な要素であり、屋根材や防水シートの破損や劣化が雨漏りの主な原因となります。
また、窓やサッシ、外壁も建物の外部と内部を分ける重要な役割を果たしていますが、これらの部分に亀裂や隙間が生じると、雨水が建物内部に侵入しやすくなります。
さらに、ベランダもしっかりと防水処理されていないと、雨漏りの原因となることがあります。最後に、換気口などの細部も、雨水が侵入する可能性があるため、適切な防水対策が必要です。建物の雨漏りを防ぐためには、これらの箇所の定期的な点検やメンテナンスが欠かせません。
①屋根からの雨漏り
新築住宅の屋根から雨漏りしている場合に疑うのは、施工不良もそうですが、屋根の形状にも問題がある場合があります。
雨漏りしやすい屋根の形状は、主に3つあります。
・ 陸屋根
・ 片流れ屋根
・ 軒がない屋根
最近は昔ながらの軒が深い切妻屋根や寄棟屋根ではなく、ほぼ軒がない片流れ屋根や陸屋根の家が急増しています。
デザイン面で、20代、30代に人気のデザインなのですが、この形状の屋根は非常に雨漏りが発生しやすいのです。
特に危険なのが、陸屋根です。
陸屋根は、屋根面がほぼ平になっているため、雨水の滞在時間が他の屋根と比べると長くなります。
もちろん、ずっとプールのように水が溜まっている訳ではなく、排水溝などから雨水は排出するのですが、排水溝が詰まれば水が溜まりますし、短時間で大量の雨が降れば処理能力がパンクして、しばらく雨水がたまった状態になります。
屋根の上には防水処理が施されていますが、防水処理方法が誤っていたり、一部に施されていなかったりするとたちまち雨水が建物内に入ってしまいます。
陸屋根は、屋上に水が溜まってしまうのが危険なんだね!
次に雨漏りが多いのが、片流れ屋根です。
片流れ屋根自体は雨漏りしづらいのですが、屋根の勾配が急なことが多いため、雨水が足早に流れていきます。
屋根全体の雨水が一気に一方の雨樋に集中するので雨水を効率よく流すことができません。
ザーザーと雨樋に流れ込んだ雨水が、一気に雨樋に集中すると、バシャバシャと雨水が軒の「雨漏りしやすい箇所」にぶつかり、雨水の逆流を引き起こします。
また、陸屋根や片流れ屋根は、軒がほとんどないことが多く、それが外壁などの雨漏りの原因になったりもします。
軒には大事な役割があるんだね!
屋根からの雨漏りについてはこちらの記事で詳しく解説しています。↓
②外壁、窓からの雨漏り
新築の雨漏りで一番多いと言われているのが、外壁面や窓からの雨漏りです。
外壁、窓・サッシの雨漏りの主な原因は、防水シートの施工ミスや、サッシを取り付ける際の施工ミスなどです。
外壁がすべて1枚の板であれば雨漏りすることはありませんが、実際には、窓がありますし、換気口もあります。
それらの「境目」は雨水が非常に侵入しやすい箇所です。
本来であれば、そういった箇所は防水テープを使って雨水の侵入を防ぐとともに、軒を付けて雨水があたらないように工夫をするのですが、最近の住宅では窓ごとに軒を付けることはなく、窓がむき出しです。
すると、雨漏りしやすい「境目」に雨水が直接当たってしまいます。
防水処理がしっかり行われていればいいのですが、ミスがあった場合はたちまち雨漏りが発生します。
窓・サッシからの雨漏りについては、こちらの記事で詳しく解説しています↓
③ベランダからの雨漏り
1階の居室の真上が「ベランダ」や「バルコニー」の場合、それらの防水処理がきちんと施されていなければ雨漏りが発生します。
シーリング漏れや、雨仕舞の施工ミス、などほとんどが人為的ミスです。
居室の上が、ベランダじゃない場合も、ベランダの手すり部分から水が浸入して壁内に水が溜まる事例も報告されています。
ベランダからの雨漏りについては、こちらの記事で詳しく解説しています↓
④通気工法の施工ミスによる大量の結露の発生
雨漏りではありませんが、新築に多いのが「通気工法の施工ミス」です。
最近多用されている、サイディングは水分を通しません。
だから、内壁とサイディングの間に通気層を設けて、発生した結露や侵入した水分を逃がすのですが、通気工法を誤って理解していると、下部の水分の逃げ口を塞いでしまったり、空気穴を塞いでしまったりして、水分をためこむ構造にしてしまうことがあるのです。
新築に雨漏りが多発する原因は「雨仕舞の軽視」
新築に雨漏りが発生する原因を一言で言うと「雨仕舞の軽視」にあります。
雨仕舞とは、日本に古来から伝わる「雨が建物の中に入らないようにするテクニック」です。
例えば、「軒を深く出す」のも広い意味での雨仕舞の1つです。
90センチ軒を出すだけで、その下3メートルは雨水が当たらないと言われています。
雨仕舞いは、雨から外壁を保護する働きだけではなく、窓と外壁の境目の保護、日光の遮断などの役割もあります。
最近ではデザイン重視、コストダウンの傾向が強く、軒がほぼない住宅が急増しました。
軒がなければ、雨水が外壁に直接当たりますし、窓にぶつるので、雨漏りリスクは急増します。
それを防止するために「防水部材」は年々進化しています。
昔に比べれれば、サッシやシーリング、防水テープなど雨漏りを防ぐ部材は豊富になり、雨漏りは減るように思えました。
ところが、「雨仕舞」が軽視されているため、いくら部材が進化しても雨漏りが減らないのです。
新築住宅の低価格化により雨漏りが急増!
雨仕舞の軽視は、建物のデザインだけではなく、住宅の低価格化にも一因があります。
ローコースとメーカーが急増し、20代から新築に住むことは難しくありませんが、圧縮されたコストは下請けさんである屋根屋さんや大工さんへの報酬の支払いに直撃します。
誰しも、高い報酬をもらえば丁寧な仕事をしますし、これまでの半分しかもらえなければ雑な仕事になりますよね。
また、雨仕舞の重要性を知っている熟練の職人さんが次々と引退していることも、雨漏り急増の一因です。
「防水シートとテープさえあれば雨なんて漏らないよ」と安易に考える職人さんが増えてしまうと、どうしても雨仕舞がおろそかになり、雨水が侵入してしまいます。
知識や技術のある職人がいなくなっているんだね!
雨漏りしやすい家の構造については、こちらの記事で詳しく解説しています↓
新築住宅の雨漏り対策
新築住宅における雨漏り対策について解説していきます。
新築住宅での雨漏り対策としては、主に2つあります。
・建築時にしっかりと雨漏りリスクまで考えて設計しているか
・優良な施工業者を選ぶことです。
新築住宅の雨漏り対策①雨漏りしにくい設計を考える
新築を建てる際、一番気にするのは、デザインや間取りの快適さなどが多いのではないでしょうか?
それも間違いではありませんが、デザインや間取りがいい反面、雨漏りしやすくなっている構造ができてしまうことがあります。
(例えば、天窓や陸屋根など)
今後、長く住んでいくためにも、雨水に対して強い素材や、雨漏りしにくい家の構造、というのを念頭に置いて建築するのも雨漏り対策の一つです。
100%雨漏りしない家というのは存在しませんが、雨漏りしにくい屋根材、屋根の形状というのはあるため、少しでも雨漏りのリスクを減らし、安心して暮らせる家を目指しましょう。
建築する段階から気をつけたほうがいいんだね!
新築住宅の雨漏り対策②しっかりとした技術のある優良業者に依頼する
新築住宅の雨漏りで最も多い原因が施工不良ですので、しっかりとした信頼できる業者に依頼するのも雨漏り対策の一つになります。
優良な雨漏り修理業者の選ぶポイントとしては、以下のようなポイントがあります。
・しっかりと説明してくれる
・資格などしっかりと持っている
・施工実績がしっかりとしているか
・他社と比較しみる
技術力の違いは素人では分からないため、最終的にはその担当者の人格で選ぶのがいいでしょう。
新築の家を建てる方は屋根の形状に気をつけて建てましょう!
・軒を出すこと
・陸屋根は避けること
・切妻か寄棟にすること
・屋根のルーフィングは高品質のものを選ぶこと
これを守るだけで、新築の雨漏りリスクは大幅に低減します。
屋根の形状とともに、屋根材の下で雨水の侵入を防いでくれる「ルーフィングの種類」にも注意してください。
ルーフィングとは、瓦やスレート屋根の下に敷かれている防水シートで、ランクによって耐用年数が異なります。
少しコストアップになりますが、耐用年数が20年以上の製品を選んでもらいましょう。
そうすることで、屋根のメンテナンスにかかる費用を低減できますし、雨漏りリスクも低くなります。
既に家を建ててある方はルーフィングのグレードアップと雨樋の正しい施工を依頼しましょう!
すでに新築を建てている最中の方は、屋根の形状を変えることはできませんので、ルーフィングのグレードアップと、雨樋の正しい施工を依頼してみてください。
「私たちは雨漏りに凄く神経質になっているよ」ということが伝われば、ハウスメーカー経由で施工業者さんに「注意深く施工してください」と指示をしてくれるはずです。
さらに詳しく業者の選び方について気になる方は下記の記事で解説しています。↓
雨漏りした新築住宅 まとめ
新築住宅で雨漏りが発生した場合、大事なことは、その家が築10年以上か、10年未満かということです。
・築10年以上であれば、雨漏り修理業者へ連絡しましょう。
・築10年未満であれば、瑕疵担保責任保証というものがあるので、新築時に施工した施工会社や工務店に連絡しましょう。
雨漏り修理をする場合は、しっかりと「雨漏り箇所を特定すること」を求めてください。
「どこから」「どんな理由で」雨漏りしたかをはっきりとさせなければ、再度雨漏りを引き起こします。
新築住宅で雨漏りを防ぐ対策としては、設計時に雨漏りまで考慮した設計、雨漏りしにくい素材を使用するといった設計の部分と、信頼できる優良な業者に依頼するということです。
しっかりとした業者を見つけ雨漏りしにくい家をたて安心できる住まいを心がけましょう。
こんにちは
屋根雨漏りのお医者さん埼玉県担当の柳澤です。
弊社は、雨漏り修理専門のプロ集団で構成された会社です。
私自身は、一級建築士・一級塗装士など数多くの資格と表彰状を保有して活動しております。
総合実績11万件以上で皆様の知る建物を数多く修繕してきました。